長距離旅行も快適にこなせる2+2のクーペ
ピュアな運転体験に没頭できるロータス・エリーゼの数少ない問題点は、実用性の低さ。サーキットでは比類ない一体感を味わえるものの、荷物は殆ど積めず、今日距離ドライブを快適にこなすことは少々難しい。
【画像】V6とATはトヨタ由来 エヴォーラ エリーゼとエミーラ、エレトレ 同時期のケイマンも 全139枚
そんなお悩みを解消してくれるのが、ロータス・エヴォーラ。3セクションのコンポジット・ボディでアルミ製シャシーを包み、2+2のシートレイアウトを備えたクーペだ。これなら、長期休暇の自動車旅行も快適にこなせるだろう。
中古車価格は、英国でも2万5000ポンド(約437万円)以上と、簡単に手に届くわけではない。しかし0-100km/h加速5.5秒という俊足と、サーキットを得意とする操縦性、驚くほどしなやかな乗り心地を、親しい数名と共有できる。
V型6気筒エンジンは、信頼性に長けたトヨタ製。ポルシェ・ケイマンより維持費も安い。
エヴォーラの生産は2021年に終了してしまったが、登場以来、深刻な不具合に見舞われたという報告はないようだ。エヴォーラ Sに搭載された、イートン社製のスーパーチャージャーも。
前期型では、トランスミッション・ケーブルが緩むという問題があったが、後期型では対応済み。ドアハンドルの製造品質も改善されている。
長い距離を楽しまれてきた例では、内装にヤレが見られるかもしれない。フロントのアンチロールバー・ブッシュもヘタっているだろう。しかし、その程度といえる。
V6エンジンとATは信頼性の高いトヨタ製
エヴォーラが発売されたのは2009年。トヨタ由来の3.5L V6エンジンをミドシップし、6速MTを介してリアタイヤを駆動した。当初の最高出力は280ps、最大トルクは35.6kg-mが主張された。
2+2のシートレイアウトを備え、ゴルフクラブ・セットを積める大きめの荷室も備わる。フロントシート側の空間には、充分なゆとりがある。ワイドなバンパーに擦り傷をつけても、簡単に交換可能な点もうれしい。
サスペンションは前後ともダブルウイッシュボーン式。ビルシュタインのダンパーに、アイバッハのコイルスプリングが組まれている。ブレーキはAPレーシングのアイテム。タイヤはピレリPゼロが標準で、フロントが18インチ、リアが19インチとなる。
初期の特別仕様だったのが、ローンチ・パッケージ。ナビや駐車アシスト、クルーズコントロールがセットになるテクノロジー・パッケージと、ドリルドディスクにスポイラー、スポーツエグゾーストがセットのスポーツ・パッケージなどが同胞されていた。
その後、各パッケージは単体で提供され、クロスレシオ・スポーツMTも用意されている。2010年には、トヨタ由来の6速ATも選べるようになった。走りの楽しさや燃費ではMTの方が有利だが、信頼性でいえばATの方が勝る。
2012年にはマイナーチェンジが施され、6速MTは低抵抗のケーブルへアップデート。初期型の弱点といえた、シフトフィールも改善された。慣性の小さいフライホイールも組まれるようになった。
意のままに操れる繊細な操縦性
同時期に、レザー内装やシートヒーター、バックカメラなどがセットになるプレミアム・パッケージが標準装備に。車内の防音性が高められ、インフォテインメント・システムも新しくなっている。
さらに標準のエヴォーラにも、エヴォーラ S用の強化リア・アンチロールバーとウイッシュボーン・ブッシュを採用。排気音の音色にも調整を受けている。
乗り心地は、このクラスとして優秀。高速道路では確かな姿勢制御のまま、橋桁の継ぎ目などの入力をしなやかにいなす。
エヴォーラには複数の仕様が存在し、Sの他に400、スポーツ410、GT410、GT430と性能が高められていった。GT430では、最高速度が320km/hに届いている。
エヴォーラの魅力といえるのが、繊細な操縦性。ドライバーの意のままに操れる、素晴らしいロータスだ。
ステアリングの感触は適度に重く滑らかで、反応はリニア。過敏なことはなく、フロントタイヤのグリップ限界をしっかり教えてくれる。挙動は予想しやすく、テールスライドにも驚くほど簡単に興じれる。リアデフはオープンだが、電子ロック機能が備わる。
環境が許すなら、トラクション・コントロールをオフにすることで、シャシーの能力を完全に解き放てる。限界を超えた領域での扱いやすさでいえば、当時の量産車では随一といえた。
信頼性の高い、洗練された2+2クーペのロータス。操縦性の素晴らしさも相まって、今でも高めの価値が保たれている。1度その魅力を知れば、深い沼にハマってしまう可能性はゼロではない。
この続きは後編にて。
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