■珍しい3列目の開放感マシマシな「ワゴン型ミニバン」とは?
現在、家族層を中心に背の高いミニバンが人気ですが、かつてはステーションワゴンタイプのスタイリッシュなミニバンも存在していました。
数あるモデルのなかで、かつてホンダは3列目に開放感をもたらした個性的なクルマを展開していました。
一体どのようなクルマなのでしょうか。
【画像】「えぇぇぇっ…!」 これがホンダ斬新「3列目スケスケワゴン」です!(23枚)
そのクルマとは「ジェイド」です。
ジェイドは2015年にデビューし、当初は3列シートの6人乗り仕様のみが展開されていました。
その後、2018年には2列シートの5人乗り仕様が追加され、ミニバンからワゴンへと進化。
都市型ファミリー層だけでなく、若年層やアウトドアを楽しむアクティブな層からも支持を集めました。
全長4650mm-4660mm×全幅1775mm×全高1530mm-1540mmと低く抑えられたボディサイズは、一般的なミニバンよりもステーションワゴンを彷彿とさせる洗練されたデザインを実現。
フロントフェイスは3代目「フィット」に似たシャープな印象で、サイドにはエッジの効いたラインを採用し、躍動感を強調しています。
低全高による低重心化と、独立懸架式のサスペンションがもたらす快適な乗り心地がジェイドの大きな魅力。
特にリアにはFF車では珍しいダブルウィッシュボーンサスペンションを採用しており、路面の凹凸を吸収しつつ、コーナリング時の安定感も確保。
ワインディングロードではミニバンとは思えないスポーティな走りが楽しめます。
また、全高の低さは都市部での利用にも適しており、多くの機械式駐車場に駐車が可能です。
室内は、3列シート6人乗り仕様で柔軟なシートアレンジが可能で、荷物の多いシーンにも対応。
2列シート5人乗り仕様では広いラゲッジスペースを確保し、アウトドアギアの収納にも便利です。
ほかにもユニークな特徴として、3列目シートはどうしてもサイドウインドウの面積が小さく暗くなりがちであることから、ルーフには天窓を採用。
これにより“ハズレ席”とされやすい3列目シートに開放感をもたらしています。
パワートレインは当初、1.5リッター直列4気筒エンジンとモーターを組み合わせたハイブリッド仕様を展開。
2018年には、スポーティな走行を楽しめる1.5リッター直列4気筒VTECターボエンジンを搭載した「RS」グレードも追加され、多様なユーザーのニーズに対応しました。
そんなジェイドですが、時代が求めたのはより広い室内空間を持つ背の高いミニバンであったことから、販売は次第に不振となり、2020年に生産を終了しました。
しかし、スタイリッシュなデザインとミニバンの枠を超えた走行性能で独自のポジションを当時は築いており、現代のクルマにはない個性を求めるユーザーにとっては、いまだ魅力的な選択肢といえるでしょう。
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