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ゴーン会長解任に揺れる三菱、ブランド復活へ技術革新や日産アライアンスを融合した新たな施策とは

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ゴーン会長解任に揺れる三菱、ブランド復活へ技術革新や日産アライアンスを融合した新たな施策とは

■三菱ブランド復権のカギや将来のビジョンとは

 過去に燃費不正問題やルノー・日産・三菱アライアンスなど、さまざまな問題を乗り越えてきた三菱自動車。2018年3月には同社4年振りとなる新型車「エクリプス クロス」の投入や、12年振りのビッグマイナーチェンジを果たした新型「デリカD:5」発表など、『三菱ブランド復活』へ着実に歩んでいます。

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 三菱は同社の開発拠点のひとつであるR&Dセンター(愛知県)内のオフィスビルを新設したと同時に、今後の三菱ブランドを見据えた開発体制やアライアンスについての説明会を実施しました。

 さらに、三菱の開発ドライバーを務め、パリ・ダカールラリーへの参戦でも有名な増岡氏による登坂走行や四輪制御技術(S-AWC)の体験同乗を新型「デリカD:5」と新型「エクリプス クロス」を用いて行われました。

 新設されたオフィスビルは、三菱の開発ビジョンである『情熱のクルマづくりでモビリティに新たな価値を』を主軸に過去の過ちから学んだことを活かしつつ、三菱独自の技術を磨き、将来の電動化などにおける魅力的な商品づくりに繋げていくとしています。

 新たなオフィスの新設は、こうした技術革新への一環として、業務効率向上や新たな価値創造を含む「働き方・働きがい改革」を進めるものです。

 また、新オフィスには従業員同士がコミュニケーションしやすい環境や組織変動に対応するレイアウト、国籍や宗教も関係なく働ける取り組みの祈祷室やバリアフリー設備など、あらゆる要素を盛り込んだ次世代オフィスとなっています。

 新しくなったのはオフィスだけではなく、あらゆる気象状況を作り出し実験できる環境試験施設も刷新。ここでは降雪や吹雪をはじめ、雨や暴風などの異常気象を再現し、車両の耐久性や現象確認が実施されます。  今後の三菱ブランドや投入予定車種について、同社の車両技術開発本部長 原徹氏は次のように語りました。

「三菱は、2017年の東京モーターショーにおいて新ブランドメッセージ『Drive your Ambition.』を発表しました。このブランドメッセージを実現するなかで、開発チームとしては、“ファンクショナルバリュー(機能的価値)”をいかに高めるかが重要な役割となります。

 このファンクショナルバリューは、三菱の持つ強みと言える“SUVの価値”“EVや電動化の価値”“技術の価値”を言います。これを具体的なコンセプトにすると本格的なSUVの持つ新しい魅力ある価値を生み出しつつ、世界初のEV車を出した三菱がもつノウハウを活かし、今まで作り上げた独自技術や新しいコネクティビティ技術を融合させた商品を作っていくことです。

 それらの要素を踏まえた上で2019年には2車種の新型車またはフルモデルチェンジを実施し、既存5車種を刷新する計画となります」と説明しました。

■今後の電動化やアライアンス関係はどうなるのか?

 今回の説明会ならび新R&Dセンターのお披露目会は、世間を騒がせているルノー・日産・三菱アライアンス 元会長ゴーン氏の逮捕後初となったこともあり、多くの報道陣が参加しました。

 ゴーン氏の事件や今後のアライアンス関係について、同社の副社長執行役員 山下光彦氏は次のように話しました。

――ゴーン氏の逮捕を受けて3社の技術開発連携について

 今回の件は、個人的に非常に残念です。今後、3社のあり方がどうなるのか、いまはコメントできませんが、クルマ作りのなかで新しい技術が必要になっています。

 やはり、1社だけでそれをまかなう時代ではなくなっているので、そういう意味でアライアンスの力を結束して新しい技術開発に取り組んでいくという姿勢は変わらないと思っています。

――日産の自立が高まる場合、自立と連携の割合に変化は?

 これからどうなっていくのか、今までアライアンスを束ねていたゴーン氏が居なくなるので、そこを誰がどう作り上げていくのか、しっかりと決めていかなければならないことです。

 ルノー・日産で言えば20年近く、三菱は約2年となり、その間にできた連携など、かなり土台がしっかりしてきたこともあるので、そのなかで上手くやっていけると信じています。

 2019年にも3社の技術が集結した商品が登場しますが、我々自身、日々のオペレーションには変化はないので、アライアンス提携による会合も進んでいます。

――アライアンスが進む上での共通部分や三菱らしさとは?

 三菱らしさとしては、魅力ある商品開発を進めることを大切にしているので、そのために独自開発の技術やサプライヤーさんの技術、アライアンスの技術を使っていくことがあります。

 とくにお客様には見えない部分の部品共通化はかなり進んでいきます。シャシや内燃機関だけでなく電動部品といったパワートレインも共通になっていくと思います。

 現在販売しているラインナップは、三菱独自開発のクルマで共通部品はほとんど入っていませんが、今後のモデルには使われていきます。

※ ※ ※

 近年、クルマ業界は度重なる不正問題に揺れています。過去に過ちを犯した三菱ですが、独自の四輪制御技術や電動化技術(EVやPHEV)など、これからのクルマ作りに欠かせない価値を持っている強みを活かすとともに、アライアンス提携によって多様化するユーザーニーズを捉えた新型モデルが登場することに期待できそうです。 【了】

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