約2000kmのコースを1週間掛けて走破する
WRCとパリ・ダカール・ラリーの日本人初の優勝者として知られる篠塚建次郎選手。 “生涯現役”を目標に掲げ、68歳となった今でも、海外のヒストリックカーラリーやソーラーカーレースなど、積極的な活動を続けている。
その篠塚選手が2015年から参戦している、タイ王国を起点として行われるアジア・クロスカントリー・ラリー(通称アジアンラリー)に2017年も参戦すると発表した。
これは約2000kmのコースを1週間掛けて走破するラリーで、コースはジャングルに囲まれた山道が中心。マシンにとってもドライバーにとっても、かなり過酷な闘いとなる。今年は8月13日にバンコクでセレモニアルスタートを行い、19日にアユタヤでセレモニーフィニッシュを迎える。
体制は昨年とほぼ同じだが、「Team FB Shinozuka CTS」としてFB(古河電池)がバックアップすることにより、マシンのカラーリングも一新。マシンは昨年、一昨年と同様、ジムニーシエラをベースに1.6リッターエンジンを搭載した「TAISAN・CTSジムニー1600」で、マシンの製作は千葉県の中央自動車大学校(CTS)の生徒が担当。コンビを組むコ・ドライバー(ナビゲーター)も例年と同じくEJ千葉選手が務める。
タイ北部を中心に行われた2015年は、いすゞD-MAXやトヨタFJクルーザーなど、ジムニーよりも大きく、パワフルなマシンを相手に、総合2位・改造車ガソリンクラス優勝という見事な成績を残したが、よりハイスピードなコース設定となった昨年は総合10位と苦戦(それでも改造車ガソリンクラスでは優勝)。しかし今年は2015年と同じようにジャングルのなかを走るようなコース設定になるとのことなので、2015年と同様もしくはそれ以上のリザルトが残せる可能性は十分!
「ジムニーは今年が3年目。そもそもベースが古いので、毎年『今年で最後だな~』と思うのですが、今日見たらとてもキレイに仕上がっていて『あと2、3年は行けるかな?』なんて考えています(笑)。 昨年のコースはタイだけではなくカンボジアもあったのですが、かなりハイスピードな設定で、直線が3kmあって、少し曲がってまた直線……みたいなコース。しかも雨がほとんど降らなかったので、クルマにハードでした。ショックがマウントのところからブチ抜けてショックなしで走ることもあって、不完全燃焼で終わりました。 今年のコースはタイ国内だけで、しかもジャングル地帯をたくさん走るということなので、我々にとっては有利な展開になると思います」
「またこれまで、マシンにシュノーケルが付けにくいなどの理由もあって水対策ができていなくて、昨年は水のなかで3回くらい止まったりしたのですが、今年はエアクリーナーを上部にレイアウトするなど対策を施しましたので、水のなかでも止まらずに走れるのではないかと期待しています。我々は、どんなマシンであっても優勝を目指していますので、今回も総合優勝を狙って走りたいと思っています」と篠塚選手。
今回の参戦発表が行われた茨城県の下館オフロードコースには、マシンを製作した中央自動車大学校の生徒20名も集結。このなかかから4名が現地にメカニックとして派遣され、うち2名が「Team FB Shinozuka CTS」、ほかの2名が「TEAM JAOS」をサポートする。
生徒を前にしたシェイクダウンでは、1年ぶりとなるマシンの感触を思い出しながら、アグレッシブな走りを披露した篠塚選手。「とくに大きな問題はないので、ちょっと安心した。1年間のご無沙汰だったけど、ちゃんと動くね! という感じ(笑)」。
「昨年よりもツイスティなコース設定であることに加え、雨が降れば、さらにジムニーに有利な状況になる……」と篠塚選手。WEB CARTOPではラリーの模様を現地からリポートする予定なので、お楽しみに!
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