ダイハツのモータースポーツ活動がめちゃくちゃ積極的だ。コペンをWRCラリージャパンに送り込んで話題になったが、ターボを付けたミラ・イースやロッキーの存在も忘れてはいけない。その仕上がりを、理論派レーシングドライバーの中谷明彦が斬る!!
文:中谷明彦/写真:森山良雄
超~久々の登場!!!!!! レーシングドライバー[中谷明彦]がサーキットで試した ターボ装着の[ミライース]と[ロッキー]の評価は?
【画像ギャラリー】[コペン][ミライース][ロッキー]はキャラ違いの3兄弟!!! 中身は完全にレーシングカーだ!!!!(21枚)
■ダイハツがラリー活動に超~積極的
今回試乗は叶わなかったが、WRCラリージャパンではコペンがエントリー
Dスポーツ「ダイハツ・ガズーレーシング」は、モータースポーツを起点としたもっといいクルマづくりを掲げて活動している。モータースポーツの裾野を広げるべく、軽自動車やコンパクトカーをベースとしたモータースポーツ向け車両を製作し、ラリーを中心に活動をしているのだ。
その活動の一環として、ミラ・イースをベースに仕立てたラリー仕様車と、コンパクトSUVであるロッキーがベースのラリー仕様に試乗することができた。試乗会場は愛知県蒲郡市にある「スパ西浦モーターパーク」のサーキットコースだ。
近年のラリーは高速化し、SS (スペシャルステージ)はオフロードだけでなく舗装されたターマック路も多い。サーキットをS Sとしてタイムアタックする場合もある。したがって、ラリー車にはオン/オフ両方の性能が求められるのだ。
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■ラリーで鍛えて毎度アップデートを実施
ターボをつけて、トランスミッションはCVTから5速MTに変更。ブレースなど、ホームセンターで調達できるお手軽パーツを使用
まずはミラ・イースのラリー仕様に乗ってみる。すでに国内のラリーでは走行実績があり、改良も加えられているというが、まだまだ課題を克服している途中だという。果たして軽自動車のラリー車がサーキットどんな走りをするか楽しみだ。
車体外観を見ると細かな改良が施されている。フロントのラジエターグリルはグリルの一部を穴あけ加工し開口面積を増やしている。またエンジンフードにはエアインレットとアウトレットが追加されエンジンルームの熱を管理していることがわかる。
さらに、左右フロントフェンダーのAピラーに繋がるポイントにもエアアウトレットを設けていることから、熱問題に対処する必要があったと推測される。フロントホイールの内側に見えるブレーキはゴールドの6ポッドキャリパーを備え、ディスクローターはフローティングマウント。これなら対フェード性も高そうだ。
エンジンルームは熱対策のアルミ箔がターボのサクションパイプに張り込まれ、ストラットタワーバーも手作り感の高い試作品が組まれている。また、吸気口はアルミ板を加工したダクトを備える。軽自動車の狭いエンジンルームでは、いかに熱を効率的に管理するのかがカギ。加えて剛性も高める手段が講じられているわけだ。
その取り付け位置も形状もまだまだ開発途上。最終的な完成形ではないという。毎回ラリーを走るたびに形状が改良されて進化していくので、いつ完結するのか読めていないという実情もあるようだ。
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■電動アシストの効果に課題あり
サーキットを駆け抜けるミライースターボ
コクピットはロールケージが組み込まれ、バケットシートはフロント2席のみ。5速マニュアルトランスミッションゆえ3ペダルがは配置されていて、フットレストは踵を支える形状で体を支える重要なポイントとなっている。
メーターはオリジナルの液晶メーターだが、アナログのエンジン回転計を追加設置している。レッドゾーンは8000回転と表示されていた。
エンジンを始動して走り始める。クラッチは軽く操作でき、電動パワーステアリングも備わっていてピットロードでの操作性は問題ない。ただブレーキはノンサーボ。アシストがないので、低温では効かないし、かなり踏力が必要だ。
加速しながらコースイン。第一コーナーに向けステアッリングを切り込もうとすると、なんと電動アシストが効いていない。電動モーターの容量が小さく、機械式LSDによる操舵抵抗が大きいのでフェールセイフが入ってしまうようだ。
LSDは2ウェイでロッキングが強く、アクセルオンでもオフでも拘束力が強くてアンダーステアが強い。重いステアリングを切りましても向きは変わらない。外輪の回転数がLSDで内輪にも伝わってしまうので内輪差が吸収されず曲がらないだけでなく抵抗も相当大きい。
実はこういった乗り味は、オフロードを走行するラリー車の常識的なセットアップで引き起こされる。LSDで拘束力を強め、とにかくアクセル全開でパワーをかけ、トラクションをかけながら進行方向へ向かわせる。
サイドブレーキを引いたり、フェイントモーションなど派手なアクションを加えて乗りこなすのだが、そこまでのパワーは残念ながら出ていなかった。このハンドリングでターマックの細い林道を走るのは正直大変そうだ。加えて雨でも降ろうものならアンダーステアでコースアウト必須だろう。
これならノーマルデフで、パワステアシストを得られた方が全然乗りやすく早いはず。コースかダートのどちらがメインか。それともターマック主体かで判断は分かれるだろうが、冒頭に記した高速化には反している。
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■ロッキーの伸びしろには期待大
ロッキーの完成度には中谷明彦も太鼓判
次にロッキーを試乗。こちらは1Lターボでブースト圧を高め、パワーは軽自動車の倍ほどもあるだろう。また、電子制御カップリングを備えた4WDを採用している点もラリー向けと言える。トランスミッションは現状CVTだが、MT搭載の計画もあるそうで、実現すれば相当魅力的なモデルになりそうだ。
ロッキーはSUVで車高が高い。これまでのラリー車はスポーツカーベースであるのが普通だったが、昨今のSUVブームの影響を受けてラリーの中でもSUVカテゴリーが誕生。ロッキーはすでに、クラス優勝もしているという。
コクピットはバケットシートと大きなフットレストで体が支えられ、パワステの操舵アシストも有効で運転が楽だ。ATシフトレバーをDからSへ押し込むと、ラリーステージに適した4WDモードとなる。またラリー車専用アイテムとして電子制御のカットオフスイッチが備わり、これでABS以外の電子制御介入を防ぐことができる。
サーキットでもこれらは全て有効に機能した。4WDは加速路に4輪トルク配分が均等化され、ステアリングを操舵しても配分は変化しない。ターマックを考えるとステアリング操舵角に応じた前後配分を可能とするのが今後の課題と言えそうだ。
スパ西浦の短い直線で到達した最高速度はミラ・イースが115km/h程度。一方のロッキーは134km/hに達していて(メーター読み)速い。小さなミラ・イースは今後の熟成が重要だが、ロッキーはすでに戦闘力が高そうだ。
いずれにしても最小クラスを盛り上げる存在として、今後注目を集めることになるだろう。そしてラリーで磨かれた技術が市販車にもフィードバックされることで、理想的なモデルが誕生するサイクルが生まれると期待したい。
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