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発売から半年で絶好調!! スズキ新型ソリオの確かな実力と人気度をじっくり検証

掲載 更新 39
発売から半年で絶好調!! スズキ新型ソリオの確かな実力と人気度をじっくり検証

 2020年11月25日にフルモデルチェンジして2代目にバトンタッチしたスズキの新型ソリオが好調の販売推移を見せている。

 月販目標を5000台に設定したのに対して2021年1~5月の月販平均(登録実績)は4948台(前年同期実績146.8%)。ほぼ計画どおりの台数で推移しているわけだが、ただこの数字は実際の人気の高さに比べるともの足りない印象もあり、説明を加える必要がある。

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 以下、スズキ販売店に取材した、ソリオ人気の高さと強さの要因について、流通ジャーナリストの遠藤徹氏に伺った。

 なお余談ですが、本企画担当編集者は、新型ソリオ成功の秘訣は、吉沢亮さん&橋本環奈さんによるキュートなダンスと、「ソ、ソ、ソーリオ♪」と異様に耳馴染みのよいフレーズで印象深いTVCMにあると睨んでおります。

文/遠藤徹 写真/SUZUKI、ベストカー編集部

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■発売からおよそ半年が経過 好調に売れている新型ソリオ

2020年11月25日にフルモデルチェンジを発表、同年12月4日に発売された新型ソリオ(左)と新型ソリオバンディット(右)

 新型ソリオの場合、現状では「月販平均約5000台」という受注実績どおりに生産ができない状況にあるそう。

 販売店での説明によると、(販売現場での人気の高さに対して)サプライヤーからの半導体部品の供給遅れ、インド工場から輸入される一部部品が現地の新型コロナウイルス蔓延の影響で国内の相良工場での組み立てがスムーズに出来ないという。

 このため2021年6月上旬現在の納期は半年後以降となり、大幅に遅れている。したがって、推定バックオーダーは3万台に達している。現在までの受注分をフル稼働で組み立てることができたら、月間1万台前後売れているだろうと言ってもいいすぎではないスタートダッシュぶりである。

 現行2代目の人気要因は「新型になり質感を上げ、サイズアップさせたことで室内が広くなり、使い勝手を大幅に向上させた。改良型のマイルドハイブリッドユニットの搭載で、静かで加速性に優れた走りが実現出来ている。安全対策もより充実させている。」(首都圏スズキ店営業担当者)とコメントしている。

■新型からはストロングハイブリッドが消滅

先代ソリオにはマイルドハイブリッドに加え、EV走行が可能なストロングハイブリッドが用意された。新型はマイルドハイブリッドに一本化された

 新型ソリオはノーマルタイプと個性派タイプである「バンディッド」の2シリーズ構成となっている。ふたつの個性を持つフロントマスクで分けており、今回はノーマル3タイプ、バンディッド1タイプを設定している。

 バンディッドは(初代に設定のあった)EV走行可能なストロングハイブリッドを廃止し、改良型のマイルドハイブリッドに絞って搭載しているが、これまでの受注実績ではノーマルタイプのほうが70%程度と、高い構成比となっている。

 ノーマルタイプはNAエンジン1とマイルドハイブリッドユニット車2の合計3グレードなのに対して、バンディッドはマイルドハイブリッドエンジン搭載車1タイプであるのと、フロントマスクのデザインに好き嫌いがある、より個性的な顔立ちのために、シンプルな外観で仕立てたノーマルタイプのほうが人気は高くなっているようだ。

 発売当初、「EV走行可能なストロングハイブリッド車の廃止は新型ソリオの販売にマイナスの影響があるのではないか」と言われていたが、フタを開けてみると実際はそうではなく、大幅なプラス推移になっている。

 首都圏のスズキ販売店筋によると、「初代ソリオに設定していたストロングハイブリッドは1モーター&リチウムイオンバッテリーを組み合わせていたが、マイルドハイブリッドに比べて車両本体が20万円も高いのに、実走行燃費は1~2km/L程度しか延びていなかった。それにトランスミッションがマニュアルベースの2ペダル方式であり、変速ショックに違和感があったために、あまり売れ行きがよくなかった」という経緯がある。

 このために改良型のマイルドハイブリッドにしたほうがベターな売れ行きの推移となっている。

■新型ソリオの強みはモーターアシストが生み出す余裕の走り

 ライバルのトヨタ・ルーミー/ダイハツ・トールとの商品性の比較ではどうか。

 初代モデルでは室内の広さや使い勝手で負けている面があったが、今回の2代目ではサイズアップ、クオリティアップしたことで、室内の広さ、使い勝手では互角かそれ以上となった。

 優れているのは搭載するパワーユニットによる走りのポテンシャルの高さである。ルーミー兄弟は3気筒1リッターNA&同ターボなのに対して新型ソリオは4気筒1.2リッターNA&同マイルドハイブリッドユニットであるから、モーターアシストによる高トルクでの走りの良さ、静粛性、滑らかさで分があり、これが売りとなっている。

先代から全長を最大80mm延長し、後席の足元空間と荷室床面長を拡大した

 ルーミー単独では月販1万台以上をコンスタントに売り、登録乗用車の銘柄別ランキングでは2位をキープするほどのヒット作となっている。月販5000台規模のソリオとの差は大きいように見えるが、しかし前述のようにソリオが多数のバックオーダーを抱えているのと、トヨタ全系列店とスズキ店のセールスパワーの違いを加味すれば、両モデルは互角以上の戦いをしているともいえる。

 価格帯は車両本体でソリオが158万1800~214万8300円に対してルーミーは155万6500~209万円でほぼ同じである。

 首都圏にある某スズキ店で売れ筋のソリオMZFF有料色のピュアホワイトパール、全方位カメラ付き(車両本体価格223万1900円)にフロアマット、ワイドバイザー、8インチナビ、カメラコントローラーキット、ETC、ドライブレコーダーなど約30万円のオプション&付属品を付けて弾いてもらうと、法定、法定外費用を含めて270万円弱と出た。

 値引きの初回提示額は総額から20万円程度と、発売したばかりの新型車にしては好条件といえる。

 ネッツ店扱いのルーミーに同じポジションのグレードに同レベルの装備品をつけて弾いてもらったら、初回の値引き回答は15万円程度と、ソリオより5万円程度渋い結果が提示された。

 こうした現場レベルでの比較を見ても、買い得感はソリオのほうが高いといえるだろう。

■「販売実績は歴代のスズキ登録車でトップクラス」証言1:首都圏スズキ店営業担当者

 新型ソリオは歴代スズキ小型車ではトップレベルの売れ行きとなっている。納車遅れがなかったら、月販8000台以上の登録台数を達成してもおかしくない状況で推移している。今現在で受注しても半年以上待たされる状況にある。

 今年12月以降になってしまうが、コンピュータで正確に出ないため、お客さんには「およそ半年待ち」としか伝えられない状況にある。下取り車は従来ソリオの他、同クラスの他銘柄コンパクトカー、軽自動車のワゴンR、スペーシア、同クラス他銘柄軽自動車などが多い。

■「生産は遅れているがキャンセルは少ない」証言2:首都圏スズキアリーナ店営業担当者

ボディサイズは全長3790mm×全幅1625mm×全高1745mm。運転のしやすさと広い室内の両立を図った

 新型ソリオの納期が半年待ちになっているのは人気の高さに加えてコロナ禍や部品工場の火災による半導体部品の供給遅れ、インドでの新型コロナ蔓延による部品の先送りなどの影響によるものだ。

 受注そのものは初代モデルを大幅に上回っている。長く待たされてもキャンセルせず、待っていてくれているお客さんが大部分なので助かっている。

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みんなのコメント

39件
  • 現行ソリオは4代目なんだけど・・・
    記事を読むと、先代が初代で現行が2代目になっていますね。
    勘違いだと思いますが・・・
  • CMのインパクトは知名度向上には役立っているが、イザ購入となると200
    万以上の出費となる自動車選びは、カタログ比較でのスペックや横幅 リア居住空間、静寂性、無難な顔つき、手頃な価格などライバルとの比較対象で勝っていることが販売台数に結び付いていると思う。CMの良し悪しはそれほど購入動機には影響していないのでは!?
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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