ベントレーのSUV「ベンテイガ」にプラグイン・ハイブリッド仕様が設定された。小川フミオが試乗記を綴る。
特徴的なプラグイン・ハイブリッド
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押し出しの強いSUVが欲しいひとには、ベントレー・ベンテイガはオススメだ。全高が1740mm、全長が5125mmという大きなボディに、アグレッシブなメッシュグリルは個性的だ。
プラグイン・ハイブリッド仕様のベンテイガ・ハイブリッドは、パワートレインを効率よく使っている点で、新世代に向けてのモデルで、欧州では2021年1月に、日本では同じ年の暮れに発表された。
ちなみにベントレーは、2030年にはすべてのラインナップをBEV(バッテリー駆動の電動車)にする「ビヨンド100」戦略(次の100年へ向けて、といった意味)を発表している。
2022年も押し迫ったときに乗ったベンテイガ・ハイブリッドは、“パワーとサイズだけがクルマのすべてではない”というベントレーのコンセプトを具現化したモデルといえるかもしれない。
3.0リッターV型6気筒ツインスクロールシングルターボエンジンを使ったプラグイン・ハイブリッドユニットは、なるべく幅広い回転域で過給圧を上げてパワーを得ようとしている。
そもそもシャシーはガソリン・エンジン用に開発されたモデルだから、搭載できるバッテリーは限られている。リチウムバッテリーは容量17.3kWh。モーター出力は94kWにとどまる。かつ、急速充電には対応していない。過渡的なモデルだ。
ただし、電子制御技術をいろいろ盛り込んでいる。
ひとつは、「ベントレー・ハイブリッド・エフィシェンシー・アクセルペダル」。ドライバーがアクセルペダルを踏み込むとき。瞬間的な抵抗がペダルからドライバーに伝わり、電力のみの走行からハイブリッド走行へと切り替わるポイントが分かるようになっている。
EVドライブモードをできる限り維持することをドライバーに促す、というのがもうひとつ。EV走行からエンジンに切り替わるときもアクセルペダルを介してドライバーに体感的に伝えるのだ。
「効率性を最大限に高めます」とはベントレーのプレスリリースにある文言。要するに、エンジンはなるべく目覚めさせないで走りましょう、という働きかけだ。
ドライブモードセレクターも、できるだけEV走行ができるよう、使い勝手が考えられている。選べるのは「EVドライブモード」「ハイブリッドモード」「ホールドモード」と3モード。ホールドモードは、いざというときのためにバッテリー残量を残しておく設定だが、あとのふたつではEV走行が優先される。
EVの能力については、満充電であれば約40kmモーターで走行する。このときの感覚は、けっこう気持ちがいい。
バッテリーが規定値以下になってからのエンジンとのハイブリッド走行も、パワー不足感はない。アクセルペダルを少し踏み込んだだけで、反応よく加速する。
満充電からのEV走行は約40kmに限られるが、それだけ走れれば、通勤とかショッピングに使えるのでは? と、考えるユーザーも少なくないかもしれない。
「第1世代のベンテイガハイブリッドの9割超のユーザーは、ほぼ毎日または週に数日運転している」という調査結果を、ベントレーではプレスリリースに記している。
「ほぼ全員がEVモードで走行していること、EVモードで走行しているユーザーの半数は普段1日の走行距離が30マイル(約48km)未満であることが分かりました」
それが、ぎりぎり40kmぐらいを死守、というバッテリー性能のパラメターになっているのだろう。
ベンテイガならではの個性車重が2648kgとかなりのヘビー級であるが、重い車重の恩恵を感じられるのは、高速でのしっとりした乗り心地だ。車体はゆったりとした上下動をし、独特の気持よさがある。
システム最高出力は300kWで、最大トルクは700Nm。パワーがあって、それをしっかりとサスペンション・システムが支えている。
ちなみに1998年、ベントレーはフォルクスワーゲン傘下に入り、プラットフォームを傘下のほかのブランドと共用する。ポルシェ「カイエン」、ランボルギーニ「ウルス」、アウディ「Q8」といったモデルは、「MLB evo」なるプラットフォーム姉妹だ。
という事実があっても、ベンテイガにはベンテイガの独自の個性がある。それが、しっとりした乗り心地と、それを支えるトルクたっぷりのパワートレインだ。
かつてのベントレーのよさは、ナタでぶったぎるような豪快なトルクによるドライブ感覚だった。ベンテイガ・ハイブリッドにはそういう感じはないけれど、いいところは残っているのだ。
内装で個人的にいいなぁと思ったのは、ドアの内張りなどにバーバリーチェックのような比較的大きな柄のファブリックを張っている点だ。
シートの厚みや使っているレザーの重厚感、つやつやとした表面仕上げのウッドパネルとの組み合わせは、他にはない個性となっていて印象に残る。
そういえばフロントグリルとバンパー下のエアインテークにメッシュを張って、かつヘッドランプとポジションランプは、輪郭を細かいLEDで縁どっているのも独特である。
ベンテイガ・ハイブリッドは、とにかく、ほかと違っていたい人向けのSUVかもしれない。その存在感はいまも健在である。
文・小川フミオ 写真・安井宏充(Weekend.)
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