現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 灼熱の真夏に「空冷旧車」は走れるの? オーナーが語る「苦労の連続」

ここから本文です

灼熱の真夏に「空冷旧車」は走れるの? オーナーが語る「苦労の連続」

掲載 13
灼熱の真夏に「空冷旧車」は走れるの? オーナーが語る「苦労の連続」

 この記事をまとめると

■夏場に空冷式エンジンの旧車に乗っても問題ないかを解説

妄信的なだけ? それとも理由がある? ポルシェ911ファンがいまだに「空冷」を神聖視するワケ

■走行時にはエンジンの熱がたまる状況を極力避ける必要がある

■旧車に乗る以上はクルマに対するケアとねぎらいは重要だ

 真夏に空冷エンジンって大丈夫なの?

 二十四節気の立秋を過ぎ、お盆休みも終わり、あっという間に8月も後半戦。いつの間にか、夜になると虫の鳴き声が聞こえるようになってきた。少しずつ、確実に季節が進んでいるとはいえ、連日にわたる猛暑にそろそろバテ気味……という方も多いのだろうか。

 筆者の1970年製の空冷エンジン車も、毎日暑いから……と理由をつけて乗らなければバッテリーが上がってしまうし、乗れば乗ったで倒れそうになるし(クーラーが装備されていないので)……。

 そんななか、編集担当の方から「こんな時期に空冷エンジンの旧車って乗っても大丈夫なんですか? というテーマで原稿を書いてほしい」との依頼があった。結論からいうと「乗らないのがいちばん」だが、それでは記事として成立しなくなる。空冷エンジンを搭載するいち旧車オーナーとして、実際どうなのかをまとめてみた。

 猛暑の時期はとにかく油温が心配

 エンジンを空気で冷却させる「空冷式」であるがゆえに、外気温が高いとエンジンが温まりやすい反面、「温まりすぎる(熱くなる)」ことも容易に想像できる。最悪の場合はオーバーヒートだ。筆者自身、この時期は油温計ばかり気にしている。油温計の針がグングンと上昇していく恐怖たるや……。

 なんとしても渋滞を避ける

 夏場に空冷エンジン車に乗るうえでもっとも避けたい状況、それは「渋滞」だ。ただでさえ暑いのに、少しでも、渋滞すると涼しい風が当たらなくなるわけだ。結果として、みるみるうちに油温が上昇する。こんなとき、猛暑日の渋滞のなかでもオーバーヒートの兆候すら見せない現代のクルマって機械として本当に優秀なんだなと痛感できる。

 空冷ならではの熱との付き合い方

 1段上のギヤで走る

 順調に走行していても油断(?)はできない。信号スタートなどの加速時は仕方ないとして、できるだけ高いギヤを使って巡航モードで走行し、エンジンの回転数および発熱を抑える。この時期は高回転までエンジンをまわす回数を抑え、どちらかというと淡々と、定期的にエンジンオイルを攪拌(かくはん)させるイメージで乗っている。

 エンジンフードを浮かせる

 エンジンフード、いわゆる「鍋のフタ」と同じです。可能であれば、走行中でもエンジンフードのロックを外して少し浮かせたい。さすればエンジン本体から大量に発せられる熱を外に逃がせる効果が期待できる。そういえば「ルパン三世 カリオストロの城」の序盤のカーチェイスのシーンでも、ルパンと銭形が乗るフィアット500が、爆走中はリヤのエンジンフードが全開にしていた。

 早朝や夜間に乗る

 猛暑の時期、もっとも現実的かつ空冷エンジン車にとって優しいのは「早朝や夜間に乗ること」だと思う。深夜でも熱帯夜という地域がまだまだあるが、それでも35度以上、下手をすれば40度近い猛暑の日中に比べればはるかにマシ。ただ、空冷エンジン特有の「ガサガサ・バタバタ」という音が意外と周囲に響くため、ご近所迷惑になる可能性も考えられる。

 まとめ:いずれにしても一定の「ケア」や「労り」が必要

 一般的に、中年は30歳から45歳まで、それ以上は「初老」だといわれている。ただ「人生100年時代」といわれる現代の感覚からすると、もう少し初老の時期を引き上げてもいいように感じる。たしかに人生の中~後半戦は「老い」との戦い、そして折り合いの日々ではあるのだが……。

 生身と機械という差があるにせよ、半世紀以上前に作られたクルマでも立派な(?)旧車だ。人もクルマも「老い」には抗えない。当然ながら一定の「ケア」や「労り」が必要となる。とどのつまり「無理は禁物」ということだろうか。

関連タグ

こんな記事も読まれています

日産「フォーミュラE」チームに最先端シミュレーター導入へ…Dynisma社と提携
日産「フォーミュラE」チームに最先端シミュレーター導入へ…Dynisma社と提携
レスポンス
6速MTのみ! ホンダ「幻の高性能スポーツセダン」がスゴい! 匠の「手作業チューニング」採用した究極の「タイプR」! 即完売した「MUGEN RR」とは
6速MTのみ! ホンダ「幻の高性能スポーツセダン」がスゴい! 匠の「手作業チューニング」採用した究極の「タイプR」! 即完売した「MUGEN RR」とは
くるまのニュース
防ぐ方法はある? 事故の元になるブレーキング操作時のタイヤのロック
防ぐ方法はある? 事故の元になるブレーキング操作時のタイヤのロック
バイクのニュース
国交省、「ステップワゴン」の車いす仕様車 ホンダ初のUDタクシーに認定
国交省、「ステップワゴン」の車いす仕様車 ホンダ初のUDタクシーに認定
日刊自動車新聞
年末年始の渋滞、ピークは下り線12月29日と1月2日、上り線は1月3日[新聞ウォッチ]
年末年始の渋滞、ピークは下り線12月29日と1月2日、上り線は1月3日[新聞ウォッチ]
レスポンス
ミック・シューマッハー、メルセデスF1のリザーブは今季限り。来季はWEC専念へ「自分が乗らないF1マシンを眺めるのは厳しいもの」
ミック・シューマッハー、メルセデスF1のリザーブは今季限り。来季はWEC専念へ「自分が乗らないF1マシンを眺めるのは厳しいもの」
motorsport.com 日本版
ホンダ、電動二輪車2機種をインドで発表…交換式バッテリーの『ACTIVA e:』とモペッドタイプの『QC1』
ホンダ、電動二輪車2機種をインドで発表…交換式バッテリーの『ACTIVA e:』とモペッドタイプの『QC1』
レスポンス
180万円! トヨタが「“新”ライズ」発売! 全長4m以下の小型ボディに迫力顔がスゴい! 「最小SUV」6年目の進化とは?
180万円! トヨタが「“新”ライズ」発売! 全長4m以下の小型ボディに迫力顔がスゴい! 「最小SUV」6年目の進化とは?
くるまのニュース
全長4.1mで600馬力! 日産「超“コンパクト”GT-R」がスゴい! 「V6ツインターボ」×4WDでまさかの“市販化”実現! 4ドアボディの「スーパースポーツSUV」どんなモデル?
全長4.1mで600馬力! 日産「超“コンパクト”GT-R」がスゴい! 「V6ツインターボ」×4WDでまさかの“市販化”実現! 4ドアボディの「スーパースポーツSUV」どんなモデル?
くるまのニュース
進化したアドベンチャースポーツ BMW Motorrad「F900XR」新型モデル発表
進化したアドベンチャースポーツ BMW Motorrad「F900XR」新型モデル発表
バイクのニュース
DIYスキルやカスタムセンスが光りまくり! 「オーテック里帰りミーティング2024」に参加したオーナーカーが個性的すぎた
DIYスキルやカスタムセンスが光りまくり! 「オーテック里帰りミーティング2024」に参加したオーナーカーが個性的すぎた
WEB CARTOP
トヨタ、SUV「RAV4」を一部改良 全グレードを4WDに 装備充実で価格は上昇
トヨタ、SUV「RAV4」を一部改良 全グレードを4WDに 装備充実で価格は上昇
日刊自動車新聞
首都高羽田線「大改造計画」いよいよ本格化へ!? 羽田トンネル「上下線分離」で渋滞緩和!? 「謎の高架橋」復活で「5車線化」のスゴさとは
首都高羽田線「大改造計画」いよいよ本格化へ!? 羽田トンネル「上下線分離」で渋滞緩和!? 「謎の高架橋」復活で「5車線化」のスゴさとは
くるまのニュース
フェラーリ、スキッドブロックの変更で予算にダメージ「技術指令が来たのが直前だったから……」
フェラーリ、スキッドブロックの変更で予算にダメージ「技術指令が来たのが直前だったから……」
motorsport.com 日本版
朝ドラで注目の【平成文化】バブル崩壊後におきた「RVブーム」で 1994年に登場した“記憶に残る日本車”3選
朝ドラで注目の【平成文化】バブル崩壊後におきた「RVブーム」で 1994年に登場した“記憶に残る日本車”3選
VAGUE
タクシーが儲かるかどうかは「アプリ加盟」が鍵! 年収900万円もあり得るイマドキのタクシードライバー事情
タクシーが儲かるかどうかは「アプリ加盟」が鍵! 年収900万円もあり得るイマドキのタクシードライバー事情
WEB CARTOP
“アルファードミニ!?” スズキ「新型ワゴン」1月発売? デザイン大幅刷新! 「ソリオ」何が変わる? 既に先行パンフ配布! ユーザーの声は
“アルファードミニ!?” スズキ「新型ワゴン」1月発売? デザイン大幅刷新! 「ソリオ」何が変わる? 既に先行パンフ配布! ユーザーの声は
くるまのニュース
インドならではの色彩美!? ロイヤルエンフィールド新型モデル「GoanClassic350」発表
インドならではの色彩美!? ロイヤルエンフィールド新型モデル「GoanClassic350」発表
バイクのニュース

みんなのコメント

13件
  • whi********
    空冷ポルシェ30年近く乗っています。いまは930ターボだけど70年式のナローも乗っていました。夏場は完全な渋滞はダメだけどそこそこ走っていれば大丈夫ですよ。夏の気温35度オーバーでも逗子行ったり和歌山の白良浜だったかな?行ったりしました。わたしもいつの間にか高齢者になってしまいましたので人間のほうが持ちません。930だったらクーラー整備すればまあまあ効きます。油温はレッドに入らなければ大丈夫だけど油圧が下がると心配になりますね。アイドリング時に少しアクセル踏んで回転を上げてます。
  • jli********
    古い空冷でも大抵はアメリカ市場や中東市場に出すこと前提で作られているから、走って風が通るうちはまあ問題ない。
    問題は渋滞とかエアコンの追加設定でしょ。特に日本市場はダブルで厳しい。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

413.0838.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

198.0350.0万円

中古車を検索
テーマの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

413.0838.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

198.0350.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村