1989年に登場した「マツダ ロードスター」は、すでにデビューから30年も経過している。そしてマツダも2020年に創立100周年を迎えるなど、祝事が続く節目にふさわしい企画として、ロードスターを軸に広がった貴島さんの人脈を交友録として連載する。第1回の今回は貴島氏のプロフィールから紹介しよう。
少年時代から芽生えていた機械への興味と探究心
もはやマツダ ロードスターのオーナーにとって「神様のような存在」ともいえる貴島孝雄さんは、 ロードスターの2代目と3代目の主査を務めた。そして現在は山口東京理科大学工学部機械工学科の教授として学生フォーミュラを率いている。そんな貴島さんが自動車開発に関わる予兆は、すでに幼少期から始まっていたようだ。
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時計店を営んでいた父は、細かい部品を用いた修理なども手がけており、部品の分解、組み立ては身近だった。オモチャは高価なものだったので、竹を使って竹鉄砲(!)を作るなど「ものづくり」の基盤は、子供時代に作られたといってもいいだろう。
その中でもとりわけ大好きだったのが大型トラック。その構造を詳しく見たいと思い、停車中の車両下に潜り込み、細部まできっちりと目で見て確かめた。それを再現するべく、動力模型を作ったのが最初の大作となった。
徳島出身の貴島さんは、高校を卒業したら大手自動車や建機メーカーへの就職を考えていた。しかし、学校の担任は株価と給与の高かった東洋工業(現マツダ)への就職を促した。会社案内の資料を読んで初めて、R360やロータリーエンジンの会社だと知ったという。
「試験だけなら」とやや後ろ向きの気持ちで臨んだが、本命は別にあった。その別メーカーの採用にも応募しようとしたが、なんと応募期限が過ぎており、試験も受けられず。仕方なく……という状況で東洋工業への就職が決まったそうだ。
入社して最初に担当したのは、大好きなトラック「タイタン」だったことも、この先に待つ、幸せな技術屋生活を予感させるものだったのかもしれない。
楽しいクルマを作りたいという情熱とともに「人馬一体」が走り出す!
初代ロードスターの開発は順風満帆とはいかず、いくつもの試練が待ち構えていた。前代未聞のライトウエイトスポーツカーの開発だっただけに、マツダの社内では手弁当でも参加したいと、当時の主査:平井敏彦氏のもとにエンジニアたちが集まった。その中のひとりに貴島氏がいた。
これより前に貴島氏がシャシ設計として関わったスポーツカーは、アクロポリスラリーに参戦するRX-7(1985年に3位入賞)。ここで磨かれたスポーツカー作りのノウハウをひっさげて、本来の業務であるFR系乗用車(ルーチェ、コスモ)のシャシ設計のかたわら、時間を作って初代ロードスターの開発に参加した。
潤沢な予算も人員もなかったが楽しいクルマを作りたい情熱は、どの部署にも負けなかった。FR、2シーター、オープンの3要素をマストとし、いかに心躍る1台に仕上げられるか試行錯誤が続いた。ここで掲げたコンセプトは「人馬一体」は、生き物のような温かみを持った存在であることを重視した。初代ロードスターで立ち上げたこのDNAは、現在もすべてのマツダ車に踏襲されている。
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