中古車購入ガイド [2022.10.07 UP]
【トヨタ シエンタ(先代)】モデルチェンジで相場が下がる!? 先代の中古車動向を探ってみた
2003年に登場したコンパクトミニバンがシエンタ。それまでミニバンといえば、トヨタ ノアや日産 セレナなど、全長4.5m前後のサイズが主流だった。そんななか、全長4.1mとコンパクトカークラスの小型ボディに3列シートを備えたシエンタは、利便性と使い勝手を両立したミニバンとして人気を博したのだった。
【試乗レポート トヨタ シエンタ】より使う人にやさしくなったみんなのミニバン
2015年には2代目が登場し、その斬新なデザインは大きな注目を浴びた。また、シエンタとして初のハイブリッドシステムを導入したことも話題となった。そして2022年、3代目がデビュー。ヨーロピアンなデザインと高い質感を備えた新型は、ファミリーカーの枠を超えた魅力を備えている。今回は先代シエンタに注目し、改良遍歴とグレード別中古車平均価格を見ていこう。
トヨタ シエンタ(2代目)ってどんなクルマ?
2015年7月発売モデルのデータ(G)
新車時価格帯(2015年7月)
2015年7月、2代目シエンタが登場した。初代の発売から12年を経てのことで、新世代のコンパクトミニバンに相応しいデザインやパッケージングが特徴である。ボディサイズは、全長4235mmと先代より100mm以上大きくなったが、全幅は1695mmに抑えられ、初代と同じく5ナンバーサイズをキープ。デザインコンセプトは「Active & Fun」をキーワードに、トレッキングシューズをイメージしたフォルムを採用。
インテリアは、オレンジのアクセントカラーとサテンメッキおよびピアノブラック加飾を組み合わせ、上質感を表現している。また、高精細(4.2インチ)のカラーマルチインフォメーションディスプレイを採用し、燃費やエコ運転サポートなど多彩なコンテンツを楽しめる。ハイブリッド用のバッテリーを2列目シート足元の下、燃料タンクを2列目シートの下に搭載することで低床フラットフロアを実現。スライドドアの乗り込み高さを従来モデルから55mm低め、ドア開口幅も50mm拡大した665mmとして乗降性を高めている。さらに、スイッチを押すだけで自動開閉できるワンタッチスイッチ付きパワースライドドアを設定し、利便性は大きく進化した。
パワートレインは、1.5L 直4(2NR-FKE型)+2WD、1.5L 直4(1NZ-FE型)+4WD、1.5L 直4ハイブリッド(1NZ-FXE)+2WDの3タイプを設定。シエンタにハイブリッドが設定されたのは初であり、JC08モードで22.8km/Lという優秀な燃費を実現している。また、デビュー当初は衝突回避支援パッケージ「トヨタセーフティセンスC」を全車オプション設定し、安全面でも抜かりはない。そのほか、コンパクトながら広い室内を活かした福祉車両「車いす仕様車」も選べるなど、多くの用途に使えるのが魅力といえるだろう。
改良遍歴は?
2018年9月、マイナーチェンジを実施。この改良の最大のトピックは、2列シート車(ファンベースシリーズ)の設定である。2列目シートを倒すことで、フラットかつ最大荷室長2065mmの超大容量なラゲッジルームを実現。これは26インチのマウンテンバイク2台の積載が可能なほどの広さである。また、アクセルとブレーキを踏み間違えの衝突被害を軽減するインテリジェントクリアランスソナー、歩行者検知機能を追加したトヨタセーフティセンス、パノラミックビューモニターをオプション設定。エクステリアは、フロントバンパーやグリル、前後ライトのデザインが変更された。
2020年6月には、2列シート車のファンベースシリーズに「クエロ」を設定。3列シート車には2017年8月に特別仕様車として設定されたクエロだが、今回2列シート車でも選べるようになっている。内容は、合成皮革×スエード調表皮のシートを標準装備。また、「G」と「ファンベースG」のヘッドランプをLED化すると同時に、スライドドアに近づくだけでドアが開閉するウェルカムパワースライドドアを追加(X系グレードを除く)。ハイブリッド車にはアクセサリーコンセント(AC100V・1500W)をオプション設定した。
トヨタ シエンタ(2代目)のグレード別中古車相場は?
グレード構成は、装備内容により「X」、「G」、「Gクエロ」が存在する。また、それぞれに2列シート仕様(ファンベース)と3列シート仕様が選べる。パワートレインは前述の3タイプが各グレードで選べるが、ファンベースのみは2WDのみとなっている。ここでは3つのグレードの中古車平均価格を見ていこう。
「X」
エントリーグレードに当たる「X」だが、基本的な装備は揃っている。スライドドアは助手席側のみワンタッチスイッチ付きパワースライドとなるが、オートエアコンを標準装備(ハイブリッドのみ)。ステアリングはウレタン製で、シートはファブリックとなっている。物件数は「G」よりも少なく、全体の2割程度に留まる。その大部分はガソリン車(非ハイブリッド)。こちらの中古車平均価格は132万円、ハイブリッドは147万円。
「G」
標準グレードの「G」は、ワンタッチスイッチ付きデュアルパワースライドドア、スマートエントリー、本革巻きシフトノブ、本革巻きステアリング、上級ファブリックシートが標準装備されるなど、装備が充実しているのが魅力。また、3列目シートが不要なひとは2列シート仕様(ファンベース)を選べるのもポイントだ。そのため「X」に比べて物件のボリュームが大きい。パワートレインは、「X」と同じくガソリン車のほうが多い傾向にあり、こちらの中古車平均価格は152万円、ハイブリッドは163万円となっている。
「クエロG」
合成皮革×スエード調表皮のシートが与えられた「クエロG」は、先代シエンタの最上級モデル。物件数はガソリン車のほうが多いものの、「X」や「G」ほど大きな差は見られない。ボリュームは少ないものの、どちらも十分探せる量が流通している(ただしファンベースは非常に少ない)。中古車平均価格は、ガソリン車が182万円、ハイブリッドが200万円。
※上の記述は、2015年発売モデルについてまとめたもの。年式によって装備内容が異なる場合があります。中古車平均価格は2022年9月時点のデータ。
まとめ
デビュー当初の新車価格がおよそ170万円~であることを考えると、先代モデルといえども高値をキープしている。とはいえ、豊富な物件で好みのグレードやボディカラーが選びやすく、5万km以上の多走行車であれば100万円前後の予算から購入可能なのは嬉しい。おすすめグレードは予算に応じて決まるが、150万円の範囲ならば「G」をねらっていける。一方、100万円前後の予算であれば「X」が無難だろう。パワートレインは、ハイブリッドのほうが高額で物件数が少ないので注意。現状はお買い得とまでいえないが、新型への乗り換えが進めば、先代の中古車相場は少し下がるはず。今後の動向にも目を向けていこう。
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