美観も徹底追及したJZX110ドリフトスペック
ヴェルテックスエアロと19インチのファブレスMB-5で勝負
「見た目と走りのギャップが素敵すぎるJZX110ドリドレ仕様」 1JZエンジンは巨体をアクセル一発でドリフトに持ち込む500馬力へと強化!
「オシャレなクルマ作り」をコンセプトに、既成概念に囚われない個性的なマシンの製作を得意としているのが、長野県安曇野市にあるアーティスト。もちろん手がけているメイン車種は、ツアラーV系をはじめとしたJZエンジン搭載車である。
今回紹介するJZX110マークIIも、随所にアーティストならではの拘りが詰まった自信作。ストリートでの使い勝手は犠牲にせず、気持ちよくドリフトもできるようにというわがままなオーナーの要望に沿って、適材適所なパーツをチョイス。とかく中途半端になりがちなオールマイティ仕様を、戦闘力の高いものに仕上げているのだ。
エンジン本体はEX256度カムを装着しているのみ。110系標準のフライバイワイヤー方式は、100系のインマニ、サージタンク、スロットルに変更されている。制御はパワーFCとVプロを組み合わせて行う。
VVT-i装備の後期型1JZエンジンは腰下には一切手を入れず、ヘッドもEX側カムのみ264度に変更した程度のチューン内容となっている。そしてフライバイワイヤー方式の純正スロットルは、コントロール方法が確立しているJZX100系の機械式に変更しているのもポイントだ。
タービンはプレミアムジャパンのタービンキットを装着。ウエストゲートタイプのタービンは風量も十分なので、装着の容易なポン付けながら500psオーバーのパワーが狙える。
ブリッツのインタークーラーキットは、効率アップを狙ってパイピングをオリジナル製作している。ラジエターとエンジンオイルクーラーはHPI製をチョイス。ストリート仕様なのでエアコンも装備している。
パワーアップのキーパーツとなっているのは、プレミアムジャパンのタービンキット。ノーマルエンジンでも対応できる上に風量も十分で、従来のポン付けタイプキット以上のパワーが獲得できるのが魅力なのだ。
助手席前に美しくインストールされたデフィBFメーターは、右からブースト、水温、油温、油圧、グローブボックス内には燃圧計も装備。メーターコントロールユニットとF-CON Vプロもスッキリと収納されている。
燃料ポンプと大容量インジェクターで燃料供給系を強化し、1.4キロの最大ブーストの設定で500psオーバーのパワーを獲得。ヘビー級のJZX110を楽々とパワードリフトに持ち込めるようになっている。エンジン制御はVVT-iの調整のみをパワーFCで行い、燃調や点火、その他のコントロールをF-CON Vプロがカバーする。
一方のサスペンションはコストパフォーマンスの高さが魅力のCSTを装着。ドリフトに重要なステアリングの切れ角は『たにぐち自動車』のアングルマスター(ナックル)を導入して、大幅な切れ各アップを実現している。LSDは東名パワードのテクニカルトラックスだ。
室内はストリート仕様らしい仕上がり。JZX110の持つ高級感を崩すことなく、小径ステアリングと追加メーターでスポーツエッセンスを追加している。もちろんエアコンやナビもフル装備。ミッションは純正の5速MTだ。
T&E製のルーフスポイラーとトランクスポイラーもトータルバランスを追求した結果、それぞれ微妙に拡大加工が施されている。こうした小さな差の積み重ねによって、完璧なスタイリングとなるのだ。
スタイリッシュなフォルムと走りを両立させるには、ホイールやタイヤサイズだけでなくエアロパーツのフィッティングも重要。外からはわからないが、ミリ単位でクリアランスを確保するための工夫が隠されている。スタイリッシュなホイールはファブレス MB-5だ。
ボディワークも、アーティストならではのノウハウが細かく投入されている部分。エアロキットはタイヤとのクリアランスを確認しながら、走行機能を損なわないようフィッティングしている。
「ホイールの選択や車高の設定を見ると、ほとんどの人はドレスアップ系と思うはず。これでガンガンに走れちゃうのが面白いじゃないですか」と、宮坂代表はニヤリと笑う。その言葉通り、実にウィットに富んだチューンドである。
スペック
■エンジン:1JZ-GTE改(507.6ps/60.8kgm)/JZX100サージタンク、インマニ、スロットル/EX264度カム/アーティスト ワンオフマフラー、フロントパイプ/プレミアムジャパン タービンキット/HKS F-CON Vプロ、EVC–S/サード 燃料ポンプ、850ccインジェクター/HPI ラジエター、オイルクーラー/ブリッツ インタークーラー ■ドライブトレイン:ORC メタルツインクラッチ/東名パワード LSD ■サスペンション:たにぐち自動車 アングルマスター/CST車高調(F14kg/mm R10kg/mm) ■インテリア:レカロ SR-3/T&E 33φステアリング/Defi タコ、ブースト、水温、油温、油圧、燃圧計 ■エクステリア:T&E ヴェルテックス(フロント、サイド、リヤ、FRフェンダー) ■ホイール&タイヤ:ファブレス MB-5(F9J×19+24 R10J×19+36)/ATRスポーツ(F225/35-19 R235/35-19)
●取材協力:アーティスト 長野県安曇野市堀金烏川4343-6 TEL:0263-71-5670
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