コロナ禍となって以来、今まで以上に脚光を浴びているのがアウトドア、そしてワーケーション。そこで注目されるのが、キャンピングカーだ。国内でもキャンピングカーのショーが頻繁に行われ、来場者も急増しているという。キャンピングカーで家族や仲間、愛犬とアウトドアに出掛け、RVパークやキャンプ場などで過ごすアウトドアライフは、人との接触の少なさからもコロナ禍(コロナ禍後も)にはうってつけであり、またリゾート地まで出かけ、素晴らしい自然の中、キャンピングカーの車内で仕事をこなすワーケーションという仕事と趣味の両立は、実に楽しい体験ではないか。もしかすると、それが可能になるキャンピングカーはライフスタイルを一変させてくれるきっかけになるかもしれない。
しかし、いきなり大きなほうからフルコンバージョン、セミコンバージョン、キャブコンバージョン、バンコンバージョン、軽キャンパーなどがあるキャンピングカーのどれかを購入する・・・というのは勇気がいるというか、ハードルが高い。価格は? 日常の足として乗用車のように使えるのか? コンパクトカーしか運転したことがないのに運転できるのか? 駐車や維持などが普通の乗用車のようにできるのか? などなど。
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そこで今、脚光を浴びているのがキャンピングカーのレンタルだ。今回、お借りしたタウンエースベースの「アルトピアーノ」は、2022年10月からサービスを開始した、「暮らすように旅する」をサポートしてくれるバンライフプラットフォーム「MOBI-INN」が提供するもので、現在、2台の「アルトピアーノ」を用意し、1台はペットの乗車もOK。ボディのキャンピングカーらしい専用デザインもなかなかである。
しかも今、最大5日間無料のMOBI-INNモニターキャンペーンを実施中。応募は2023年3月1日から3月31日までで、貸出期間は2023年3月8日から4月14日までとなっている(応募者多数の場合は抽選となる)。その後の一般利用では提携サイト(Carstay)で、まずはゲスト会員登録(初期費用、月額料無料)。登録完了後、バンライフカーを選択、予約するという流れになる。もちろん、トヨタモビリティ東京のレンタルキャンピングカーの詳細情報を、写真と文章で確認できるから安心だ。基本利用料金は24時間平日12000円、土日祝日15000円(予約日数に応じて割引あり)となっている(ペット乗車900円/日)※その他諸経費あり。2023年3月2日時点。なお、貸出はトヨタモビリティ東京本社(JR田町駅東口より徒歩約15分)での貸渡・返却受付が基本。そのほかに『(1)無償デリバリー地点』(JR田町駅、JR品川駅)、『(2)有償デリバリー地点』を設定。貸渡・返却日時によっては要望に添えない場合もあるため、詳しくは事前に提携サイト(Carstay)のチャット機能にて要相談してほしい。
レンタルであれば、キャンピングカーとの生活をまず、お試しとして体験するのにお手頃かつ最適であり、なにはともあれ、実際に乗って、使ってみて、その魅力、楽しさを体験・確認すればいい。さっそく、わが家も愛犬のジャックラッセルのララを連れて、「アルトピアーノ」で富士五湖湖畔のキャンプ場に出かけることにした。
ベース車両は4ナンバーの商用車となるトヨタ・タウンエース
まず、キャンピングカー「アルトピアーノ」の概要を紹介したい。ベース車両は4ナンバーの商用車となるトヨタ・タウンエース。ボディサイズは全長4045mm、全幅1665mm、全高1900mm。つまり一般的な5ナンバー乗用車より全長、全幅ともにコンパクト。運転視界が高く最小回転半径4.9m(FF)の小回り性の良さがあり、そして4速ATで乗れ、ナビ、バックモニター、ETC車載器なども付いているから、運転初心者、大型のクルマの運転が苦手な人でも無理なく運転でき、走り出せるというわけだ。エンジンは1.5L直4、97ps、13.7kg-m。WLTCモード燃費は12.0km/Lとなっている。
また、ベース車の室内寸法は室内長2045mm(5名乗車時1255mm)、室内幅1495mm、室内高1300-1305mmと、バンならではの空間の広さがある。インパネや前席は基本的にタウンエースバンと変わるところはないが、前席のシートにはストライプ柄のシートカバーが被せられるとともに、後席はキャンピングカーのシート製造でも有名な製造元WORKVOX社製のキャンパー専用のREVOシートに改装(前後反転、フルフラット化もOK)してあるのだから本格だ。
車内のアレンジとしては、後席をそのまま使う5人乗りの通常モードを基本として、後席を後ろ向きにセットした、車内がリビングダイニングになるダイネットモード、全長2050mmのベッドスペースとなる、真っ平になるベッドモードがある。
車内の装備としては、必要なときにセットできるテーブル、天井LED照明、コーナーテーブル&収納ラック、基本電源ユニット+AC100V/1500Wコンセント用インバーター、窓用4連換気ファン、蛇口を引き出して車外でも使えるシャワー付きシンク(給排水タンク各8L)などを用意。
また、この「アルトピアーノ」には、ウインドー全周を覆ってくれる遮光スクリーン(フロント、リヤ8枚セット)、照明器具なども備わっていた。オプションではあるものの、アウトドアで重宝するチェアの貸し出しもある。ちなみにもう1台のアルトピアーノには18L冷凍・冷蔵庫が装備されているという(シャワー付きシンクとは同スペースに設置する都合、両立はできない)。
キャンピングカーライフだけでなく、ワーケーションとしても”使える”!
さて、そんな「アルトピアーノ」のレンタカーで向かったのは、富士五湖湖畔にあるキャンプ場だ。市街地での運転のしやすさ、駐車のしやすさは当然として、高速道路の走行もまずまず快適だ(あくまでキャブオーバーの商用車+商用車用タイヤの乗り味だが)。東京を起点に首都高~中央高速道路を制限速度で走っても、往路の延々と続く上り坂(談合坂SA付近)はともかく、平たん路、中央高速道路では下り坂が主体となる大月ICからの復路であればまったく無理のないクルージングが可能だった。最近の4ナンバーのビジネスカーを侮ってはいけない。
1泊2日の荷物、キャンプ場で展開する荷物を室内後部に積みこみ(キャンピングカー泊の予定なのでテントなどは持っていかない)、愛犬のジャックラッセルのララを、安全と車内を汚さない配慮から通常モードの後席に設置したドライブベッドに乗せ、リード&ハーネスを犬用シートベルトの代わりとして装着。LEVO製のシート地は汚れにくく、犬の抜け毛がからみにくい素材のようで、ホッとひと安心である。
写真はドライブベッドとリード&ハーネスの装着イメージ
富士五湖湖畔のキャンプ場に到着したところで、さっそく車内をダイネットモードに展開。操作は楽々で、アッという間に車内は対面も可能なダイニングルームに。両側スライドドアとバックドアを解放すれば、湖畔にあるカフェの絶景テラス席のような眺め、気分を味わえる。
ここで威力を発揮してくれたのが、電源ユニット。走行時にサブバッテリーに充電を行い、目的地に到着したところでエンジンを止めても最大500Wまでの電源供給が可能。いやいや、この車両には1500Wまで使えるインバーター電源も備わっているから、例えば湯沸かしポット、簡易電子レンジ、照明などの家電品はもちろん、ノートパソコンへの電源供給もOK。レジャーとしてのキャンピングカーライフだけでなく、ワーケーションとしても”使える”のである。
さっそく、持参した湯沸かしポットでお湯を沸かし、熱々の飲み物とともにカフェタイム。晴天の湖畔の景色もまた美味しすぎる。多くのRVパーク、キャンプ場では電源付きサイトもあり、この「アルトピアーノ」はそこから車内にスマートに電源を引き入れることもでき(リヤバンパーに電源引き込み口を装備)、とすれば車載バッテリーを気にせず電源が使えることになる。このあたりも外部から電源が引き込めるキャンピングカーならではの便利さだろう。※滞在先ではこの使い方が推奨される。
ところで、愛犬連れのドライブ旅行の場合、困るのがドライブ途中のランチ。目的地がペットOKの宿泊先(愛犬同伴可能なRVパーク、キャンプ場、リゾートホテルを含む)であっても、ペットOKのお店がどこにでもあるわけではない。高速道路のサービスエリア、パーキングエリアで一息つくにも、施設内にペットはまず入れず、テラス席ならOKだとしても、真夏、真冬の暑さ、寒さの中のテラス席滞在は、経験上、ちょっとしたランチタイムだとしてもけっこう辛い・・・。
しかしながら、キャンピングカーのドライブ旅行なら、安全に止められる場所であれば、そこが”どこでもドッグカフェ”となり、愛犬とともにお茶や食事を楽しむことができる。絶景の場所に止めれば、愛犬とともに、誰に気遣うことなく、リゾート気分さえ満喫することができる。
そうそう、例えば、お目当てのランチスポット(愛犬同伴店内可)を訪れたはいいものの、満席だった!!というケースでも、テイクアウトして、お店の駐車場や、移動してクルマを安全に止められる場所で、ダイネットモードにアレンジし、レストランのような雰囲気、テーブルでいただけるのもキャンピングカーならではだろう。バックドアを開けば大きなひさしとなり、直射日光や雨をしのぐこともできるから優雅で快適だ。
夜はディナーを楽しんだあと、プライバシーが守られた車内で静かな湖畔の環境に満足しながらビールを1杯。たまりません。そして車内をベッドモードにアレンジし、持参したLEDランタンを点灯。2組のシュラフを敷き詰め、キャンピングカーならではのフラットなベッドスペースを出現させた。嬉しいのは、乗用ミニバンなどのフルフラットシートアレンジとは違い、ベッドモードにした状態で、段差、継ぎ目がないため、マットレスなど不要で快適に就寝できることだった(枕は必要だが)。
とはいえ、この湖畔は標高900m以上。3月といってもまだまだ夜は冷える。ぼくたちはシュラフがあるから寒さなど感じないのだが、寒がりの愛犬のジャックラッセルのララは冬用の”寝パジャマ”を着せてはいるものの、どうやら車内の寒さが堪えるらしい。でも心配なし。電源ユニット、または外部電源によって、ミニファンヒーターや、充電しておいたララ専用の蓄熱式湯たんぽを使えるからである。
こうして、トヨタモビリティ東京が提案するバンライフプラットフォーム「MOBI-INN」のレンタカー、キャンピングカーの「アルトピアーノ」で湖畔のキャンプ場に出掛けた1泊2日のドライブ旅行を満喫。「アルトピアーノ」の運転、駐車のしやすさ、そして充実したキャンピングカーとしての装備に納得、満足することができた。そうした体験を、レンタカーならではの気軽さで行えるのだから気軽かつ楽しい。
詳しくはトヨタモビリティ東京の「MOBI-INN」のホームページを参照いただきたい。
文・写真/青山尚暉
MOBI-INN トヨタモビリティ東京
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