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【まだ1年程度「待ち」】ジムニー発売開始から1年半 それでも納期1年程度が続くワケ

掲載 更新 19
【まだ1年程度「待ち」】ジムニー発売開始から1年半 それでも納期1年程度が続くワケ

ジムニー、いつになっても納期は1年程度?

text:Kenji Momota(桃田健史)

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大人気の新型ジムニー。ディーラー関係者は、新車の納期は1年近いという。

いったい、どうなっているのだろうか?

何が原因なのだろうか?

需要が多いとはいえ、発売開始はいま(2020年4月上旬)から1年半前の2018年7月だ。

人気車の場合、予約販売や初期受注が多く、発売して数か月は納期が長くなることはある。だが、ジムニーのケースは日本車では極めて稀だ。

ここへきて、さらに納期が延びる可能性が出てきた。新型コロナウイルス感染拡大の影響である。

海外からの部品調達が課題となり、スズキは4月1日から3日まで、日本国内の全工場(湖西工場/磐田工場/相良工場/大須賀工場/浜松工場)の操業を停止した。

ジムニーは湖西(こさい)工場で生産されているが、週明けの4月6日から17日までの湖西工場は4月9日、10日、17日で稼働を停止する。

その後も、新型コロナウイルス感染の状況を見て、工場の稼働状況を考慮するという。

仮に、非常事態宣言となれば、スズキだけではなく自動車メーカー全社の生産体制に多大な影響が及ぶ。

ただでさえ、長い納期を承知の上でジムニー購入を決めたユーザーにとっては、先行きが不安になってしまう状況だ。

それにしても……。どうしてジムニーの納期はこんなに長いのだろうか?

まずは、スズキ広報部に聞いた。

生産能力、立ち上げ期の1.5倍を維持しているが

スズキ広報部としては、正確な納期について公表はしていないという。理由は「色やグレードなどで納期が異なるため」としている。

生産台数を増やすため工場設備を拡充する、生産能力拡大を2019年1月から1.5倍としており、その状況が現在(2020年4月上旬)まで続いていることを明らかにした。

また、ジムニーについての届け出台数は、以下の通り。

2019年1月:2410台
2月:2934台
3月:3972台
4月:2613台
5月:2373台
6月:2287台
7月:2367台
8月:1916台
9月:3102台
10月:2172台
11月:1979台
12月:2157台
となり、2019年合計で3万282台だ。

2020年については、1月が2559台、2月が2336台となっている。

以前に、スズキ広報部からは2018年のジムニー届け出台数を提示してもらったことがある。

それによると、生産が立ち上がった2018年4月が789台。

発売月の月が5063台と瞬間的に一気に伸びた後、8月から12月は1800台程度で推移した。

4月から12月までの累積は1万6348台だった。

2018年7月の新車発表時点で、スズキは国内販売目標台数は年間で1万5000台と公表している。月あたり1250台となり、発売初年度から目標値の1.5倍近い受注に対応せざるを得なかったことになる。

そうした中で、2018年7月生産の5063台はかなり目立つ。

筆者の推測だが、湖西工場で扱う他モデルの一時的な生産調整を行い、初期の予約販売分に対応したと考えられる。

ジムニー・シエラは海外需要 納期、延びる

一方、直列4気筒1.5Lエンジンを搭載する登録車のジムニー・シエラの場合、ジムニーに比べて納期が長い傾向がある。

原因は、海外からの需要だ。ジムニーは軽自動車のため、基本的に日本市場の専用車。

一方のジムニー・シエラは、2018年7月の日本発売以降、国別で発売時期が異なるため海外から受注が一気に入るタイミングがある。

ジムニー・シエラについては、登録台数データをスズキ広報部から提供してもらった。

2019年1月:1345台
2月:1492台
3月:1499台
4月:883台
5月:639台
6月:615台
7月:622台
8月:463台
9月:832台
10月:698台
11月:863台
12月:876台

となり、2019年合計で1万827台。

2020年に入って、1月が1206台、2月が1220台となった。

2018年7月の新車発表時、国内販売目標台数は年間で1200台。現在の生産体制では1か月分しかない。

それだけ、海外での需要が高いということだ。

2018年の登録台数も紹介すると、生産立ち上げの4月は76台。新車発表月の7月651台。

その後は11月まで500台程度を維持していたが、12月には934台まで一気に伸びた。ジムニーよりひと足早く海外需要のために生産拡大した。

スズキといえば、国別生産台数では日本よりインドが多い。だが、ジムニー・シエラについては海外生産の予定はない、という。

生産が追い付かないほどのジムニー人気、その背景には何があるのか?

海外では「小型Gクラス」 日本では……?

AUTOCAR英国編集部の記事にもあるが、海外でのジムニーは「スモール(メルセデス)G」というイメージが強い。

これまでも、欧州では日本と同様に林業や森林管理などに携わるプロフェッショナルの間では、ジムニーに対する信頼度は極めて高かった。

新型でも悪路走破性の高さへの評価は変わらないが、新しい需要としては、「スモールG」のようなスタイリングが大きく寄与している。

一方、日本では、一部にはジムニー・シエラ「スモールG」という見方もあるが、Gっぽいかどうかは別にして、ジムニーにしても、ジムニー・シエラにしても、機能美に魅せられた新規ユーザーが多いと、ジムニー開発者は見ている。

その中には、オフロード走行をほとんどしない人や、SUV初体験の女性もいる。

日本での人気が続く、ジムニーとジムニー・シエラ。

湖西工場では現在、ジムニー/ジムニー・シエラの他、アルト/スペーシア/ワゴンR/ハスラーなどの軽自動車を生産している。

2019年末発売の新型ハスラーも販売好調であることから、ジムニー、ジムニー・シエラのこれ以上の生産能力拡大をすることは難しいようだ。

そのため、納期が一気に短かくなる要素は、いまのところないと思われる。

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みんなのコメント

19件
  • 業者が転売するために従業員名義で購入し転売するのが原因です。それがなければ納期は半年待ちくらいでしょう。
  • 「今オーダーしても一年待ち!」

    十分話題作りに貢献しています。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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