アメリカンラグジュアリーの象徴のひとつであるキャデラックは、大きなクルマばかりというイメージも強いが、そのイメージも過去のものとなろうとしている。なんとブランド初となるコンパクトSUV「キャデラックXT4」が、ついに日本上陸を果たしたのだ。
SUVラインアップを強化する新生代キャデラックの中でも、最も小さいサイズを特徴とするXT4の日本仕様の詳細をお届けしたい。
SUV席巻で存亡の危機!? 日本では人気低迷のCセグメント・ハッチバックが伸びないワケ
文:大音 安弘、写真:ゼネラルモーターズ・ジャパン
【画像ギャラリー】小さなアメリカンラグジュアリーSUV「キャデラックXT4」
日本でも扱いやすいキャデラック
ゼネラルモーターズ・ジャパンは、2021年1月15日、キャデラックのコンパクトSUV「キャデラックXT4」を発表し、1月16日より販売を開始した。価格は、570万円~670万円となる。
新世代キャデラックは、SUVラインアップにも力を入れている。これまで日本にも、最上級の「エスカレード」を筆頭に、ラージサイズの「XT6」、ミッドサイズの「XT5」を導入してきた。
今回、その末っ子となるコンパクトサイズの「XT4」を加えることで、日本でもフルラインナップが構築されることになる。
注目のボディサイズは、全長4605mm×全幅1875mm×全高1625mmと、日本の価格ではミッドサイズに近い。
しかしながら、全幅こそXT4のほうが大きいものの、トヨタRAV4 と同等のサイズであることを踏まえれば、日本でも扱いやすいサイズといえるだろう。
キャデラックのSUVラインアップの末っ子「XT4」が日本上陸。そのサイズは、RAV4に近い
アメラグ感たっぷりでモダンなデザイン
人気のSUV市場で、ブランドエントリーの役割も担う「XT4」だけに、そのスタイリングも新鮮さに溢れるもの。高級車らしい風格を持ち合わせながら、特徴的なLEDライティングやスポーティなテイストを積極的に取り入れた若々しいものに仕上げられている。
大型かつ幅広のペンダゴングリルとシャープのLEDライトの組み合わせは、ワイド感と力強さを強調。小さいながら、キャデラックに相応しい風格も併せ持つ。
ボリューム感の秘密は、ロングホイールベースにもあり、前後のオーバーハングを大胆に切り詰める。しかしながら、野暮ったさを感じさせないのは、バランス感覚に優れたデザインの賜物だろう。
インテリアは、攻撃的なスタイリングとは一転し、落ち着きのある心安らぐ空間が広がっている。最新のデジタル技術や先進の安全運転支援機能などを備えながらも、贅沢なアメリカンラグジュアリーの世界観をしっかりと守り抜いている。これこそアメリカンラグジュアリーが追及する快適さなのだ。
アグレッシブなエクステリアに対して、シックなインテリア。これが乗員のくつろぎを生む
快適かつ実用的なキャビン
キャデラックらしい快適さは、ロングホイールベースの生む広いキャビンにも表れる。後席の利用も多い高級車らしく、リヤシートのレッグルームはクラストップを誇る。
快適な移動をサポートするために、ソフトなレザーシートや各シートエリア別に温度の最適化を図るデュアルゾーンエアコン、走行中の静粛性を高めるアクティブノイズキャンセル機能、13スピーカーで構成されるBOSEサラウンドサウンドシステムなど、おもてなし装備も充実。
さらに日本仕様専用の通信機能付きナビゲーションシステムも標準化されている。
ラゲッジスペースも637L~最大1385Lの大容量となるので、多くの荷物を飲み込んでくれる。ゴルフなどの趣味のお供はもちろんのこと、ファミリーカーとしての素質も十分といえよう。
広々したキャビンもXT4の持ち味。シート表皮は、座り心地の良いレザーとなる
大排気量だけがアメ車じゃない
アメリカンラグジュアリーといえば、大排気量エンジンも魅力であったが、現代のアメラグは、ダウンサイズエンジンの採用にも積極的だ。
XT4には、最新の気筒休止機能付きの2.0L4気筒DOHC直噴ターボエンジンが搭載される。最高出力230ps、最大トルク350Nmを発揮。アイドリングストップ機能なども備える高効率と力強さを両立したユニットとなる。
トランスミッションは9速ATとなり、駆動方式は、最新式のAWD「ツインクラッチAWD」を組み合わせる。このシステムは、前後の最適な駆動配分に加え、後輪側左右の駆動トルクの最適化も図るトルクベクタリング機能を持つ。
また不要の際に後輪への駆動を切り離せるディスコネクトクラッチ機能によるエネルギーの消費の抑制も図られる。
従来のアメ車のイメージを打ち破る存在というべきXT4は、同クラスの欧州高級SUVの内容と比較しても、見劣りしないレベルまで鍛え上げられている。
ただし、ステアリング位置は、左のみ。これは魅力であると同時に弱点ともいえるだろう。しかしながら、アメ車ファンや人と違う選択を求める人に、この価格とサイズは魅力的に映るはずだ。
ボディだけでなく、エンジンもダウンサイズ。今どきのアメ車は経済的なのだ
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みんなのコメント
左ハンドルだし。
アホか! 左ハンドルしかないのに!!