高級車といえば、フェラーリやランボルギーニといった輸入車を連想する人も多いのではないでしょうか。
しかし、日本国内に目を向けてみると、世界に誇る国産高級車が多数存在していることがわかります。今回は日本が誇る高級国産モデルを紹介します。
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●トヨタ「センチュリー」
日本が誇るショーファードリブン(専門の運転手が運転するクルマ)といえばトヨタ「センチュリー」です。
その歴史は古く、初代センチュリーは1967年に登場し、現行モデルで3代目にあたります。世界レベルに匹敵するラグジュアリーセダンを目標に開発され、登場以来政府の公用車や要人の送迎といった用途に用いられることが多いクルマです。
息の長いクルマとしても知られており、初代センチュリーは登場から1997年まで30年フルモデルチェンジをおこなわなかったという珍しい記録を作りました。
センチュリーの特徴としては、その価格に見合った圧倒的な作り込みの高さといえます。効率重視のトヨタにありながら、生産はセンチュリー専門の部署「センチュリー工房」でおこなわれており、さらに手作業による工程も組み込まれるなど、外装や内装を専門の職人が担当しています。
また、高級感のある落ち着いたデザインのみならず、2代目センチュリーにはV型12気筒DOHCエンジンが搭載されていました。
2018年には、21年ぶりのフルモデルチェンジがおこなわれ、価格は過去最高の1960万円となっています。
購入にあたっては、5%の手付金が必要とされており、トヨタがいかにセンチュリーというモデルを特別視しているかが伝わります。
高級セダンというジャンルにおいては高価な印象を受けるセンチュリーですが、そもそもの購買層を考慮すると決して高すぎるクルマとはいえないようです。
●レクサス「LS」
トヨタの高級ブランド「レクサス」における最上級セダンとして名高いクルマがレクサス「LS」です。1989年に登場して以来、現行モデルで5代目となるモデルになります。
トヨタの米国における高級ブランドの進出にあたって作られたクルマであり、日本においては3代目まで「セルシオ」のネーミングで販売されていました。
初代LSは、その完成度の高さに北米市場で高い人気を誇り、レクサスブランドの礎を築くモデルとなります。
LSは、室内空間における快適性の高さで知られ、とくに静粛性やサスペンション性能の高さによる、フラットな乗り心地が高い評価を受けています。
2017年にフルモデルチェンジがおこなわれると、「LC」で高評価を得ていたGA-Lプラットフォームが採用され、外観デザインは先代のイメージから一転しました。
レクサスブランドを代表する「スピンドルグリル」の採用により、より洗練されたスポーティなデザインへと生まれ変わっています。
また、ハイブリッドモデルも設定されており、燃費や環境性能といった面でも配慮がされています。
LSの価格帯は、もっとも安いもので981万円からとなっており、先述した高級セダンであるセンチュリーと比較すると価格的には安価なものとなっています。
■日本が誇る二大スーパースポーツモデルとは?
●ホンダ「NSX」
1989年、日本のバブル期にアメリカで販売が開始されたクルマがホンダ「NSX」です。それまでスーパーカーという日本のメーカーが踏み入れてこなかったジャンルでデビューを果たすと、その品質の高さと価格から世界を驚かせました。
フルモデルチェンジをおこなわずに、1990年の発売開始から2006年というロングスパンで販売され、2016年にはハイブリッドシステムを搭載した2代目NSXが登場します。
初代NSXが登場した頃のホンダは、F1における活躍が目立っており、本格的なスーパーカーをラインナップしたいという思惑と、当時開発をおこなっていたMR駆動を実用化するという思惑がホンダ内で一致し、本格的な国産スーパーカーの販売が実現したといったとされています。
NSXの与えた功績といえば、それまでスピード一辺倒であったスーパーカーというジャンルにおいて、ハンドリング性能やインテリアといった視点に注力したことで、それまでの硬派なスーパーカーのイメージを刷新したことにあります。
そのため、ドライバー重視の設計に重きが置かれ、オートエアコンや電動パワーステアリングといった装備が与えられました。
さらに2代目NSXは、スーパーカーながらハイブリッドシステムを搭載しており、常に時代をリードする設計が特徴的といえます。
初代NSXの販売価格は800万円と、スーパーカーにしては破格ともとれる価格でしたが、現行モデルである2代目NSXの価格は、国内最高額の2370万円と高額な価格設定となっています。
しかしながら近年のスーパーカーの価格高騰を踏まえると、決して高くはない価格設定ともいえるでしょう。
●日産「GT-R」
日産にとどまらず、日本が誇るスポーツカーといっても過言ではないクルマが、日産「GT-R」です。
2007年、日産の象徴するブランドである「スカイラインGT-R(R34型)」の後継モデルとして販売が開始されました。
スカイラインの冠は外れたものの、実質的な後継車として扱われており、エンジン型式では第3世代にあたります。
開発は、カルロス・ゴーン氏により任命された水野和敏氏によりおこなわれ、異例の全権委任という体制で開発がスタートしました。
GT-Rの特徴としては、新技術が多く使用された点にあります。プレミアムミッドシップパッケージというGT-R専用のプラットフォームを採用し、フロントタイヤ側にエンジンを配置、リアタイヤ側にクラッチ、トランスミッション、トランスファーを搭載。これにより重量バランスの最適化に成功します。
また、GT-Rの製造にあたっては、新しい生産方式が導入されました。クリーンルーム内で一人の職人によって組み立てられ、熟練の検査ドライバーがエンジン、トランスミッション、ブレーキの調整おこなうという一連の流れを経たうえで、車両が出荷されています。
現在の価格は、2020年モデルが1063万1520円からとなっています。高級スポーツカー、もしくはスーパーカーというジャンルにおいては安価ともとれますが、発売当初の価格が770万円という手の届きそうな価格帯であったことから、「最近のモデルは高すぎる」という声も一部から出ているようです。
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