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月販台数二桁車たちの事情と理由と哀愁 29選

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月販台数二桁車たちの事情と理由と哀愁 29選

 2017年10月の月販台数ランキングを上位から見ていくと、1位ホンダN-BOXで2万52台、2位がダイハツタント1万660台、3位スズキワゴンRが8801台で、4位トヨタアクア8157台(乗用車では1位)、5位トヨタヴォクシー7670台と続く。
 こうした売れてるクルマの紹介や分析は多くのメディアに載るだろうから、例によって当サイトは売れてないほうのクルマをチェックしていきます。以下は2017年10月の車名別月販台数で二桁(100台以下)だったクルマたち。
 数字からほのかに漂う哀愁を胸に、どんな人が買っているのか思いを馳せると、ああ、世間で売れてるか売れてないかなんて、愛車として所有する人にとっては関係ないんだよなぁと、当たり前のことに気づくのでありました。みんないいクルマです。
文:ベストカーWeb編集部

■【トヨタ】揺るがない実力、最多はアクア8157台で乗用車部門トップ

【日陰のクルマに愛を】強烈な光を放つ花形車の陰の「地味だけどいいクルマ」7選

トヨタSAI

◎SAI 2017年10月月販台数(以下同)54台
◎アベンシス 80台
◎MIRAI 46台

寸評/トヨタブランド(レクサス除く)だけで30車種以上ラインアップがあるのに、2桁を記録したのはわずか3モデル。それも1台は燃料電池車(MIRAI)というすさまじい販売力。こうなると「セダンモデルを中心に車種を整理」というトヨタの計画にも説得力が出てくる。SAIもアベンシスもいいクルマなんですが、やや割高感があるのと、プリウスやカムリにお客を取られているという現状も大きい。……と、本記事製作中にSAIの生産終了がアナウンスされた(2017年11月15日)。公式ホームページのラインアップから姿を消して、在庫がなくなり次第販売終了とのこと。合掌。なお姉妹車であるレクサスHS250hは生産販売続行。

■【レクサス】フラッグシップのLSがモデルチェンジするも20台

レクサスRC F

◎LS 20台(うち新型LS500は7台)
◎GS F 14台
◎HS250h 48台
◎RC F 2台(RC全体でも36台)

寸評/最も売れているモデルはNXの1113台、次がRXの765台となかなかに苦しい状況が続く。ブランド力維持のために上陸以来「値引きなし」を貫いている根性は認めるものの、武士は食わねど高楊枝がいつまで続くか。2018年はUX(ヒットモデルであるC-HRのレクサス版)とES(新型カムリのレクサス版)という、ある程度販売台数が見込めるモデルが登場予定。しかしRC F、1カ月で2台ってきみ……。

■【日産】完成検査問題による出荷停止が直撃! ズラリと並ぶ名門車

日産ジューク

◎フーガ 9台
◎シーマ 11台
◎GT-R 21台
◎フェアレディZ 26台
◎ティアナ 81台
◎スカイライン 66台
◎シルフィ 78台
◎ジューク 82台
◎ラフェスタハイウェイスター 62台

寸評/9月末に発覚した完成検査問題により出荷を停止したことで、大幅に販売台数を落とした日産。どれくらい落ちたかというと、ノート(e-POWER含む)9月1万5467台→10月2737台、セレナ9月8187台→10月1351台。車名別販売ランキングで唯一リーフがランクインしているが、3629台で19位。まさに青息吐息といったところ。ちなみに9台という一桁台数を記録してしまったフーガは11月15日に小変更を実施。遮音ガラスを採用して静粛性が向上している。それにしても並み居る名門車の凋落、特にフェアレディZが26台、ジュークが82台というのは切ない。

 なおGT-Rは11月16日に2018年モデルが発表。10月のこの販売台数は、買い控えが起こったと考えられる。

■【ホンダ】高級車が苦戦中。ホンダの最多販売モデルはN-BOXの2万52台

ホンダレジェンド

◎レジェンド 21台
◎NSX 11台
◎シビックタイプR 77台(シビック全体だと490台)

寸評/N-BOXの快進撃が止まらない。8月9810台、9月2万5173台、10月2万52台といずれも全国産車(乗用車含む)中、月販台数ナンバーワン。そのいっぽうで高級車が苦戦しているという構図。ただNSXはディーラーにはほとんど売る気がなく、シビックタイプRも納期はすでに来年夏すぎなので、まあ納得の数字という見方もできる。シビックシリーズはこの数字だけ見ると苦戦しているように見えるが、先頃ホンダの倉石誠司副社長が会見で「受注は1万2000台」と明かしており、月販目標(2000台)の6倍強集まっている。つまり供給がまったく間に合っていない状態。ちなみにタイプRの販売比率は15%だそうなので、1カ月で約1800台売れた計算になる。約450万円のタイプRが売れまくっているとは……。

■【三菱】伝統のパジェロが89台、量産EVの先駆けi-MiEVも大苦戦

三菱パジェロ

◎デリカD:3 6台
◎パジェロ 89台
◎i-MiEV 14台

寸評/デリカD:3(日産NV200バネットのOEM車)はもう完全に三菱ディーラーの売る気の問題のようで、9月は10台、8月は11台と切ない数字が並んでいる。パジェロは現行型登場が2006年10月だから、もう丸11年が経過。そろそろフルモデルチェンジしていただきたいが……。ちなみにパジェロは2016年、2015年、2014年と一部改良を実施しており、コツコツと進化を続けている。

 ミラージュ174台、RVR145台とこの2台もギリギリなので奮起を期待したい。

 なお最も売れている三菱車はeKワゴンの1613台。続いてデリカD:5の907台。i-MiEVは一時期生産中止の報道が出回ったが、デマです。三菱自動車からのコメントによると、2018年も変わらず売り続けてゆくそう。よかった。

■【スバル】 二桁台はOEM車のみ。選択と集中がうまくいっている

スバルプレオ

◎プレオ 95台
◎ディアスワゴン 19台

寸評/プレオはダイハツのミラ、ディアスワゴンは同じくダイハツ・アトレーワゴンのOEM供給車。特にプレオは現在、5MT車の「F Special」ワングレードのみの販売で(CVT車はミライースのOEMであるプレオ+に統合)、それを考えると月販95台ってたいしたものだなとも思う。

 また、そうしたOEM車以外はまんべんなく売れているスバル車。インプレッサは3603台(G4とスポーツ合算)、レヴォーグ2298台、XV1787台といった具合。先頃発覚した完成検査問題の影響が出るとしたら11月以降ということか。全車種リコールに踏み切っているので、各ディーラーは対応に追われて新型車販売は落ち込む可能性が高い。そうした中でエクシーガクロスオーバー7が静かに生産終了してゆく。12月18日まで注文を受け付け、来年3月までに納車して販売を終える。合掌。

■【スズキ】軽自動車は軒並み四桁、乗用車はほぼ三桁

スズキジムニーシエラ

◎ジムニーシエラ 72台
◎ランディ 35台

寸評/スズキの最量販モデルはワゴンRの8801台で、(フルモデルチェンジ直前の)スペーシア6865台がそれに続く。「売れていない軽自動車モデルがない」というのがスズキの特徴で、ハスラー5232台、アルト(ワークス含む)4290台と続く。対称的に乗用車は苦戦モデルが多く、上記2台だけでなくバレーノ105台、SX4 S CROSS155台とギリギリ三桁台がゾロゾロとある。ソリオ3590台、スイフト2046台は立派。ジムニーシエラは軽のジムニーとともに2018年にフルモデルチェンジ予定。

【ダイハツ】OEM車が並ぶなか、生産中止のモデルが2台売れた

ダイハツメビウス

◎メビウス 8台
◎アルティス 17台
◎ムーヴコンテ 2台

寸評/トヨタからのOEM供給であるメビウス(プリウスα)とアルティス(カムリ)に加え、2017年3月には生産終了しているムーヴコンテがスルッと入っている。まだ新車在庫あったんですね。「カクカクシカジカ」のCMはインパクトが強かったが、9年間作って一度もモデルチェンジせずに生産終了というのは哀愁を感じる。とはいえ切ない話が多い当企画の中で、もう売れるはずではなかったクルマが売れたという「いい話」にも取れるか(ポジティブ)。

 なおダイハツの最量販モデルはタントの1万660台、これにムーヴキャンバス(前述のムーヴコンテの実質的な後継車)7149台が続く。乗用車部門ではトールが2046台と健闘中。

【備考】

※本企画にはマツダが登場しないが、それは2017年10月の月販台数で、二桁台を出したモデルが(OEM車を含めて)1台もないから。ロードスターもきっちり248台売れており、スバル以上に「選択と集中」がうまくいっている印象。

 

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