現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 超高級大型SUVも“エコ”の時代へ──新型ベントレー・ベンテイガ・ハイブリッド試乗記

ここから本文です

超高級大型SUVも“エコ”の時代へ──新型ベントレー・ベンテイガ・ハイブリッド試乗記

掲載
超高級大型SUVも“エコ”の時代へ──新型ベントレー・ベンテイガ・ハイブリッド試乗記

ベントレーのSUV「ベンテイガ」にプラグイン・ハイブリッド仕様が設定された。小川フミオが試乗記を綴る。

特徴的なプラグイン・ハイブリッド

2023年は“SDGs系開運スポット”で運気上昇を!──辛酸なめ子の開運ドライブ

押し出しの強いSUVが欲しいひとには、ベントレー・ベンテイガはオススメだ。全高が1740mm、全長が5125mmという大きなボディに、アグレッシブなメッシュグリルは個性的だ。

プラグイン・ハイブリッド仕様のベンテイガ・ハイブリッドは、パワートレインを効率よく使っている点で、新世代に向けてのモデルで、欧州では2021年1月に、日本では同じ年の暮れに発表された。

ちなみにベントレーは、2030年にはすべてのラインナップをBEV(バッテリー駆動の電動車)にする「ビヨンド100」戦略(次の100年へ向けて、といった意味)を発表している。

2022年も押し迫ったときに乗ったベンテイガ・ハイブリッドは、“パワーとサイズだけがクルマのすべてではない”というベントレーのコンセプトを具現化したモデルといえるかもしれない。

3.0リッターV型6気筒ツインスクロールシングルターボエンジンを使ったプラグイン・ハイブリッドユニットは、なるべく幅広い回転域で過給圧を上げてパワーを得ようとしている。

そもそもシャシーはガソリン・エンジン用に開発されたモデルだから、搭載できるバッテリーは限られている。リチウムバッテリーは容量17.3kWh。モーター出力は94kWにとどまる。かつ、急速充電には対応していない。過渡的なモデルだ。

ただし、電子制御技術をいろいろ盛り込んでいる。

ひとつは、「ベントレー・ハイブリッド・エフィシェンシー・アクセルペダル」。ドライバーがアクセルペダルを踏み込むとき。瞬間的な抵抗がペダルからドライバーに伝わり、電力のみの走行からハイブリッド走行へと切り替わるポイントが分かるようになっている。

EVドライブモードをできる限り維持することをドライバーに促す、というのがもうひとつ。EV走行からエンジンに切り替わるときもアクセルペダルを介してドライバーに体感的に伝えるのだ。

「効率性を最大限に高めます」とはベントレーのプレスリリースにある文言。要するに、エンジンはなるべく目覚めさせないで走りましょう、という働きかけだ。

ドライブモードセレクターも、できるだけEV走行ができるよう、使い勝手が考えられている。選べるのは「EVドライブモード」「ハイブリッドモード」「ホールドモード」と3モード。ホールドモードは、いざというときのためにバッテリー残量を残しておく設定だが、あとのふたつではEV走行が優先される。

EVの能力については、満充電であれば約40kmモーターで走行する。このときの感覚は、けっこう気持ちがいい。

バッテリーが規定値以下になってからのエンジンとのハイブリッド走行も、パワー不足感はない。アクセルペダルを少し踏み込んだだけで、反応よく加速する。

満充電からのEV走行は約40kmに限られるが、それだけ走れれば、通勤とかショッピングに使えるのでは? と、考えるユーザーも少なくないかもしれない。

「第1世代のベンテイガハイブリッドの9割超のユーザーは、ほぼ毎日または週に数日運転している」という調査結果を、ベントレーではプレスリリースに記している。

「ほぼ全員がEVモードで走行していること、EVモードで走行しているユーザーの半数は普段1日の走行距離が30マイル(約48km)未満であることが分かりました」

それが、ぎりぎり40kmぐらいを死守、というバッテリー性能のパラメターになっているのだろう。

ベンテイガならではの個性車重が2648kgとかなりのヘビー級であるが、重い車重の恩恵を感じられるのは、高速でのしっとりした乗り心地だ。車体はゆったりとした上下動をし、独特の気持よさがある。

システム最高出力は300kWで、最大トルクは700Nm。パワーがあって、それをしっかりとサスペンション・システムが支えている。

ちなみに1998年、ベントレーはフォルクスワーゲン傘下に入り、プラットフォームを傘下のほかのブランドと共用する。ポルシェ「カイエン」、ランボルギーニ「ウルス」、アウディ「Q8」といったモデルは、「MLB evo」なるプラットフォーム姉妹だ。

という事実があっても、ベンテイガにはベンテイガの独自の個性がある。それが、しっとりした乗り心地と、それを支えるトルクたっぷりのパワートレインだ。

かつてのベントレーのよさは、ナタでぶったぎるような豪快なトルクによるドライブ感覚だった。ベンテイガ・ハイブリッドにはそういう感じはないけれど、いいところは残っているのだ。

内装で個人的にいいなぁと思ったのは、ドアの内張りなどにバーバリーチェックのような比較的大きな柄のファブリックを張っている点だ。

シートの厚みや使っているレザーの重厚感、つやつやとした表面仕上げのウッドパネルとの組み合わせは、他にはない個性となっていて印象に残る。

そういえばフロントグリルとバンパー下のエアインテークにメッシュを張って、かつヘッドランプとポジションランプは、輪郭を細かいLEDで縁どっているのも独特である。

ベンテイガ・ハイブリッドは、とにかく、ほかと違っていたい人向けのSUVかもしれない。その存在感はいまも健在である。

文・小川フミオ 写真・安井宏充(Weekend.)

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

日産のコンパクト「“スライドドア”ワゴン」がスゴイ! “めちゃ広”室内&「静音」モデルもある「タウンスター“エヴァリア”」! 欧州向けモデルが日本導入される可能性とは
日産のコンパクト「“スライドドア”ワゴン」がスゴイ! “めちゃ広”室内&「静音」モデルもある「タウンスター“エヴァリア”」! 欧州向けモデルが日本導入される可能性とは
くるまのニュース
「高速料金」負担は誰の責任? 各トラック協会も分裂する「新深夜割引」の裏事情、物流ジャーナリストが物申す
「高速料金」負担は誰の責任? 各トラック協会も分裂する「新深夜割引」の裏事情、物流ジャーナリストが物申す
Merkmal
ホンダ「CRF250ラリー」【いま新車で買える! 冒険バイク図鑑】
ホンダ「CRF250ラリー」【いま新車で買える! 冒険バイク図鑑】
webオートバイ
人気のミニバンがもっと便利になった! 日産セレナがベースのキャンパー
人気のミニバンがもっと便利になった! 日産セレナがベースのキャンパー
月刊自家用車WEB
第6世代を発表! その距離1120万km!! 超絶進歩した[ウェイモ]の自動運転とは
第6世代を発表! その距離1120万km!! 超絶進歩した[ウェイモ]の自動運転とは
ベストカーWeb
めちゃスタイリッシュ! スウェーデン発の自転車用「見えないヘルメット」って一体なんだ!?[復刻・2013年の話題]
めちゃスタイリッシュ! スウェーデン発の自転車用「見えないヘルメット」って一体なんだ!?[復刻・2013年の話題]
ベストカーWeb
くるまりこちゃん OnLine 「デザインのイメージ」第121回
くるまりこちゃん OnLine 「デザインのイメージ」第121回
ベストカーWeb
予選Q3でクラッシュしたアルボン、決勝レースを欠場。マシン修復が間に合わず/F1第21戦
予選Q3でクラッシュしたアルボン、決勝レースを欠場。マシン修復が間に合わず/F1第21戦
AUTOSPORT web
排気量も馬力も同じでしょ!? 軽自動車のターボに[差]って存在するの?
排気量も馬力も同じでしょ!? 軽自動車のターボに[差]って存在するの?
ベストカーWeb
「トリッキーだったがエンジョイした。今日はペースが良かった」自己最高予選3番手の角田裕毅が決勝で大量得点狙う
「トリッキーだったがエンジョイした。今日はペースが良かった」自己最高予選3番手の角田裕毅が決勝で大量得点狙う
AUTOSPORT web
圧巻の優勝の裏でGRスープラ3台が不可解なスローダウン。エンジン周りのトラブルか/第8戦GT500決勝
圧巻の優勝の裏でGRスープラ3台が不可解なスローダウン。エンジン周りのトラブルか/第8戦GT500決勝
AUTOSPORT web
F1 Topic:5年ぶりの『ワンデー開催』で想定されるシナリオ。選手権争いへの影響と、ポイント付与の可能性
F1 Topic:5年ぶりの『ワンデー開催』で想定されるシナリオ。選手権争いへの影響と、ポイント付与の可能性
AUTOSPORT web
角田裕毅、自己ベストの予選3番手。赤旗5回の波乱の中ノリスがPP獲得【予選レポート/F1第21戦】
角田裕毅、自己ベストの予選3番手。赤旗5回の波乱の中ノリスがPP獲得【予選レポート/F1第21戦】
AUTOSPORT web
4代目ワゴンR・3代目スイフト劇的進化! 渾身のマイナーチェンジを施したスズキに最敬礼!!!【10年前の再録記事プレイバック】
4代目ワゴンR・3代目スイフト劇的進化! 渾身のマイナーチェンジを施したスズキに最敬礼!!!【10年前の再録記事プレイバック】
ベストカーWeb
スノーフレークマーク付きタイヤ以外で走ると違反!? ドイツの冬タイヤ最新事情を現地からお届けします【みどり独乙通信】
スノーフレークマーク付きタイヤ以外で走ると違反!? ドイツの冬タイヤ最新事情を現地からお届けします【みどり独乙通信】
Auto Messe Web
SUBARU BRZ R&D SPORT、またもブレーキにトラブル。最終戦鈴鹿に向け原因を調査へ
SUBARU BRZ R&D SPORT、またもブレーキにトラブル。最終戦鈴鹿に向け原因を調査へ
AUTOSPORT web
まさかの大逆転で3勝目、元嶋「死に物狂いで追いかけた」。小暮「最終戦もベストを尽くすだけ」【第8戦GT300決勝会見】
まさかの大逆転で3勝目、元嶋「死に物狂いで追いかけた」。小暮「最終戦もベストを尽くすだけ」【第8戦GT300決勝会見】
AUTOSPORT web
ちゃんと「サソリ」してる! アバルト600eへ試乗 プラットフォームから違う 新モーターで240ps
ちゃんと「サソリ」してる! アバルト600eへ試乗 プラットフォームから違う 新モーターで240ps
AUTOCAR JAPAN

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

2450.84006.2万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

950.04280.0万円

中古車を検索
ベンテイガの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

2450.84006.2万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

950.04280.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村