マセラティは、最後のV8エンジンモデルとなる限定車「ギブリ334ウルティマ」と「レヴァンテV8ウルティマ」の日本でのデリバリーを開始した。
昨年のグッド・ウッド・フェスティバルでお披露目した「ギブリ334ウルティマ」と「レヴァンテV8ウルティマ」は、過去への敬意と電動化する新時代へ向けた記念として、マセラティ最後のV8エンジンモデルとして限定製造された。自動車史に革命を起こし、イタリアンラグジュアリーブランドであるマセラティの歴史においても重要な役割を果たしたV8エンジンは、今後コレクターモデルとしての逸品となるのではないだろうか。
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「レヴァンテV8ウルティマ」(左)と「ギブリ334ウルティマ」(右)
この「ギブリ334ウルティマ」のエクステリアカラーは、「ペルシャ・ブルー」の1色となり、「レヴァンテV8ウルティマ」は深みのある「ネロ・アッソルート」と、鮮やかな「ブルー・ロイヤル」の2色展開となる。これら3モデルは世界限定で各色103台が製造される。
そのうち日本には「ギブリ334ウルティマ」を15台、「レヴァンテV8ウルティマネロ・アッソルート」を17台、「レヴァンテV8ウルティマ ブルー・ロイヤル」が16台導入される。
なお、世界限定数の103という数字は、V8エンジンを搭載した最初のマセラティ「5000GT シャ・ディ・ペルシャ」に由来する。1959年に登場した「5000GT シャ・ディ・ペルシャ」は、当時のペルシア王の要望に応じて製作された1台で、3500GTのシャシーに5リッターに拡大・強化した450SのV8エンジンを搭載した特別モデルだった。これはたちまちカスタマーも含めた多くの羨望の的となり、マセラティはこのモデルのプロジェクト名「AM103」にちなんで合計103台を製作した。
スペシャル感のある内外装
今回の「ギブリ334ウルティマ」は、他にはないユニークなスタイルと独自の性能を重視するドライバーに捧げるスポーツセダンとなる。「334」という数字は、「ギブリ334ウルティマ」の最高スピードを表し、これまでの326km/hから334km/hに大きな飛躍を果たし、一躍世界最速のセダンという新たな記録を達成した。
これに加え、軽量化とタイヤ性能を見直し、0-100km/h加速を4.3秒から3.9秒に短縮した。「ギブリ334ウルティマ」は、特別なコンパウンドを用いた新しい高性能タイヤを装着し、空力を向上させる21インチのオリオーネ・ホイールと、カーボンファイバーのリアスポイラーを装着しており、既存の優れた基本性能に、さらに空力性能を向上させている。
また、V8エンジンを最初に搭載した「5000GT シャ・ディ・ペルシャ」への敬意として、外観には今回の限定モデル専用の「ペルシャ・ブルー」の塗装が施され、フェンダーに描かれた「334」のロゴはアクセントとなるルビーノ・カラーでペイントされることで特別感を演出し、その独特さを一層引き立ている。
さらに、ホイールとセンターキャップは、新色のマット・ダーク・グラファイト、トライデント(三叉の槍)のロゴは暗闇でも鮮やかな存在感を放つルビーノ・カラー、ブレーキキャリパーは光沢のあるグロス・ブラックで塗装されている。
エクステリア同様、インテリアも過去の名作に敬意を払っている。象徴的なセナペ・レザーを彷彿させるペール・テラコッタ・レザーのインテリアがクラシカルな雰囲気を再現し、シート中心に縦に配置された「カンネローニ」形状のブラック・アルカンターラを引き立てている。トライデントと「334」のロゴが前席のヘッドレストに刺繍され、センタートンネルには「334」の数字とともに「una di 103(103台の内の1台)」と記したバッジがあしらわれている。
そして「レヴァンテ」は2016年の登場以来、マセラティのSUVの代表モデルとしてその独特な風貌で遠目からも容易に識別される存在となった。その中でも「レヴァンテ トロフェオ」はマセラティの性能を極めるモデルとして位置づけられているが、「レヴァンテV8ウルティマ」はさらにその概念を高め、572馬力のツインターボV8エンジンを搭載し、最高のパフォーマンスを求める愛好家に向け設計された。
この「レヴァンテV8ウルティマ」は、その洗練された美しさと圧倒的な速さを象徴するように、フェンダーに描かれた「V8 Ultima」のロゴが輝く。ルビーノ・カラーで施されたこのロゴは、センターキャップ上の光沢のあるブラックのトライデントロゴの色味と調和し、ホイールとキャリパーも同様の色彩で統一されている。
また、22インチのオリオーネ・ホイールが、この特別モデルをより一層洗練されたルックスへと高めている。同モデルはカーボン製の外装キットを標準装備しており、前後のバンパーとサイドスカートにはカーボンファイバーのアクセントが施されている。
一方インテリアに目を向けると、ペール・テラコッタのレザーが黒いシートを優雅に包み込み、繊細なトライデントロゴと「V8 Ultima」のロゴが前席のヘッドレストに刺繍され、上品なコントラストを生み出している。さらに中央トンネルにもロゴと「una di 103」のバッジがあしらわれている。
なお、「レヴァンテV8ウルティマ」のスポーティな魅力をさらに引き立てるため、「ネロ・アッソルート」と「ブルー・ロイヤル」の2つの濃密なボディカラーをご用意した。これらの色は、このモデルの独特な魅力をさらに高めている。
関連情報:https://www.maserati.com/jp/ja
構成/土屋嘉久
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