新時代の5シリーズ EV仕様も導入
7代目となる現行モデルのBMW 5シリーズは、2023年に生産を終了する。そして、その後継となるEV(電気自動車)が今年発売されることが決定している。
【画像】激動の時代を駆け抜けるBMW【次期5シリーズのプロトタイプと現行モデルを写真で比較】 全62枚
技術的にもスタイル的にも根本的な変化を遂げる新型「i5」は、BMWがEVメーカーへと移行していく上で重要な役割を担うだろう。今週発表された販売レポートの中で、BMWは2023年の販売台数の15%をEVにしたいと述べている。
BMW販売チーフのピーテル・ノタは、「EVを増やし続けることが、明確な焦点となります。2023年の次のマイルストーンは、総販売台数の15%をBEVにすることです。今年後半のBMW i5の発売により、当社はモデル・ラインナップの電動化への道をまた一歩進むことになります」と語る。
5シリーズは1973年に初代が発売され、2017年から現行の7代目が販売されている。最新モデルの8代目では、純エンジン車とPHEV(プラグインハイブリッド車)、EVが用意されている。BMWは、2030年末までにPHEVとEVを700万台販売する計画だ。
EV仕様はi5と呼ばれる見込みで、従来の5シリーズとは大きく異るスタイリングを採用する。これまでに目撃されたプロトタイプから、フロントグリルやホイール、リアエンドがi5専用デザインになると考えられている。
BMW i4と同様のラインナップになる可能性が高く、後輪駆動のエントリーモデル「i5 eドライブ40」からツインモーターの高性能モデル「M50 xドライブ」まで幅広く用意されると思われる。i4の80.7kWhバッテリーにより、WLTPサイクルでの航続距離はトップエンドで約560kmとなる見込みである。
プラットフォームとパワートレイン
BMWグループは、新型5シリーズが今年発売されるまでに、iX1やi7をはじめとする12台のEVをグローバルに投入する予定である。また、i4の兄弟車として、3シリーズのEV仕様も開発中である。
デザイン面では、現行モデルよりもシャープなフロントエンドと、よりレーシーなルーフラインが採用されている。また、1シリーズ、2シリーズ・グランクーペ、2シリーズ・アクティブツアラーを除くBMW全車種のベースとなっているCLAR(クラスター・アーキテクチャ)を採用する。
CLARは、純エンジン車、マイルドハイブリッド車、PHEV、EVとさまざまな仕様に対応しており、後輪駆動および四輪駆動レイアウトが可能とされる。電動化に向けたラインナップの多様化を支えるものだ。
BMWは2025年からEVに移行する「第3フェーズ」を開始する。この新時代は、1960年代から1970年代にかけてBMWを大手メーカーに押し上げた中型セダンにちなんで「ノイエ・クラッセ」と呼ばれ、新世代のEVパワートレインの導入、サプライチェーンの持続可能性への注力、新しいユーザー体験を目的としたソフトウェアの導入が予定されている。
「G60」というコードネームで呼ばれる次期5シリーズは、この新時代のラインナップに歩調を合わせつつ、さまざまなパワートレインを用意することになるだろう。直列4気筒/6気筒のガソリンおよびディーゼルエンジンを継承し、2.0Lまたは3.0LのPHEV導入も決まっている。
4.4L V8エンジンを搭載したM550i xドライブの存続は、確実ではない。搭載されるツインターボガソリンエンジン「N63」のデビューは、2008年に発売された初代X6に遡る。基本設計が古く、排出ガス規制ユーロ7に適合させることは困難であろう。
M550iの後継モデルとして考えられるのは、545eである。3.0L直列6気筒エンジンと電気モーターを搭載するPHEVだ。BMWは以前、CLARベースのPHEVには高出力モーターを搭載できると述べていることから、M5の下に最高出力500ps程度のPHEVが設定される可能性がある。
Mモデルも電動化? i5の高性能版は
M5は、ライバルであるメルセデスAMG E 63と同様にPHEV化するとの見方が強いが、AMGよりも大排気量のガソリンエンジンを搭載すると言われている。
BMWの開発責任者クラウス・フレーリッヒは以前、2025年までEVのMモデルは登場しないと発言している。「それまでは、自然吸気、ターボ、高出力PHEVによって、我々が目指すものを実現します」とし、現在の電動パワートレインでは重量が足かせになっていることを示唆した。
M5 PHEVは、ツインターボV8エンジンS63と高出力モーターを組み合わせて、750ps程度の出力を実現すると言われている。重量増を相殺するほどの大幅なパワーアップになることは間違いない。
i5をベースにした高性能モデルはどうなるのだろうか。CLARプラットフォームでは、リアに2基、フロントに1基の計3基の電気モーター(合計出力800ps)を搭載することができる。重量級の「i5 M」でも、現行のM5コンペティション(625ps)を直線加速で凌駕できるだろう。
フレーリッヒはまた、EVのトラクションコントロール・システムは設定が容易であるため、ダイナミクスと応答性が同等になり得るとの見方を示した。「制御は現在のM4よりも100%高速化できるので、より応答性の高いクルマに仕上げることができます。5度や10度、45度でもスリップするドリフトモードが必要なら、それも簡単です」と彼は言う。
しかし、BMWがこれほど強力な市販モデルを導入するかは未知数だ。ポルシェ・タイカン・ターボSの最高出力は760psで、それも数秒間だけだが、現在販売されているものの中で最も加速の速いクルマの1つである。
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みんなのコメント
縦グリルじゃ無いだけましだけど、あんな高い位置にグリル
があるとマヌケに見える。
最近のBMWはデザインが酷いね。