シェアリングモビリティで地域内の移動を活性化
横浜都心臨海部(いわゆる「みなとみらい」と呼ばれるエリア)の商店街や自治体、企業と連携して地域の店舗やイベントなどのスポット情報を発信している、神奈川県オールトヨタ販売店が運営するメディア、「アットヨコハマ」と、横浜市に本社を構える「日産自動車」、地域課題の解決から地域価値の向上に取り組む「Park Line」の3社が共同で、横浜を舞台にさまざまなモビリティを用いて、地域内の回遊を促す社会実証実験を、3月23日までの約3カ月間実施する。
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この実証を通じて横浜都心臨海部の地域住民や就業者、さらに学生や街を訪れた人々に、新しい都市インフラを体験してもらい、横浜都心臨海部の移動自体が楽しく、何度でも訪れたくなるような、居心地の良い港町の実現を目指すのだという。
実証実験では、「Zero Carbon Yokohama(完全脱炭素社会)」の実現と「横浜市都心臨海部再生マスタープラン」における「まちを楽しむ多彩な交通の充実」の実現に向け、これまでにないほどの規模で多様なシェアリングモビリティを多数設置した大規模モビリティハブを設置し、エリア内の回遊性向上について検証が行われる。
また、ウォーターフロント地区の水際線と関内・関外地区の街なかと呼ばれるエリアをつなぐ、ウォーカブルな街づくりの実現に向けた、街の滞留性・快適性の向上につながることが期待される新しいインフラの有効性についても検証するということだ。概要は以下の通り。
実施概要
・事業名称:「グリーン・マルチモビリティハブステーション・みなとみらい」社会実証実験 ・実施期間: 令和6年(2024年)12月21日(土)~令和7年(2025年)3月23日(日) ・実施時間: 24h(滞留施設利用:9:30-17:30 ※年末年始除く) ・実施場所:「LIVINGTOWNみなとみらい」内(横浜市西区みなとみらい4丁目2番1)
・実施内容 (1):多様な交通モード(EV、自転車、電動キックボード、歩行領域モビリティ等)を結節した、シェアリング型移動サービスのワンストップ利用拠点(モデルケース)の有効性(まちの回遊性向上)検証 (2):公共空間(道路、公園、水辺等)に、⼈の居場所を創造するための民間マネジメントによる新たな都市インフラ「POD(PUBLIC OPTIMAL DIMENSION)」(モデルケース)の有効性(まちの滞留性・快適性向上)検証 これらの実証実験内容に対し、用いられるモビリティと利用方法は多岐にわたる。「グリーン・マルチモビリティハブステーション・みなとみらい」を起点に展開されるサービスを、項目別にみていこう。
移動サービス関係
移動サービス関係の取り組みは、主にカーシェアリング、シェアサイクル&電動キックボード、歩行領域モビリティの3つに大別される。
「カーシェアリング」
必要な時に自由にEVを利用できるカーシェアリングサービスを展開。実証期間中は借りた場所へクルマを返却するラウンドトリップ方式となるが、トヨタレンタリース神奈川、トヨタレンタリース横浜、日産自動車がサービスを提供し、「トヨタシェア」としてbZ4XとC+podが、「NISSAN e-シェアモビ」としてリーフとサクラが実証に使用される。
「シェアサイクル、電動キックボード」
横浜都心臨海部内既存ポートとのネットワークを活用して、乗りたいときに借りて、行きたい場所で返すことができる、地区内移動のシェアリングモビリティサービスを実施。シェアサイクルはドコモ・バイクシェアとLuup、電動キックボードはLuupと「ヨコハマベイスクーター」を展開するeBoardが使用される。
「歩行領域モビリティ」
免許不要で乗ることができる時速6km以下の歩行者共存型のシェアリングモビリティを貸し出す。これにはアットヨコハマ、KTグループ、ウエインズトヨタ神奈川が協力し、トヨタが開発したひとり乗り3輪小型モビリティの「C+walk T」が用いられる。
滞留・快適施設関係の取り組み
次に滞留・快適施設関係について。これは居心地がよく、ウォーカブルな街づくりの実現に向けた、街の滞留性・快適性向上、および安全・安心の確保に資する、新しい都市インフラ「POD(PUBLIC OPTIMAL DIMENSION)」のサービスが無料体験できるもの。
こちらはPark Line推進協議会、大成建設、パークホームズ・プラス、東邦レオが事業主体となって展開し、スマートポール(広域Wi-Fi、人流計測カメラ)、デジタルサイネージ、IT機器(スマホ、PC等)への給電ポート(蓄電池)といったデジタル領域に加え、ベンチ、グリーンインフラ(緑化)、パーゴラ(夏季日除け)、屋外ストーブ(冬季)、防災備品、イルミネーション(夜間)、手荷物預かり(実証時間中は、モビリティ体験プログラム時)など、ハードとソフトの両面から、居心地がよく、エリア内を回遊したくなるような街づくりを創造する。
見どころの多い横浜都心臨海部ではあるが、移動手段は徒歩に頼る場面が多く、その広大なエリアを隅々まで堪能するには時間と体力が必要になる。そこをモビリティと街づくりのスペシャリストにより、課題を解決に結びつけようというこの取り組み。冬の横浜観光でぜひ体験してもらいたい。
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