世界ラリー選手権(WRC)の2023年シーズンの開幕戦ラリー・モンテカルロは、トヨタのGRヤリスが高いパフォーマンスを発揮し、セバスチャン・オジェが優勝した。
しかしヒョンデのエース、ティエリー・ヌービルが3位、M-スポーツ・フォードのオット・タナクが5位と、ライバルたちも意地をみせた。
■前人未到のラリー・モンテカルロ9勝目にオジェ感激「プライスレスな勝利。実感には時間がかかりそう」
2019年末にシトロエンが撤退して以降、WRCの最上位クラスはトヨタとヒョンデ、フォードの3メーカーが争っている状態だ。ただ、フォードは英国チームのM-スポーツとセミワークスの関係である。
今季はWRCのラリー1規定2年目となる。このルールは市販車に由来しないパイプフレームと共通のハイブリッドシステム、バイオ燃料を用いていることが特徴となっている。またコスト削減のため、パドルシフトやセンターデフ、電子制御デフは禁止されている。
このルールはもともと、新規参入を検討しているマニュファクチャラーの関心を集めるために考案されたものだが、今のところは既存のマニュファクチャラー3チームが2024年末までの参戦に同意したのみとなっている。
しかしながら、すで2025年以降のラリー1レギュレーションに関する議論は進められており、2ヵ月後に発表される予定となっている。そしてアルピーヌやステランティス・グループ、ラリー2で活躍するシュコダなどは、将来的にレギュレーションが変更されればWRCに参加したいと表明している。
ラリー・モンテカルロを訪れたFIA会長のモハメド・ベン・スレイエムは、WRCの現状について、ラリー1への移行は正しい判断だったとしながらもWRCを盛り上げるためには、より多くのメーカーの意見が必要だと考えているようだ。
「マニュファクチャラーだけではなく、パッケージ全体が重要なんだ。ドライバーは揃っているが、イベントをどこで開催するか、取材や観客動員をどうするのかも重要だ」
「WRCを維持するためには、もっと多くのメーカーが必要だと思うし、もっと増やす努力を続けるべきだ。しかし3メーカーであっても、それを維持し、新しいレギュレーションが正しく行なわれる限りWRCは健全である」
「バランスをとるためには、少なくとも1社から2社のマニュファクチャラーが参入してくる必要があると思う。そうすれば、そうすれば、もっと競争が激しくなる。ラリー1への変更は正しかったと思う。昨年は皆にとって大きなテストだった」
「ラリードライバーはすぐに(マシンのハイブリッド化に)適応できると信じているし、実際そうだったが、信頼性に問題があった。現在ハイブリッドの信頼性は向上しており、パワーもある」
「明らかに、そのルールを維持して持続可能なモノにする必要がある。そのためにもいくつかの変更が行なわれるだろう。しかし、今あるものを使い、レギュレーションに関してはより柔軟性を持たせなければならない」
競争力を高める必要性を認めながらも、ベン・スレイエムは現在のWRCの最上位クラスが危機的状況にあるわけではないと主張する。
「我々の家が火事になっているとは思っていないよ」
ラリー畑出身のベン・スレイエムはそう語った。
「今あるものの延長線上で使い、その後、時間をかけて正しいレギュレーションを導入すべきだと思っている」
「もちろん、多少の修正はあるかもしれないが、当面はラリー1の新ルールが正しいルールであることを確認する必要がある」
「私はいつも、『それが自分たちに合っている』と固執してはいけないと言っている。私が競技をしていた頃もそういうルールがあって、それが我々にとって良いものではなかったことを覚えているからだ」
「だからもう一度、こに持続不可能な問題があったのか、確認する必要があると思う。環境の持続可能性ということではなく、モータースポーツの持続可能性ということだ」
「またドライバーやマニュファクチャラー、報道関係者の声にも耳を傾けるべきだろう。我々はもっと魅力的で、何かを考え出す必要がある」
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みんなのコメント
つまらないのは確か。
各メーカー出揃って、さらにメーカーが市販したスペシャルカーを、プライベータがチューニングして、
時には上位に入る。
そういうワクワク感がない