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高性能コンパクトカーの代名詞的! ホンダ初代「シビックタイプR」を振り返る

掲載 更新 6
高性能コンパクトカーの代名詞的! ホンダ初代「シビックタイプR」を振り返る

■タイプR第3弾として登場したEK9型 シビックタイプRとは

「シビック」史上で初めてとなる初代「EK9型 シビックタイプR」は、1997年8月に6代目シビックのマイナーチェンジの際に、3ドアハッチバックモデルをベースとしてラインナップされました。

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 ホンダのタイプRシリーズとしては、第3弾となるモデルです。

 タイプRシリーズは、初代「NSX」に1992年に追加されたNSXタイプRから始まりました。そして、第2弾として1995年に3代目「インテグラ」のマイナーチェンジの際に、3ドアクーペと4ドアハードトップに設定。

 タイプRの「R」は、文字どおりレーシングのRを示し、ベース車の運動性能と動力性能を際立たせてサーキット走行を想定し、走る楽しさを徹底追求したレーシングテイストを味わえるというコンセプトです。

 外観では専用のエアロパーツに加え、専用のボディカラー「チャンピオンシップホワイト」をイメージカラーとし(他の色も設定)、赤地のホンダエンブレムが装着されるなど特別感が与えられました。

 初代シビックタイプRには、自然吸気エンジンとして当時世界最高峰の高出力である、リッター当たり116馬力を実現した1.6リッター直列4気筒DOHC VTECの専用チューニング・エンジンが搭載され、最高出力185馬力を発揮。

 そして、シビックの持つ素質を生かしながら優れた旋回性能と走行安定性を確保するために、車高のダウンによる低重心化、ハードチューニングサスペンション、トルク感応型ヘリカルLSD、専用チューニングのブレーキが採用されました。

 さらに、制動力、耐フェード性向上のためブレーキディスクローターのサイズアップと、スポーティなセッティングの専用ABSを採用。

 また、パフォーマンスロッドの追加によるボディ剛性強化や、タイプR専用の「ポテンザRE010」ハイグリップタイヤが装備され、運動性能が飛躍的に向上されました。

 ほかにも操作系では、シフトダウン時にヒール&トウがしやすいペダルレイアウトに修正され、操る楽しさも追求されていました。

 エクステリアでは高速安定性を高める空力パーツ(前後アンダースポイラー&リアスポイラー)と、7本スポークと5穴の専用アルミホイールを装備。

 インテリアはSRSエアバッグを内蔵したMOMO社製直径368mm(エアバッグレスオプション車は350mm)の小径ステアリング、ホールド性を高めるレカロ社製バケットシート(可倒式)と、シートに合わせてコーディネイトしたインテリア素材、ショートストロークチタン削り出しシフトノブ、カーボン調メーターパネルなどが装備され、トータルでレーシーに演出されていました。

 公道での乗り心地を犠牲にしてまで高められた走行性能だけでなく、視覚的にもレーシングテイストを醸し、走る楽しみを叶えてくれるモデルが初代シビックタイプRでした。

■最初で最後となったテンロクエンジンのタイプR

 初代EK9型シビックタイプRは、FFコンパクトカーのなかでも名実ともに最速クラスに位置し、市販車をベースにしたN1カテゴリーの耐久レースやジムカーナでも活躍。

 日産「パルサーVZ-R」や三菱「ミラージュ サイボーグR」、トヨタ「カローラレビン」といった強力なライバルと戦うことで、ポテンシャルの高さを証明しました。

 2001年には、3ドアハッチバックをベースとした2代目シビックタイプRが発売。最高出力215馬力2リッター直列4気筒DOHC i-VTECエンジンと、クロスレシオの6速MTを搭載し、走行性能は一段と進化します。

 なお、このモデルは国内生産ではなくイギリス工場で生産され、日本では輸入車として販売されました。

 2007年には、初代インテグラタイプR以来となる4ドアセダンをベースとした3代目が登場。エンジンは、225馬力に向上した2リッター直列4気筒DOHC i-VTECエンジンを搭載しています。

 さらに、2009年には国内未発売の3ドアハッチバックをベースとした「シビックタイプR EURO」が2010台限定で発売。2リッターエンジンは、最高出力201馬力を発生し、2代目と同じくイギリス工場で生産され、日本に輸入されたモデルでした。

 2015年には、5ドアハッチバックをベースにした4代目が750台限定で発売。シリーズ初の2リッター直列4気筒DOHC VTECターボエンジンを搭載。最高出力310馬力というFF車で最高となる性能を達成しました。

 そして、2017年には5ドアハッチバックで登場した現行モデルの5代目シビックタイプRが発売されました。このモデルはこれまでの派生モデルという位置づけではなく、開発当初からタイプRを見据えて開発されました。

 そのため、最高出力320馬力という高性能な2リッターターボエンジンに、強化されたシャシによる高い走行性能というだけでなく、コンフォートな走りも可能な新時代のタイプRといえます。

※ ※ ※

 初代のEK9型はシリーズ最初で最後の1.6リッター自然吸気エンジンを搭載したモデルであり、唯一のレース直系モデルでもあります。

 そのため、現在は世界的にも高い人気を誇り、直近のオークションでは約800万円もの価格で落札されるなど、もはや常軌を逸した価格で取り引きされています。

 最新の「FK8型」も初代からのコンセプトを受け継いでいますが、それでも初代シビックタイプRには色褪せない魅力があるということでしょう。

 今後、環境対策という面からスポーツカーは肩身が狭くなると予想されますが、電動化していくという解決策もあります。

 すでに、NSXは3モーターハイブリッドシステムを搭載していますので、シビックタイプRも電動化して進化するという方法も難しくはないかと思いますが、なおさら初代のストイックな魅力が注目されそうです。

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みんなのコメント

6件
  • >最新の「FK8型」も初代からのコンセプトを受け継いでいます

    EK9を持っていた身からすると、とてもそうとは思えん。
  • >直近のオークションでは約800万円

    とはいえ、個人で所有していたら、その価格で落札されるコンディションにするには、今までにそのくらいの金をかけてないといけないだろうな。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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