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「三菱デリカミニ」軽スーパーハイトワゴンのクロスオーバモデルの本命!(萩原文博レポート)

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「三菱デリカミニ」軽スーパーハイトワゴンのクロスオーバモデルの本命!(萩原文博レポート)

本格的な悪路走行性能を持つ稀有なミニバンSUVの三菱デリカD:5、その弟分として、軽自動車スーパーハイトワゴンのクロスオーバSUV「デリカミニ」が投入されました。そのちょっと生意気でかわいいデザインはキャラクターの「デリ丸。」とともに人気急上昇中。そんなデリカミニの試乗インプレッションを萩原文博さんがリポートします。

軽自動車はスーパーハイトワゴン人気が続いている

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街でよく見る軽自動車といえば、ホンダN-BOXやダイハツタント、そしてスズキスペーシアといったスーパーハイトワゴンです。このスーパーハイトワゴンの特徴は軽自動車最大級の室内空間の広さと利便性の高いリア両側スライドドアを採用していることです。このスーパーハイトワゴンがどれくらい人気なのかは、2022年度(2022年4月~2023年3月)の軽自動車通称名称新車販売台数にハッキリと表れています。

最も売れている軽乗用モデルは、ホンダN-BOXで約20万5000台。次いでダイハツタントが約12万3000台。そしてスズキスペーシアが11万700台と、ベスト3をスーパーハイトワゴンが独占しています。第4位は約10万6000台でダイハツムーヴですが、これも2/3以上がリアにスライドドアを採用したムーヴキャンバスなので、販売台数10万台を超える4モデルがすべてスーパーハイトワゴンとなっているのです。

ブームに乗り遅れた三菱の起死回生策がデリカミニ

しかし軽スーパーハイトワゴンは上記の4モデルではありません。日産ルークスとその兄弟車の三菱eKスペースが販売されています。日産ルークスは約8万台で第6位に留まっていますが、三菱eKスペースはekワゴンなどeKシリーズ全体で約2万6000台。前年比もスーパーハイトワゴンで唯一eKシリーズだけがマイナスという厳しい状況となっています。この厳しい現状を打破するために、eKクロススペースは登場からわずか3年で大幅改良とともにブランドチェンジを実施、デリカミニとして2023年5月に発売されました。今回は、すでに約1万6000台もの事前受注を獲得するなど、スマッシュヒットを予感させるデリカミニに試乗することができましたので、インプレッションを紹介しましょう。

なんと1万6000台の予約の6割が4WD!

国内市場ではランサーエボリューションに続いて、パジェロも販売終了となり、三菱のブランド資産はいまやデリカのみと言えるでしょう。デリカというとミニバンながらSUV譲りの高い悪路走破性をプラスした唯我独尊のモデル。現行型のデリカD:5は2007年に登場し、すでに16年が経過したロングセラーです。しかしその人気と実力は現在でも色褪せていません。この安定した人気を誇るデリカブランドのエッセンスを軽自動車に凝縮したのが2023年5月から販売開始したデリカミニなのです。

デリカミニは、「Reliable&Active Super Height Wagon(頼れるアクティブな軽スーパーハイトワゴン)」をコンセプトに、広々とした室内空間と利便性の高さが魅力のスーパーハイトワゴンに、オンオフ問わない力強い走りを融合させたモデルです。このデリカミニは、1月に開催されたカスタムカーの祭典、東京オートサロンで初披露され、受注がスタートしたのですが、5月25日の発売日前日までに約1万6000台の予約注文が入っています。しかもその予約注文のうち、全体の6割が165/60R15という大径タイヤと専用に味付けされたショックアブソーバーを採用した4WD車となっています。軽自動車の場合、この4WD車6割というのは驚異的で、2~3割が一般的です。やはりデリカというブランドに期待するユーザーが多いということはこの数字からもわかります。

見た目一新、デリカならではのSUVらしい力強さと高い質感を演出

デリカミニは、ブランニューのモデルではなくeKクロススペースの大幅改良モデルです。大幅改良されたポイントは2つで、まずは外観のデザイン。特にフロントデザインです。力強さと安心感を表現する立体的な「ダイナミックシールド」デザインに、特徴的な半円形のLEDポジションランプを内蔵したヘッドライトを組み合わせることで、親しみやすい表情となっています。三菱のアイコンといえるダイナミックシールドは、縦方向に延びたヘッドライトが特徴で少々マシーンのような冷たいイメージでした。しかしデリカミニは半円状のLEDポジションライトが目のように感じられるのも好評の理由と言えます。

さらに、フロントバンパーとテールゲートガーニッシュには立体的な「DELICA」ロゴを採用。前後バンパー下部にプロテクト感のあるスキッドプレート形状を採用し、ホイールアーチを光沢のあるブラック加飾することで、デリカならではのSUVらしい力強さと高い質感を演出しています。

4WD車には悪路に強い大径タイヤと専用チューンの足回り

そして、大幅改良された2つ目のポイントは、4WD車に安定性と快適性を高める大径タイヤと専用ショックアブソーバーを採用していることです。165/60R15という大径サイズのタイヤの採用と専用チューニングを施したショックアブソーバーを使用することで、路面をしっかりと捉えながら車内には振動を伝えにくい設定として舗装路だけでなく、砂利道などの未舗装路を走行する際の安定性と快適性を高めています。

試乗車は280万円オーバー!

今回試乗したのは、車両本体価格223万8500円の最上級グレード、デリカミニ Tプラチナム4WD車。メーカーオプションとして有償色のアッシュグリーンメタリック×ブラックマイカ8万2500円、アダプティブLEDヘッドライト7万7000円、さらにディーラーオプションは9インチナビ+ドライブレコーダー+ETC2.O車載器がセットのナビドラ+ETC2.0パッケージ36万9820円をはじめ、合計43万2520円分を装着。

合計で283万520円と軽自動車としては相当高額なモデルとなっています。しかし、試乗車はこの仕様のみであることから、三菱としては相当な自信があることが伝わってきました。

悪路も一般道もOK!4WDモデルの柔らかい足回り

試乗は会場となったキャンプ場のオフロードでの走行から。舗装路から砂利道に入ってすぐに専用チューンを施したショックアブソーバーを搭載した自慢のリアサスペンションが仕事してくれました。ショックアブソーバーの伸び側を硬め、縮み側を柔らかめにセッティングすることにより、走行時に沈む砂利道の路面をしっかりと捉えてくれます。前後、左右で路面の高さが異なっているようなシーンでも、4輪がしっかりと路面を捉えてくれるので、安心して走行することができます。

続いては舗装された一般道を走行しました。走り出してまず感じたのはリアサスペンションの柔らかさです。これはリアサスペンションが一生懸命路面からの衝撃を和らげ、また路面をしっかりと捉えようと仕事をしているからこその感覚です。

乗り心地の良さと疲れにくさを両立

スーパーハイトワゴンには不得意なワインディングも走行しました。カーブを曲がる際やブレーキを掛けた際の揺れは発生するものの、不快な揺れではありません。揺れの収まりも早いのでドライバーだけでなく、乗員にも安心と安全を提供します。

軽スーパーハイトワゴンでは、スポーティな走りを目指してサスペンションを硬くすることもありますが、逆に突っ張ったような印象を感じることがあります。それと比べるとデリカミニの穏やかなサスペンションのセッティングは乗り心地の良さと疲れにくさを両立していて非常に好感が持てました。

ストレスなしのターボエンジン、充実した運転支援機能も魅力

搭載しているターボエンジンはモーターによるアシストを採用、車両重量1トンを超えるデリカミニをどんなシーンでもスムーズに加速させるため、ストレスは感じません。さらに高速道路同一車線運転支援機能のマイパイロットなど運転支援機能が充実しているので、アウトドアに出掛けることもラクラクこなしてくれそうです。

軽スーパーハイトワゴンは、スペーシアギアを皮切りに、タントファンクロスとクロスオーバーモデルが登場しヒットしています。この2モデルは基本的にアウトドア色の強い外観デザインに変更しただけですが、今回試乗したデリカミニの4WD車は乗り味までチューニングした本格派です。まさに軽スーパーハイトワゴンのクロスオーバーモデルの本命と言えるモデルでしょう。

デリカミニは自然吸気エンジンとターボエンジンの2種類を搭載し、それぞれ駆動方式は2WDと4WDを設定。グレード構成は標準グレードのGとT、そして充実した装備が魅力のGプレミアム、Tプレミアムを用意しています。車両本体価格はG2WDの180万4000円からTプレミアムの223万8500円となっています。

デリカミニにはデリカのDNAを継承したマッドフラップ(4万9940円)をはじめとした多彩なアクセサリーも用意されており、オンリーワンのモデルを作る楽しさもあります。デリカミニはデリカミニの化身である「デリ丸。」を探して旅行するパートナーにピッタリです。ウェイ!

※記事の内容は2023年6月時点の情報で制作しています。

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