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異次元の乗り味とサウンドを生むトップメイクスの本領がここに! 「フェラーリ296GTB」海外試乗

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異次元の乗り味とサウンドを生むトップメイクスの本領がここに! 「フェラーリ296GTB」海外試乗

突き抜けた、熱狂の跳ね馬

フェラーリのプロダクションカーとしては初となる2.9L V6エンジンに、ハイブリッドシステムを組み合わせたフェラーリ296GTBをスペインのセビリアで試乗。ドライビングファンへの原点回帰を掲げ、電動化とダウンサイジングにより誕生した、熱狂的なスポーツベルリネッタのステアリングを握った、第一印象をお届けしよう!

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「このクルマが目指したのは、ドライバーが笑顔でクルマから降りてくること」。フェラーリのプロダクションカーとしては初めて2.9L V6エンジンを搭載し、さらにハイブリッドユニットを組み合わせた296GTBを世に送り出したトップメイクスたちは、実にシンプルなキャッチフレーズでこのクルマを表現した。

イタリア語によるプレゼンテーション中も、何人ものプレゼンターが「Fun to Drive」と英語で表現していたこともドライビングへの関心を駆り立てたが、昨今のご時世もあり約2年半ぶりに国際試乗会へ参加できたという高揚感を差し引いても、このまったく新しいスポーツベルリネッタのステアリングを握れることへの期待値は、高まっていく一方だった。

招かれたのはスペインのアンダルシア州セビリア。モンテブランコ国際サーキットと、その周辺の市街地、ワインディング路、ハイウェイの公道コースが今回の試乗ステージだ。

296GTBは、去る2021年10月14日にジャパンプレミアを果たし、スタジオ内でライティングされた実車を食い入るように眺めたのはそう遠くない過去。しかし、太陽の国スペインの陽のもとで対峙した新色「ロッソ・イモラ」をまとった296GTBは、フェラーリをたらしめる威厳のようなギラつきよりも、フレンドリーでとっつきやすい雰囲気が漂っていた。

それは、このブランド/クラスにしては扱いやすい全長4565mm、ホイールベース2600mmのサイズ感であることや、フェラーリ250LMをイメージさせるキャビン後方の特徴的なフライングブリッジなどのディテールが、現代的なデザインでありながらも、本質的にはかつて自分が憧れた過去の名車をどこか物語っているからだろうと、自己解決した。




シートに収まりコクピットドリルを行うと、1958mmの全幅を携えながらもクルマの四隅をしっかりと意識することができ、見た目より小さく感じられたことに驚かされる。これなら、路上駐車の多いヨーロッパの一方通行でも、道幅の狭い都心の道でもストレスなく通れ、多くのスーパースポーツが囚われる「道を選んで走る」という足枷が、ひとつ外れることでもあり、おのずとドライビングファンも高まるだろう。やはり、296GTBは、フレンドリーなフェラーリなのだ。どうにかなりそうな官能サウンド!




まず初めは約300kmの公道コースを単独で試乗。ハイブリッドモードからステアリング中央下のスイッチを押し、エンジンを呼び覚ます。とはいえV6が咆哮することはなく、電動ユニットの力だけで滑るように動き出す。

296GTBはSF90ストラダーレとは対照的に2WD仕様となり、モーターは航空機由来の軽量・小型なアキシャルフラックスモーターを採用。容量74.5kWhのリチウムイオンバッテリーは、80個のセルから構成され、「セル・トゥ・パック」という手法を用いて直列に接続。

例えるなら、車止め縁石のような縦長の立方体形状のバッテリーで、これがシートとリアエンジン間のフロア上に格納される。言わずもがな、この搭載位置が低重心化に寄与し、パフォーマンス性を高めてくれる。

ハイウェイに入ればタウンスピードは早々に切り上げ、アクセルペダルを踏み込んでV6エンジンを始動。その瞬間、低回転域の振動がステアリングを通して全身に伝わり、ゾクゾクとさせ本域に突入する。さらにペダルを踏み込むと、サウンドが耳と心臓を突き抜ける。

控えめに言っても、このサウンドは最高に気持ちいい。確かに自然吸気のそれとは別モノだが、ビブラートがかった独特のサウンドと吹け上がりは、走りながらこのままどうなってもいい……と思わせてしまうほど悪魔的な気持ちよさを帯びている。

もちろんこれは、ターボチャージャーを中央に添えた120度角のホットVレイアウト、新しいクランクシャフト、等長のエキゾーストマニホールドなど、多くのコンポーネンツの刷新および新設計の賜物なのだが、このサウンドは296GTBの重要なセールスポイントのひとつであると、太鼓判を押させていただきたい。

市街地とハイウェイは時折小雨が降っていたこともあり、マネッティーノは「WET」モードをセレクトしていたが、幸運にもワインディング路のある山岳エリアは晴天で、「SPORT」モードでコーナーに切り込めるロードコンディションは整っていた。

最初は慣れない異国のワインディング路ゆえ、おっかなびっくりコーナーをクリアしていたが、クルマがすべて何とかしてくれることに気づくのには、そう時間はかからなかった。

4輪が路面に吸い付き、とにかくよく曲がり、コーナリングで破綻を来たすことなど皆無。このコントローラブルな感覚は、eSSC(エレクトリック・サイド・スリップ・コントロール)といった制御系デバイスに寄るところも大きいが、短いホイールベースや絶妙な車重バランスが、ドライビング時の圧倒的な安定感を生み出していることにも寄与しているはずだ。

誰もが乗れないけれど誰もが楽しめるモデル

試乗の後半戦は、いよいよモンテブランコ国際サーキットでの試乗だ。テスト車両はスタンダードから、専用ダンパーやスリックタイヤに近い「ミシュラン・パイロットスポーツ・カップ2R」を装着したアセットフィオラノ仕様へとチェンジ。

1周目は慣熟走行、2・3周目はホットラップ、4周目はクールダウンというメニューを先導車の後ろをついて走る試乗ゆえ、実質のお楽しみはサーキット走行をたったの2周となる。

フィオラノから来た腕利きのテストドライバーに何を試せば良いか尋ねると、「ストレート全開加速からのフルブレーキやレイトブレーキを試してみろ」との提案。インカムでの指示のもと、ストレートから第一コーナー手前ギリギリで時速250km/hからのフルブレーキに挑戦。

すると驚くことに、まったく走行ラインを外れることはなく減速し、むしろ俊敏に第一コーナーを曲がることができた。そしてこの「思い切り攻めても(クルマがなんとかしてくれるから)大丈夫」という勘所が分かれば、あとは水を得た魚となる。

多少乱暴にコーナーへアプローチしても、ガツんとブレーキを踏めばABSが体勢を整え、あとは舵角をゆるめながら車体の向きをラインに合わせ、同時にアクセルペダルを踏み、電気モーター&エンジンの巧みな合わせ技が車体を前に押し出し、トラクションをかけながらコーナーを抜けていく。言わずもがなドライビングスキルが高いわけではない。クルマに操られている気にさせられることもなく、あくまでもドライバーのテクとしてお膳立てしてくれるのだ。

296GTBの「Fun to Drive」はこうして腹落ちしたが、この熱狂とも言える新しいスポーツベルリネッタのステアリングは、誰もが握れる訳ではない。しかし、誰が乗ってもドライビングファンに酔いしれる、最高のスーパースポーツであることはお伝えしておきたい。




【Specification】フェラーリ296GTB
■車両本体価格(税込)=36,780,000円
■全長×全幅×全高=4565×1958×1187mm
■ホイールベース=2600mm
■車両重量=1470kg
■エンジン型式/種類=-/V6DOHC24V+ツインターボ+モーター
■総排気量=2992cc
■エンジン最高出力=663ps/8000rpm
■エンジン最大トルク=740Nm(75.5kg-m)/6250rpm
■モーター最高出力=167ps
■モーター最大トルク=315Nm(32.1kg-m)
■トランスミッション形式=8速DCT
■サスペンション形式=前Wウイッシュボーン/コイル、後マルチリンク/コイル
■ブレーキ=前後Vディスク
■タイヤ(ホイール)=前245/35ZR20、後305/35ZR20

フェラーリ公式サイト

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みんなのコメント

2件
  • 日本のナンバープレートが合わない。。。特にフロント。致命的。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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