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ホンダ「CBR250FOUR」のレッドゾーンは17000rpmから!? レーサー直系の緻密なメカニズムが市販車に

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ホンダ「CBR250FOUR」のレッドゾーンは17000rpmから!? レーサー直系の緻密なメカニズムが市販車に

250ccクラスにDOHC16バルブ+カムギアトレーンは反則!?

 ホンダのロードスポーツモデルと言えば「CB」や「CBR」シリーズがお馴染みで、その長い歴史の中でたくさんの名車がありました。

夢の高回転エンジン、250cc直列4気筒エンジンはなぜ復活できた?

「CB」という車名は1959年の「ベンリィCB92スーパースポーツ」から始まります。排気量125ccですが、浅間火山レースの活躍で伝説的名車となりました。

 ちなみに1979年に登場した「CBX」は、排気量1000ccクラスの並列6気筒エンジンを搭載した輸出車が最初で、国内では1981年にデビューし、現在でも大人気の「CBX400F」からスタートしました。排気量125ccクラスにまで展開した「CBX」シリーズですが、現在国内販売している車種はありません。

 そして「CBR」シリーズは、カウリング装備のスポーツモデルというイメージですが、最初に「CBR」を名乗ったのは1983年に登場した「CBR400F」で、カウルは装備していませんでした。その後、ハーフカウルとフルカウルのバリエーションが追加されます。

 今回紹介する「CBR250FOUR」は、1986年にデビューした水冷4ストローク並列4気筒DOHC4バルブエンジンを搭載した、シリーズ第2弾的な存在です。

 1960年代は世界GPでホンダの6気筒250ccエンジンのマシンが大活躍し、多気筒エンジンはホンダのお家芸でしたが、市販車の4気筒250ccエンジンでは他社が先行しており、「CBR250FOUR」は後追い状態でのデビューとなりました。

 沸騰するバイクブームの中でも1986年は、全メーカーでラインナップ重複が普通でした。

 ホンダは「CBR250FOUR」と同じカテゴリーに、先行している「VT250F」がありました。レーサーレプリカには「NSR250R」もあり、250ccクラスだけでもシングルや並列2気筒、Vツイン、並列4気筒、それに2ストも4ストも揃えながら市場を争っていたのです。

「CBR250FOUR」の特徴は、精密機械のようなエンジンです。直径わずか48.5mmほどの燃焼室に4本のバルブを詰め込んで、それを4つ並べています。注目はそれら吸排気バルブを駆動する「カムギアトレーン」方式です。

 カムギアトレーンとは、レース専用エンジンが使用するような緻密なメカニズムで、ホンダは1960年代のクラブマンレーサー(ナンバー付きの市販車レーサー)の一部にも採用していました。

 1980年代では「CBR250FOUR」の他にも「VFR」シリーズや「CBR400R」等にも採用されており、4ストローク車でも台頭してきた他社に対して、当時のホンダの奥の手のようなメカニズムでした。

 それはカムチェーンの代わりにプライマリードリブンギアから3枚のギアを配置してカムシャフトを回す構造です。イメージとしては、機械時計のように無数のギアが詰め込まれた、精密な構造でエンジンを動かしているようなもの、とでも言いましょうか。

 この構造もあって、最高出力は45PSを14500rpmで発揮し、レッドゾーンは17000rpmからという超高回転を楽しめるエンジンになっています。4気筒ならではのパンチのある鋭い吹け上がりが、カムギアトレーンによって未知の領域まで到達し、その味わいは「5感を刺激する官能rpm」と表現されました。

 車体では75mm幅の極太な「目の字」断面構造のアルミ部材を使用したツインチューブフレームが目を引きます。エンジンヘッドを囲うようにうねるメインフレーム部分は、当時の最新GPレーサーのようでした。

 新登場から3カ月後に限定販売された特別仕様車では、アンダーカウルやアルミ風カバー付きサイレンサーなどが装備されました。その後、フルカバードフェアリングの「CBR250R」にモデルチェンジとなり、1988年にデュアルヘッドライトのレーサールックとなって、1990年には「CBR250RR」へと続いていきました。

 このカムギアトレーンを採用する4気筒エンジンはこれでお終いではなく。その後「ジェイド」や「ホーネット」へと受け継がれ、多くのライダーを「官能rpm」の虜にしてきたのです。

 ホンダ「CBR250FOUR」(1986年型)の当時の販売価格は54万9000円です。

■ホンダ「CBR250FOUR」(1986年型)主要諸元エンジン種類:水冷4ストローク並列4気筒DOHC4バルブ総排気量:249cc最高出力:45PS/14500rpm最大トルク:2.5kg-m/10500rpm全長×全幅×全高:2000×685×1120mmシート高:750mm始動方式:セルフ式車両重量:138kg(乾燥)燃料タンク容量:14Lタイヤサイズ(F):100/80-17 52Hタイヤサイズ(R):130/70-17 62Hフレーム形式:ダイヤモンド

【取材協力】ホンダコレクションホール(栃木県/モビリティリゾートもてぎ内)※2023年12月以前に撮影

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みんなのコメント

18件
  • wat********
    400だとそんなに回したらスピード出過ぎるし
    250ならそれなりに気分よく楽しめるんよね
    トルクがいるならデカいの乗ればいいし
    これはこれで良かったけどな
    まあ、自分は2サイクル乗ってたけど
  • bay********
    カムギアに高回転キーン!
    音がスゴクイイ!
    Youtubeで新型の250ccと比べてるが旧型の方が速いし
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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