コロナ禍で慌ただしく過ぎ去った感もある2020年。でもその一方で、ニューモデルやフルモデルチェンジなども、実は多かったんです。新しい人気車&話題車が登場し、クルマ好きにとっても選ぶ楽しさが増大しているのではないでしょうか。
ここでは、2020年の登録車・軽自動車 販売台数ベスト3 計6台をピックアップ。いいトコロ・気になるトコロを自動車評論家 岡本幸一郎氏にズバズバ指摘してもらいます!
クルマ界にジンクスあるか? ジンクスを打ち破ったクルマの秘密とは?
【画像ギャラリー】ライズ ヤリス N-BOX…今年も注目! 2020年売れ筋モデル6台をギャラリーでチェック!!!
※本稿は2021年1月のものです。※N-BOXの人気グレードはモデルチェンジ前のものです。各「値引き額」は目標値引き額で、流通ジャーナリスト遠藤徹氏調べ。店舗や時期などによりこの金額を引き出せない場合もあります。
文/岡本幸一郎、写真/ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』 2021年2月10日号
■トヨタ ライズ(2020年 登録車 第1位/167万9000~228万2200円)
デビュー:2019年11月/全長3995×全幅1695×全高1620mm、ホイールベース2525mm、970kg、1L直3ターボ、98ps/14.3kgm、WLTCモード18.6km/L(G・2WD)
●推せるトコロ…全長4m、全幅1.7mを切る完全5ナンバーサイズのSUVというのはなかなかありそうでない。日本人ウケのよいスクエアなフォルムで車内や荷室も充分に広く、それでいて最小回転半径は5m以下と取り回しもよい。RAV4の弟分のような雰囲気のデザインも人気の要因に違いない。
●注意すべき点…全体的に安普請で、商品力は高いが商品レベルは高くない。エンジンが1Lのわりにはターボ付きらしくトルク感はあるものの、加速の仕方は荒っぽく、いかにも3気筒らしく音や振動は大きめ。乗り心地も洗練されていない。先進運転支援装備の機能もトヨタのTSSに比べるとだいぶ劣る。
●人気グレード
1)Z
2)G
3)X “S”
●値引き:19万円 ※値引き引き締め傾向
■トヨタ ヤリス(2020年 登録車 第2位/139万5000~249万3000円)
デビュー:2020年2月/全長3940×全幅1695×全高1500mm、ホイールベース2550mm、1090kg、1.5L直3+モーター、91ps/12.2kgm、80ps/14.4kgm(モーター)、WLTCモード35.4km/L(ハイブリッドZ)
●推せるトコロ…新鮮味のあるデザイン。どのエンジンも燃費がよく、ハイブリッドはTHSの固定観念を打破する瞬発力のある発進加速も好印象。アイドリングストップを廃した英断も大いに評価したい。このクラスなのにヤリスクロスに運転席パワーシートや電動テールゲートを採用したのは快挙。
●注意すべき点…安普請なインテリアはデザインがユニークなだけになお残念。走りではボディ剛性は高いが、いろいろ煮詰め不足の感あり。直進性がよろしくなく、乗り心地が硬めで振動も気になる。ヤリスについては、ACC作動時に車速約25km/hを下回ると前車の追従機能が解除されるのも惜しい。
●人気グレード
1)ハイブリッドZ
2)G
3)X
●値引き17万円 ※値引き引き締め傾向
■ホンダ フィット(2020年 登録車 第3位/155万7600~253万6600円)
デビュー:2020年2月/全長3995×全幅1695×全高1515mm、ホイールベース2530mm、1180kg、1.5L直4+モーター、98ps/13.0kgm、109ps/25.8kgm(モーター)、WLTCモード28.8km/L(e:HEVホーム)
●推せるトコロ…乗るととにかく本当に「心地よい」ことはフィットの大きな魅力だ。斜め前方のピラーを細くしたことで視界がよく、死角が少ないので運転しやすいのもいい。また質感も高く、乗り心地も快適で、室内空間も広くて使いやすい。カメラ主体のホンダセンシングの制御もなかなかのもの。
●注意すべき点…これといってなくて、しいて挙げると乗り心地に若干の硬さを感じることぐらい。あとは期待したほど燃費がよくなくて、宿敵にだいぶ水をあけられていることと、せっかく液晶にしたディスプレイが、基本的な情報が大きく表示されるのみで、もう少し有効に活用できそうな気がすることあたりか。
●人気グレード
1)e:HEV HOME
2)HOME
3)BASIC
●値引き21万円 ※まずまずの値引き状況
■ホンダ N-BOX(2020年 軽 第1位・142万8900~223万3000円)
デビュー:2017年8月/全長3395×全幅1475×全高1790mm、ホイールベース2520mm、890kg、0.66L直3、58ps/6.6kgm、WLTCモード21.2km/L(Gホンダセンシング)
●推せるトコロ…JNCAPの衝突安全性能評価で軽初の5つ★を達成したのは快挙。電動ウエストゲートを持つターボにVTECの付く自然吸気といずれのエンジンもさすがはホンダ。後席は跳ね上げ可能で、軽では無理とされた前後ウォークスルーができる助手席スーパースライドシートの設定も強み。
●注意すべき点…発売当時は軽スーパーハイトワゴンとしてこれ以上はない感じだったが、現時点ではACCも約30km/h以下では作動しないことが挙げられる。電動パーキングブレーキの設定もない。あとは価格に割高感があるとか、カスタムは初代に比べてメッキが減ってオラオラ感が薄れたとか……(笑)。
●人気グレード
1)G・L Honda SENSING
2)カスタムG・L Honda SENSING
3)カスタムG・L ターボ Honda SENSING
●値引き12万円 ※値引き引き締め傾向
■スズキ スペーシア(2020年 軽 第2位・129万8000~164万7800円)
デビュー:2017年12月/全長3395×全幅1475×全高1785mm、ホイールベース2460mm、890kg、0.66L直3、52ps/6.1kgm、2.6ps/4.1kgm(モーター)、WLTCモード22.1km/L(カスタム ハイブリッドXS)
●推せるトコロ…後発のタントをしのいで大健闘。いかにも広そうだと感じさせる外見のとおり、クラス最大の室内高を誇り、低い荷室フロアと間口の工夫により大きな自転車の積み降ろしもラク。助手席も前倒しができて長尺物も積める。クラス最軽量の車体とマイルドハイブリッド化による軽快な加速も強み。
●注意すべき点…見劣りしていた先進運転支援装備が8月に強化されたばかりで、あまり欠点らしい欠点もないが、しいて挙げるとややライバルに対して硬さを感じる乗り心地か。また、EV走行できると聞いて興味を持つ人もいるだろうが、最大で10秒間、クリープ走行に限ることを念押ししておきたい。
●人気グレード
1)HYBRID X
2)カスタムHYBRID XS
3)HYBRID G
●値引き16万円 ※値引き拡大傾向
■ダイハツ タント(2020年 軽 第3位・124万3000~200万2000円)
デビュー:2019年7月/全長3395×全幅1475×全高1755mm、ホイールベース2460mm、900kg、0.66L直3、52ps/6.1kgm、WLTCモード21.2km/L(X)
●推せるトコロ…タントに興味を持つのは、ミラクルオープンドアに魅力を感じている人が大半のはずで、そこは絶対的な武器。加えて助手席だけでなく運転席にもロングスライドシートを組み合わせたミラクルウォークスルーパッケージは圧巻。動力分割機構付きCVTにより効率を高めている点も強み。
●注意すべき点…あまり欠点らしい欠点も見当たらないのだが、しいて挙げると、現行型は全面刷新されたにもかかわらず、昔から変わり映えしないデザインだろうか。従来型と比べると、前席を後ろに倒してフラットモードにはできるが、前に倒してテーブルにすることができなくなったのが残念といえば残念。
●人気グレード
1)X
2)カスタムX
3)カスタムRS “スタイルセレクション”
●値引き16万円 ※値引き拡大傾向
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みんなのコメント
いやいや、高いお金を出して買うのだから、売れ筋よりも自分の好きな車でしょ?
通勤や買い物の足だけなら中古の軽でいいけど。
売れ筋ならリセールが高くなりそうだからってのかな?
そんな事は気にせずに、好きなの乗れば良いと思う。