47年前の1972年7月11日に発表、翌日12日に発売されたのが初代ホンダ「シビック」です。
初代シビック 2ドア デラックス「N360」や「ライフ」など、軽自動車がヒットしていた1960年代後半のホンダが、初めて発売した小型車は、1969年発売の「ホンダ1300」でした。このモデルは4ドアセダンのほか、2ドアクーペも登場しました。
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ホンダ1300はFFベースで広い室内を持ち、高出力のオールアルミエンジンを搭載、「77」グレードは100馬力で最高速度175km/h、「99」グレードは115馬力で185km/hという高性能ぶりを発揮していましたが、水冷ではなく空冷エンジンを採用したことなどで、カローラやサニーといった当時の定番モデルほどの人気にはなりませんでした。
そのホンダ1300の後継モデルとして、47年前の今日、1972年7月11日に発表されたのが「シビック」です。シビックとは英語で「市民の」の意味で、当時のプレスリリースによると「世界市民のベイシック・カーの意味で名付けられました」とあります。発売日は翌日、1972年7月12日でした。
初代シビックといえば3ドアハッチバックの姿を想像しますが、この日に発売されたのは独立した荷室を持つ2ドアモデルで、3ドアハッチバックは2か月後の1972年8月に発売されています。
ボディサイズは全長3405mm×全幅1505mm×全高1325mmとコンパクトですが、2200mmのホイールベースと前輪駆動のレイアウトによってフラットなフロアで広い室内を実現。さらに窓ガラスが大きいデザインで、ドライバーだけでなく後席乗員も広い視界を得ることができました。なお、乗車定員は5名です。
1972年発売当時のグレードは4つで、「スタンダード(STD)」が42万5000円、「デラックス(DX)」が47万5000円、「ハイデラックス(HIDX)」が49万5000円、「GL」が53万円でした(東京での標準現金価格)。
搭載されたエンジンは、1.2リッター直列4気筒SOHCで、60馬力/9.2kgmを発生(GLグレードは69馬力/10.2kgm)。4速MTと組み合わされ、最高速度は145km/h(GLグレードは155km/h)という実力がありました。
1974年のCVCC登場で世界的な大ヒットモデルに このシビックの名を一躍有名にしたのは、1973年12月12日に発表された「シビックCVCC」です。CVCCとはホンダの低公害エンジンで、当時、世界一厳しい排出ガス規制法だった、アメリカの「マスキー法(1970年12月発効)」を初めてクリアしたエンジンでした。
赤坂プリンスホテルにて行われた初代シビックの発表会風景ちょうどその頃、第四次中東戦争が勃発し、「オイルショック」と呼ばれる石油燃料高騰がおきたこともあり、シビックは世界中で大ヒット。ホンダの世界戦略車としての地位を築きました。
4ドアセダンやスポーツモデル「1200RS」、「シビックバン」など追加車種も増えていき、1979年には2代目シビックにフルモデルチェンジされます。初代が登場してから47年、いまではシビックは10世代を数える、ホンダでは一番長く続く車名となりました。日本では一時期、ホンダの乗用車ラインアップから外れていましたが、2017年に10代目シビックが登場、8年ぶりにシビック名が復活しました。
※ ※ ※
初代シビックが登場した1972年(昭和47年)は、札幌冬季オリンピックが開催された年(2月)。連合赤軍によるあさま山荘事件(2月)なども起きた時代でした。
クルマ関連では、いまも続く「若葉マーク(初心者マーク)」が制定(10月)されたり、日本初のジャンクション、小牧JCTが完成して東名道と中央道が直結(10月)したり、東北自動車道の岩槻ICから宇都宮ICまでが開通(10月)したりと、モータリゼーションがさらに進んでいます。
新車では、トヨタの初代「カローラレビン/スプリンタートレノ」やスバル「レオーネエステートバン」などが発売されたのも1972年でした。
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