ラグジュアリーなドレスアップ系からスポーツ系まで、幅広いホイールを手掛けるウェッズ。そんなウェッズが、会社創立60周年を記念し、1970年代にレースの世界で大きな影響を与えた伝説のホイール「RACINGFORG(レーシングフォージ)」を復活させた!!
文/ベストカーWeb編集部、写真/Weds、ベストカーWeb編集部
激シブじゃん……70年代の伝説!! ウェッズが生み出した日本初の鍛造3ピースホイール「RACINGFORG」が令和の最新技術で大復活!!!
■伝説のホイールが大復活!!
足元で抜群の存在を放つのが今回ウェッズが復刻させた伝説のホイール「レーシングフォージ」だ
東京オートサロン2024のウェッズブースに展示された日産のB110型サニー。白いボディに青と赤のストライプが鮮烈なレース仕様車だ。
足元を見ると、伝説のホイール「RACINGFORG(レーシングフォージ)」を履いているではないか! しかもピッカピカ。
レーシングフォージとは、1977年に国内初の鍛造3ピースホイールとして登場し、富士フレッシュマンレースなどのツーリングレースで高い装着率を誇った伝説のホイールで、今でも非常に多くのファンがいる。
そんなホイールを、なんとウェッズは2024年に迎える会社創立60周年を記念して復刻させたのだ。
せっかくならとことんこだわろうということで開発を進め、市販化を実現。
筑波サーキットで開催されたJCCA主催の旧車レースや、昨年12月に富士スピードウェイで開催されたニスモフェスティバルなどで展示したところ、オリジナルを知るユーザーを中心に多くの反響があったという。
■こだわりの詰まった逸品
もちろん、復刻とはいえ半世紀近く前のオリジナルをただ真似した……というわけではない。
1977年登場のオリジナルは型鍛造(プレス)で、ディスクとリム共に鍛造で造られた溶接の3ピースでできていた。
しかし、今回の復刻版では、ディスクは鍛造の削り出し、リムは鋳造の圧延(スピニングでのばす方式)で製作。
最新の強度基準に適合するよう設計も見直されており、なかでもリムの強度アップに伴い、ディスクもオリジナルから強度を大幅に上げなければならないといった苦労があったという。
その甲斐あって、現代のレース用スリックタイヤがもつ強力なグリップにも耐えられる性能を持っている。
デザインは、当時のオリジナル品を3Dスキャンし再現。ディッシュとスポークの2種類が用意されており、なかでもディッシュタイプはディスク内側の外周部に肉抜き加工を施し、軽量化を実現。
リム部に貼られる付属の「RACINGFORG」と書かれたステッカーはベタ貼りを採用。あえて抜き文字にせず、オリジナルを忠実に再現しているのがマニア心をくすぐるポイントだ。
■父親のマシンをオマージュしたサニー
デモカーのサニーが履いていたのは13インチ仕様の「NR」。レース用のスリックタイヤも難なく履きこなす
今回、オートサロン2024でレーシングフォージを履いたデモカーとして展示された「レーシングフォージ トリイサニー」。
1973年式とおよそ半世紀前の車両だが、細部までレース仕様としてしっかり造り込まれている。
それもそのはず、JCCA主催の旧車レースをはじめ、現在も年に数回レースに参戦しているバリバリ現役のマシン。
さらに驚きなのが、このマシンのオーナーの父親が当時B110型のサニーで富士フレッシュマンレースに参戦していたということ。
そのため、個体こそ異なるがレプリカとして父親が当時乗っていたサニーと同じカラーリングを採用。父親の熱いスピリットを受け継いだマシンなのだ。
もちろん、レーシングフォージも父親の時代から履かせており、その点もしっかり受け継いでいた。
しかしながら、オリジナルのレーシングフォージは金属疲労などにより劣化が進行。レースで使用するには厳しい状態になってきていたという。
そんなタイミングで舞い込んできた「レーシングフォージの復刻」。ウェッズ側に復刻を要望したわけではなく、ごくごく自然な流れで今日まで至ったのだという。
そんなオーナーは昨年12月に富士スピードウェイで開催されたNISMOフェスティバル2023で、初めて復刻版を履かせてエキシビションレースに出場。癖が無く、とても走りやすい乗り味に仕上がっているそうだ。
半世紀近い長きにわたりレースの世界で使用してきたホイールが現代技術で蘇ったという奇跡。レーシングフォージを愛してやまないオーナーにとっては吉報であったことに違いない。
■攻めのサイズ展開
そんなレーシングフォージのラインナップはディスクのデザインを2種類用意し、ひとつはディシュモデルでゴールドの「FG」。
もうひとつは4本スポークタイプで、レッドの「NR」とゴールドの「NG」の2色を用意。
デモカーのサニーが履いていた13インチはすでに発売済みで、価格は9万3500~9万6800円(税込、1本当たりの価格)
また、今後14インチと15インチ(ともに4穴)についても発売が予定されている。
なお、13インチは公道走行不可の競技専用品だが、今後発売予定の14インチと15インチについては、認証取得済みの公道使用可能な仕様となる。
令和の時代に蘇った70年代の伝説。実際に見て圧倒的な存在感を感じてほしい。
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