現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 「体重が軽いヤツが速い」は本当か? サーキットでよく聞く「都市伝説」の真相を暴く

ここから本文です

「体重が軽いヤツが速い」は本当か? サーキットでよく聞く「都市伝説」の真相を暴く

掲載 更新 39
「体重が軽いヤツが速い」は本当か? サーキットでよく聞く「都市伝説」の真相を暴く

聞いたことはあるけど確証はない噂について検証

 サーキットを走る人にとっては常識であっても、真偽はイマイチ知られていない『都市伝説』の数々。昔から語り継がれているだけあり信憑性は高そうだが、テクノロジーの進化や新たなテクニックの登場により、通用しなくなったり違う結果になることがあるかもしれない。代表的なエピソードをいくつか挙げて検証してみよう。

「お父さん、本当にありがとう」現役女性レーサーが「最愛なる父」に感謝する理由

「カートは体重が軽い方が速い」は本当か?

 まずは免許がない人でも気軽に楽しめるカートの話から。軽ければ軽いほど加速やブレーキが有利になる、カートでも普通のクルマでも疑う余地はない。

 ただし軽量化やパワーアップの手段が多いクルマに対し、カートはほぼイコールコンディションに近い状態なうえ、元々の重量がクルマとは比べモノにならないほど軽い。そのためドライバーの体重が速さに与える影響も非常に大きく、とあるカート場では「体重が10kg違うとタイム差は0.5秒」なんて言われている。

 当然ながらコースの長さやレイアウトにもよるし、運転の技術を体重差だけで凌駕できるはずもない。とはいえ同じドライバーにウエイトを取り付け、まったく同じ走りをすれば間違いなく重いほうが遅いはずだし、タイム差は一般の乗用車よりも大きいと思われる。0.5秒だとしてもカートコースは500~1000mがほとんどで、対して本格的なサーキットは3000mオーバーなので、距離で換算するとまったく勝負にならないレベルの差だ。

 カートでよく聞く「どうしても小学生に勝てない」という話は、コース慣れやテクニック以上に体重差のせいといえるだろう。

「エアコンを入れたままサーキットを走れると壊れる」は本当か?

 次は「エアコンを使ったまま走ると壊れる」という話。エンジンをレブリミットまで回すサーキットは、各部の負荷も一般道と比較にならないほど大きい。確かに昔のクルマはエアコンを動かすコンプレッサーに大きな負担がかかり、何かしらのトラブルに繋がるため全開走行はエアコンをオフにするのが常識だった。しかし最近のクルマは電動コンプレッサーの採用などで負担が小さくなったり、オートエアコンは温度調節のため自動でエアコンをオン&オフするので、昔の都市伝説は必ずしも通用しなくなったといっていい。

 もっともコンプレッサーを動かすときの負荷によって、エンジンが多少なりともパワーロスするのは今も昔も一緒なので、全開でアタックするときにエアコンを切ったほうが有利なのは変わらず。暑さで朦朧として走るのはほかのクルマを事故に巻き込む可能性があり、状況に応じてエアコンを使いながら走るのがベストだ。

「サーキットでAT車は遅いしつまらない」は本当か?

 最後は「ATは遅いし壊れるし面白くない」という話を。走るなら絶対にMTと拒絶反応を示す人も少なくないが、今や乗用車は販売台数の90%以上がATで、AT限定免許の取得者も増えるいっぽうだ。GT-RやGRスープラをはじめ2ペダルのみのスポーツカーは数多くあり、その流れはミドルクラスやエントリークラスにも波及するはず。

 現時点では単純な速さだけならMTに一日の長があれど、ATでのスポーツ走行はまだ黎明期といっていい。今後チューニングやテクニックが熟成されるにつれ、その差は徐々に小さくなっていくに違いない。

 もうひとつの「壊れやすい」に関しても必要に応じて熱対策するのはMTと変わらず、独特なアイテムといえばATFやCVTオイルのクーラー程度だろう。さらに「面白くない」はハッキリいって食わず嫌いでしかない。N-ONEのワンメイクレースはCVT限定だが多くの参加者で賑わっているし、今年から始まったヤリスカップもCVTだけのクラスがある。

 今後はレースに限らず草の根イベントでも、ATやCVTがどんどん増えていくと予想される。MTにはMTの楽しさや魅力があるのと同じで、先入観だけでATを否定するのはナンセンスだ。この都市伝説はもはや『過去の遺物』と断言していいだろう。 

こんな記事も読まれています

レクサス新型「スポーティSUV」に大反響!「デザイン凄いな」「“100万円以上”値下げはオトク」「運転面白い」の声! メーカー初の“画期的システム”専用車の「RZ」25年モデル米国で登場!
レクサス新型「スポーティSUV」に大反響!「デザイン凄いな」「“100万円以上”値下げはオトク」「運転面白い」の声! メーカー初の“画期的システム”専用車の「RZ」25年モデル米国で登場!
くるまのニュース
若手育成向けレーサーマシンも続々登場! 日本とヨーロッパの若手育成環境の違いとは レーシングライダー大久保光のEICMAレポート
若手育成向けレーサーマシンも続々登場! 日本とヨーロッパの若手育成環境の違いとは レーシングライダー大久保光のEICMAレポート
バイクのニュース
「すごい衝突事故…」 常磐道が一時「通行止め」! 「大型トラックが衝突、大破」し上下線ふさぐ 現場は1車線区間 福島~宮城県境は迂回必要に
「すごい衝突事故…」 常磐道が一時「通行止め」! 「大型トラックが衝突、大破」し上下線ふさぐ 現場は1車線区間 福島~宮城県境は迂回必要に
くるまのニュース
ポルシェも認めたネクセンのスポーツSUVタイヤ「N’FERA RU1」にモータージャーナリスト・島下泰久さんが試乗。その実力は?
ポルシェも認めたネクセンのスポーツSUVタイヤ「N’FERA RU1」にモータージャーナリスト・島下泰久さんが試乗。その実力は?
くるくら
国沢親方がメッタ斬り!! 直也さん、ナベさん、サクラが2位は評価が高すぎるのでは!?
国沢親方がメッタ斬り!! 直也さん、ナベさん、サクラが2位は評価が高すぎるのでは!?
ベストカーWeb
F1デビューで環境激変。一躍有名人となったコラピント、SNSから距離を置く「アレは有害だから……」
F1デビューで環境激変。一躍有名人となったコラピント、SNSから距離を置く「アレは有害だから……」
motorsport.com 日本版
6000万円超え! いすゞ新型「超スゴい“精悍”モデル」登場! 70人乗りで画期的な「段差ゼロ」&340馬力の“静音ユニット”搭載! 新型「エルガEV」がラインオフ
6000万円超え! いすゞ新型「超スゴい“精悍”モデル」登場! 70人乗りで画期的な「段差ゼロ」&340馬力の“静音ユニット”搭載! 新型「エルガEV」がラインオフ
くるまのニュース
まさかの復活! JR武蔵野線に沿う深夜急行バス 東武「ミッドナイトアロー」12月の金曜日から
まさかの復活! JR武蔵野線に沿う深夜急行バス 東武「ミッドナイトアロー」12月の金曜日から
乗りものニュース
さすがフランスの燃料メーカー! トタルのバイオ燃料は「ワイン製造の絞りカス」から作られていた
さすがフランスの燃料メーカー! トタルのバイオ燃料は「ワイン製造の絞りカス」から作られていた
WEB CARTOP
“世界最古のバイクメーカー”発「ヴィンテージ感のあるレトロバイク」が2025年モデルへ進化! 最新の「クラシック350」は快適な先進機能が充実
“世界最古のバイクメーカー”発「ヴィンテージ感のあるレトロバイク」が2025年モデルへ進化! 最新の「クラシック350」は快適な先進機能が充実
VAGUE
日産『リーフ』次期型はAWDクロスオーバーに進化! 初のデュアルモーター搭載も
日産『リーフ』次期型はAWDクロスオーバーに進化! 初のデュアルモーター搭載も
レスポンス
セルジオ・ペレス、F1引退後の”インディカー参戦”には興味なし「怪我などせずにキャリアを終えたい」
セルジオ・ペレス、F1引退後の”インディカー参戦”には興味なし「怪我などせずにキャリアを終えたい」
motorsport.com 日本版
高すぎる「クルマの税金」が大変化? 「二重課税」や「ガソリン税」解消なるか! もはや“旧すぎる”「複雑な自動車税制」現状の課題は? 電動化の今こそ「変わるチャンス」か
高すぎる「クルマの税金」が大変化? 「二重課税」や「ガソリン税」解消なるか! もはや“旧すぎる”「複雑な自動車税制」現状の課題は? 電動化の今こそ「変わるチャンス」か
くるまのニュース
全長4mに「FR」採用! トヨタの「“6速MT”スポーツカー」が凄い! “4人乗り”で実用的な「小型クーペ」にクルマ好きから反響殺到! 市販化待望の「S-FR」とは
全長4mに「FR」採用! トヨタの「“6速MT”スポーツカー」が凄い! “4人乗り”で実用的な「小型クーペ」にクルマ好きから反響殺到! 市販化待望の「S-FR」とは
くるまのニュース
いよいよ始動 首都高の「老朽海底トンネル」造り替え 使われていない“裏ルート”が本線に生まれかわる!? 都市計画素案が公表
いよいよ始動 首都高の「老朽海底トンネル」造り替え 使われていない“裏ルート”が本線に生まれかわる!? 都市計画素案が公表
乗りものニュース
新規参戦キャデラックF1、ドライバーに米国人コルトン・ハータを起用? 有力候補と取締役のマリオ・アンドレッティ認める
新規参戦キャデラックF1、ドライバーに米国人コルトン・ハータを起用? 有力候補と取締役のマリオ・アンドレッティ認める
motorsport.com 日本版
成長する私の軌跡! 2度目の参加で見えてきたライディングスクールの必要性と重要性
成長する私の軌跡! 2度目の参加で見えてきたライディングスクールの必要性と重要性
バイクのニュース
“SUV”なんて言葉は似合わない! どんな悪路も走破可能 なのに室内には高級感が漂う「ラグジュアリーなクロカン車」3選
“SUV”なんて言葉は似合わない! どんな悪路も走破可能 なのに室内には高級感が漂う「ラグジュアリーなクロカン車」3選
VAGUE

みんなのコメント

39件
  • 速いかどうか以上に、公道では初速の鈍さや停まれない危険が伴うから、人も荷物も満載の状態はマイナスでしかない。
  • もしATがMTより遅いので有れば
    モータースポーツの最高峰である
    F1では何故皆セミオートマなのか?
    MTは楽しいだろうけど
    トラックで速さを求めるならATかなぁ。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

173.5217.4万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

9.8261.9万円

中古車を検索
N-ONEの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

173.5217.4万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

9.8261.9万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村