■キックスはすぅ~と走ります。
日産が2020年6月30日に発売したコンパクトSUVの新型「キックス」は、日本市場において日産が10年ぶりに投入するブランニューモデルです。
全車で日産の電動パワートレイン「e-POWER」を搭載しているモデルですが、実際のオーナーは、どのような部分を気に入っているのでしょうか。
キックスは、2016年から南米や北米、南アジアなどを中心に展開されるグローバルモデルとして販売され、国や地域によってガソリン車や4WD仕様が設定されています。
一方の日本市場では、ガソリン車や4WD仕様を設定せず、全車e-POWER搭載車かつ2WD仕様のみで販売されました。
同じくe-POWERを搭載する「ノート」や「セレナ」では、販売される約7割のユーザーがe-POWERを選ぶということもあり、キックスではe-POWER(2WD)のみとしたと日産は説明しています。
日本自動車販売協会連合会が発表している2020年10月度の販売台数は、3542台の17位にランクイン。
なお、発売当時の生産台数は月間3000台程度を想定していましたが、予想以上の反響により、11月上旬時点の納期は3か月待ちの状態。これによって今後は増産体制を図るため、月間販売台数は大幅に伸びることが予想されます。
キックスの外観デザインは、フロントフェイスに「ダブルVモーショングリル」や、特徴的な「フローティングルーフ」を採用。これにより、先進的なデザインとなっています。
ボディカラーはモノトーン9色+ツートーン4色を設定。ルーフに「ピュアブラック」に彩られているツートンカラーは、全体的に引き締まった印象を与えます。
コンパクトSUVながら使い勝手も考えられており、ラゲッジ容量は、コンパクトSUVのなかでもトップクラスです。
ラゲッジルーム部分だけでも900mmの奥行きを持つため、大型のスーツケースを2つ積み込めます。
パワートレインは、1.2リッター3気筒エンジンを発電用に搭載し、モーターで駆動する「シリーズハイブリッド方式」を採用しています。
また、ノート e-POWERに採用されているシステムと比べ、出力が最大約20%程度向上しているため、中低速トルクが高く、発進時や坂道でもストレスなく走行可能です。
さらに、日産が誇る運転支援技術「プロパイロット」を全車に標準装備。
これは、ミリ波レーダーによって周りの状況を把握し、ドライバーの運転をサポートしてくれるシステムです。また、歩行者対応の自動ブレーキや、自動でライトがハイビームやロービームに切り替わる「ハイビームアシスト」などもあります。
グレード体系は、エントリーモデルの「X」、よりカラフルな内装カラーを選べる「X ツートーンインテリアエディション」の2種類が設定されています。
価格は、「X」グレードが275万9900円、「X ツートーンインテリアエディション」が286万9900円です。
■実際キックスに乗っている人はどこが良くてどこがダメ?
では、キックスに乗っているオーナーは、どのような評価をしているのでしょうか。
外観デザインについては、「威風堂々としたフロントのダブルVモーショングリル、サイドビューは力強く、かつカッティングラインが何とも美しい」「コンパクトな割にワイルドな見た目でなかなかカッコいい」と、洗練されたデザインが高評価であるようです。
ただし、「不細工とまではいかないものの、リア側がやや寂しげに感じる」と、フロントのインパクトに対してリアデザインが釣り合わないと指摘する声もありました。
内装に関しては、「パワーウインドウのスイッチには安物感を感じた」「ドアの内張などプラスチッキーで、とても本体280万のクルマとは思えない」と、全体的に質感に関して気になるユーザーが多いようです。
ただし、「限られた予算内でそれなりの質感があるのは大したもの」「高級車ではないので内装まで完璧を求めない」との意見もあります。
また、「ツートーンのインテリアは明るい気分を引き出してくれる」と、ツートーンの内装に関しては高評価である意見もあります。
走行性能に関しては、「ノートと比べてe-POWERの性能が上がり、洗練された走りになっている」「3気筒エンジンなのでかなり静か」「低速時の周知音もカッコよく、高級車みたいな音がする」と、e-POWERのメリットをしっかり感じているオーナーの声が目立ちます。
ほかにも、「ワンペダルは便利で楽」「目的地までブレーキを踏んだのがエンジンスタートの1回だけだったことがある」と、アクセルペダル操作だけで加減速を操れるe-POWERならではの運転技術「ワンペダルドライブ」についての意見も多いようです。
※ ※ ※
オーナーの反応をみると、キックスは先進性がある外観デザインが高評価を得ているようです。
日本ではコンパクトSUV市場が激戦区となっており、さまざまなライバル車が存在しますが、そのなかでハイブリッド車に分類されるe-POWER車(2WD)のみという「選択と集中」のラインナップでどこまで頑張れるのかが、今後注目されます。
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