日産のコンパクトSUV「キックス」が日本でも販売開始された。とはいえ、すでに南米や中東では、2016年から販売されているモデルだ。なぜ、4年も遅れて日本国内に導入されたのか? マーケティング担当者に訊いた!
6月24日に発表された日産「キックス」は、“新型”とは言い難い。なぜなら、すでに日本国外では販売されていたからだ。
最初に販売されたのは2016年、ブラジル市場で、だった。リオデジャネイロ・オリンピックのオフィシャル・カーとして採用されたので、テレビなどでキックスを見た人もいるかもしれない。
Nissanそれから4年、ついに日本市場に導入されることになった。キックスのマーケティングを担当する日産の日本マーケティング本部チーフマーケティング・マネージャー・オフィスの小木曽宏行さんに、キックスの日本導入をめぐる事情を訊いた。
――登場から4年遅れで日本に導入することになったのはなぜですか?
小木曽 日本国内には、キックスと近い車格の『ジューク』が販売されていたので、当初、導入は考えていませんでした。しかし、スモールサイズのSUVの市場が年々拡大しているので、導入することにしました。
――昨年12月をもって生産が終了したジュークの後継モデルということでしょうか?
小木曽 そうともいえません。キックスとジュークでは価格帯が異なりますし。
――日本に導入されるキックスは、4年前にブラジルで登場したモデルとおなじですか?
小木曽 いいえ、若干異なります。日本市場に投入されるのは「e-POWER」の仕様だけですし、エクステリア・デザインも日本市場向け専用にブラッシュアップしました。
――ガソリン・モデルは投入しないのですね?
小木曽 はい、当初からその考えはありませんでした。日産の先進技術であるe-POWERを多くの人に体感していただきたいので電動モデル1本に絞りました。すでにe-POWERのモデルがある「ノート」の場合、多くのユーザーがガソリンではなくe-POWERを選んでいるということからも、コンパクトなSUVでもe-POWERが待ち望まれている、と考えました。
――メインのターゲットは?
小木曽 若者です。軽自動車やノート、「キューブ」からのステップアップや、「セレナ」などのミニバンからのダウンサイズ志向のお客を想定しています。
――海外市場では評価が高いようですが、その理由はなんでしょうか。
小木曽 メキシコやチリ、台湾などでは、コンパクトSUVセグメントの売り上げ1位を獲得しました。居住性がいいこと、そしてデザインが評価されたことが主な理由である、と考えています。
――日本にはタイ生産のキックスが輸入されるのですね。
小木曽 はい。e-POWERを販売しているのは、日本以外ではタイだけです。タイで生産されたキックスの日本仕様は、輸入後、弊社の追浜工場内に設けたPDIラインで検査いたします。
――日本仕様は快適装備が満載で、価格も300万円近くに達していますね。もっと低価格の仕様を設定しなかったのはなぜですか?
小木曽 日本仕様はシンプルな2グレード構成で、いずれも半自動運転システムの「プロパイロット」や電動パーキングブレーキ、アルミホイールを標準装備しています。日本のコンパクトSUV市場では、ベーシックなものより高級グレードを求める傾向が強いからです。弊社の「エクストレイル」も上級仕様の販売比率が高いという事実があります。それに、“いいものを届けたい”という思いが強かったので、プロパイロットのない仕様は設けませんでした。
――プロパイロットのない仕様を求めるユーザーは少ない、と。
小木曽 はい。というのも、現在、プロパイロットの装着率はセレナが約60%、エクストレイルが約70%、リーフが約80%に達しているからです。軽自動車のルークスでも約60%を占めます。そういうわけで、キックスでは標準装備にしました。
――ボディカラーが豊富ですね。
小木曽 日本仕様は13色を用意しています。イエローなどの鮮やかなカラーがあるのは、日本のユーザーからの需要が比較的高いからです。それに、2トーン・カラーの需要も高まっています。デイズやルークスといった軽自動車では、約2割のお客様が2トーンを選んでいます。
――オーテックやNISMOモデル、それに4WD仕様の計画はありますか?
小木曽 オーテックやNISMOヴァージョンの要望はすでにいただいておりますので、検討しています。4WDも同様に要望があります。現在、検討中です。
文・稲垣邦康(GQ) 写真・安井宏充(Weekend.)
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みんなのコメント
もちろん、これはイチ個人の見解だけど。
実際、もともとの日産ファンから見て今のラインナップに満足できる?
日産が好きなら現状から目を背けずにNOを突き付けて、メーカーを本気にさせた方が良いと思うのだけど。
半数以上の顧客が求めているから、と。
大多数ではないものの、そこここで聞く「ガソリンエンジンの低グレードが欲しい」
と言う声は無視したワケだ。
その割には、2割程度の人しか求めない2トーンカラーを大々的に設定するとか、
NISMOバージョンや4WDは要望がそれなりにあるから検討中とか。
何か辻褄が合わないと言うか、判断の根拠が不透明と言うか・・・
こんな所にまで日産の迷走っぷりが見てとれるとはね。
マーケティング本部とか言ってるけど、ロクに機能してないんじゃないか?笑