ディーゼルモデルをオフロードで試乗
本業のリーマン稼業があるため、めったなことでは試乗会に出かけないのだが(本業は半導体関係なので、特に最近は鬼のように忙しいのだ)、今回ばかりは特別だ。ランドローバーの本格クロカン車ディフェンダーに、待望のディーゼル搭載モデルが登場したのだ。仕事を放り投げて試乗会に出かけてきた。
会場は南箱根のバイカーズパラダイス裏に作られた特設コースである。大好きなクロカン車。敬愛してやまないディフェンダー。その真打ち登場となれば、仕事どころの騒ぎではない。私の代わりなど会社には500人くらいいる。
喜び勇んで会場の南箱根に向かう。折からの大雨でコースはドロドロにぬかるんでいる。
普通のクルマの試乗会なら主催者は大いに泣きが入るところなのだが、そこはディフェンダー。我らの実力をとくとご覧あれ、とばかりにランドローバーの関係各位は些かのドヤ顔で微笑んでいる。
ガソリン仕様のディフェンダーはすでにたっぷり時間をかけて試乗しており、その実力は十分に承知している。ディフェンダーは良い。もの凄く良い。ただ、クロカン車であるのに、ガソリン仕様車は肝心要のトルク感に欠けていた。街中や高速を快適に飛ばしている分には良いのだが、せっかくのクロカン車だから、と遊びで悪路にトライしてみると、誠に残念なことに「力不足」が露呈してしまうのだ。
いったいどれだけのユーザーが、このクルマに怒涛のトルクを求めているかは知る由もないが(恐らくはほとんどの客が二輪駆動でも一向に構わない使い方をしているはずなのだが……)、そこはそれ、イザというときのための「心理的武装品」は必要なのだ。果たして同じ車両のエンジンがガソリンからディーゼルに変わると、クルマの性格はどれほど変わるものなのだろう。実に楽しみである。
インストラクター氏の運転による模範走行のヨコに乗りコースを一周。何日か用意された試乗会の最終日に出かけたので、思い切り深い轍が出来ている。いくらディフェンダーでも、こんな轍に道に入って大丈夫なのか。いくらなんでもこれは深すぎないか。
「だ、大丈夫ですか?」と思わず弱音を吐く。するとインストラクター氏、ニタリと笑って、「大丈夫です」と一言。ディフェンダーはゆっくりと、しかし確実に巨体を揺らしながら突き進んでいく。
下見走行を終え、運転を代わる。
今度は自分の運転でぬかるみの轍に突入する。突入あさま山荘……もとい、南箱根。私のような素人でも、先ほどと同じように深い轍を突き進んで行く。坂道を上り、今度は沼に突入する。渡河性能は実に900mm。タイヤが完全に埋まってしまような深い沼地でも楽勝で渡りきってしまう。動画では見たことがあるが、自分で経験するのは始めてだ。
モリモリと湧き上がる怒涛のトルク。実に頼もしい。
その数値は実に650N・mである。トラックですか、あーた。ちなみにガソリン仕様のトルクは400N・mである。ディーゼルはその6割以上増しだ。あのラーメン二郎でさえ、諸物価高騰を理由にマシマシを廃止する店舗が増えているというのに、なんと景気の良いマシだろう。そういえば、最近は二郎でマシマシを注文して、食べ切れずに残すマナーを弁えない大馬鹿野郎がいるそうだ。けしからん。二郎で残すような奴はディフェンダーに乗るな。
ディーゼルのディフェンダー。良かったですねぇ。買うならディーゼル一択です。こちらの方が断然良い。
ただし問題が1つだけある。今回同じタイミングで日本市場に投入されたショートボディの90には、ディーゼルが用意されていないのだ。「どないして出さへんのや」と、ランドローバーの広報担当者に詰め寄ったのだが、「売れないからです」と実に単純明快なお答えを頂いた。
そう、フォルクスワーゲン ゴルフもメルセデス・ベンツ Gクラスもジープのラングラーも、日本でショートボディはまったく売れないのだ。だから今回は比較的排ガス対策の取りやすいガソリン車だけにショートボディが用意されたのだ。
日本の排ガス基準に準拠したディーゼルをコンパクトに仕上げるには、結構なコストがかかりますからね。売れなきゃモトが取れないのです。ということで、僕たち日本人はディーゼルのロングボディを買いましょう。
モテますよこれに乗っていると。
文/フェルディナント・ヤマグチ、写真/柳田由人
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みんなのコメント
意味不明
ラーメン二郎って知らんし