新型はプロユース・ベースのマルチなBOXバン
アトレーは、日本の物流を担う「はたらくクルマ」、ハイゼット・カーゴの上級バージョン。新型は「使い尽くせるマルチBOX」をコンセプトに開発され、広いキャビンスペースの徹底活用を追求した。車中泊やワーケーションにも対応する、いわばデイリーユースのミニキャンパーという存在である。車両仕様は従来の5ナンバーワゴンから、最大積載量350kgの4ナンバーライトバンに変更された。
荷台にお風呂を備えたダイハツ・アトレー・デッキバンのカスタムカーが登場
試乗車はRSの4WD仕様。ガンガン積めて、たくましく走る実力グレードだ。エンジンは64ps/91Nmのターボ。トランスミッションはCVT。4WDシステムは電子制御式で、オートと4WDロックモードが選べる。
ルックスはプロユースのハイゼットとほぼ共通。道具感たっぷりの骨太な印象を与える。スクエア形状のボディは使い勝手抜群、そして大きく見える。これは足元が145/80R12サイズと控えめな設定ということも影響しているに違いない。
運転席に乗り込む。全高が1890mmとたっぷりしているにもかかわらず乗降性は優秀。よじ登るイメージではなく横スライドで乗り込めた。インパネは水平基調の機能的な造形。メーターも各コントロールも、「あるべきところに配置されている」印象で、実に使いやすい。オーバーヘッドシェルフなど、室内各部に多くの小物入れが用意されている点もうれしい。
自由に自在に使えるリアスペースは魅力たっぷり!
圧巻はリアスペースだ。2分割式の後席は足元スペースにスッキリと収納でき、最大で長×幅×高1820×1265×1215mmのフリースペースが出現する。それはまさに、ユーザーを刺激する自由空間。「もうひとつの部屋」として楽しい使用シーンを連想させる。テーブルとしても使えるラゲッジボードなど、多彩な専用アクセサリーが用意されているのも魅力だ。
走りは予想以上に静かでスムーズだった。アトレーはちょうど前席下にエンジンを搭載している。しかし街中はもちろん、高速道路でもその存在を主張することはない。巧みにノイズがカットされ、静粛なままクルージングが楽しめた。CVTの出来もいい。変速比幅を拡大し、とくに発進時のギアを低めに設定した効果でラバーバンド感を感じない。
パフォーマンスは満足のいくレベル。高速道路の速い流れにも無理なく乗れる。100km/hクルージングは余裕たっぷり。ボクシー形状ながら横風の影響もさほど受けなかった。
乗り心地はなかなか快適だ。サスペンションは、路面の継ぎ目や不整を上手にいなし、空荷状態でも後輪からの気になる突き上げはない。適度な重さで路面状況をリアルに伝えるステアリングも運転に自信を与える。
アトレーは、ユーザーのわがままに応えるマルチユースモデル。走るホビー空間というイメージが楽しい実力派である。
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みんなのコメント
ノートパソコンなら、一つポータブルバッテリーがあれば十分だしな。