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日本の小説が原作!!「ハリウッド風ニッポン」をアウディと新幹線が走る!! 映画「ブレット・トレイン」

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日本の小説が原作!!「ハリウッド風ニッポン」をアウディと新幹線が走る!! 映画「ブレット・トレイン」

 この秋大注目の娯楽大作が、2022年9月1日公開の『ブレット・トレイン』だ! ハリウッド大作映画であるが、原作はなんと伊坂幸太郎氏によるもの。

 アウディRS e-tron GTなどが登場するカーアクションなど見所いっぱいの最新作をご紹介しよう!

日本の小説が原作!!「ハリウッド風ニッポン」をアウディと新幹線が走る!! 映画「ブレット・トレイン」

文/渡辺麻紀、写真/ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント

■伊坂幸太郎原作の小説がハリウッドで映画化!

新幹線のデッキに佇む殺し屋「レディバグ」(ブラッド・ピット)。目立たないように地味な格好をしているが、「ブラピ」が持つ華は隠しようがない

 『アヒルと鴨のコインロッカー』や『ゴールデンスランバー』等、何本もの作品が映像化されているベストセラー作家、伊坂幸太郎。娯楽性が高いためなのか映画との相性がいい印象が強く、それを証明するかのように今度は何とハリウッドで映画化された。

 それもブラッド・ピット主演のアクション大作、2010年に発行された『マリアビートル』の映画化『ブレット・トレイン』だ。

 舞台となるのは東京から京都へと向かう“ブレット・トレイン”の車内。“ブレット・トレイン”は直訳すると「弾丸列車」となり、タイトルには「弾丸列車」の漢字表記が英文と並んで登場する。

 本作では車内に「日本高速鉄道」という表記が出てきて、新幹線とは謳っていないのだが、欧米では新幹線=ブレット・トレイン。かの新幹線を使った日本映画『新幹線大爆破』(75)も英語タイトルは『The Bullet Train』だったりする。

 その新幹線のなかで大変な目に遭うのが、ブラッド・ピット扮するコードネーム、レディバグ(てんとう虫)。殺し屋の彼は、とあるブリーフケースを盗み出して欲しいという依頼を受け新幹線に乗り込む。

 ところが、簡単にケースを見つけ出せたものの、なかなか下車出来ない。というのも、その列車には、なぜか殺し屋ばかりが乗っていたからだ。

 というわけで、殺し屋稼業とおさらばしたいセラピー通い中のレディバグを中心に、殺し屋たちの大騒動が描かれる。当然ながら、殺し屋はクセモノ揃い。白人&黒人の英国人兄弟殺し屋、復讐に燃える殺し屋、猛毒を扱う殺し屋、美少女の殺し屋等が、さまざまな思惑を抱えて狭い新幹線のなかを動き回る。

 行動領域は狭いものの、会話は豊富で、その言葉の数々と回想エピソードから彼/彼女たちの目的やプロフィールが伝わって来る構成。

 もちろん、極めて異常なシチュエーションであり、ヴァイオレンスも山盛りかつリアルなのだから、そういう点でいうと、クエンティン・タランティーノっぽいノリがあるかもしれない。

■ハリウッド映画の中の「ニッポン」にリアリティは要らない!?

ハリウッド映画の中に出てくる日本は、日本人が一度も見たことのない、しかし日本人が一度は行ってみたい不思議なニッポンだ

 また、原作は当然、日本人が主人公なので日本の描写的にはノーマルなのだろうが、本作はハリウッド製で登場人物も基本、欧米人。なので、次々と奇妙なニッポンが登場して笑わせてくれる。

 各停車駅には仮面をかぶったフル武装のヤクザ軍団が待機し、いかにもニッポン的な被り物のキャラクターが登場し、おねえさんによるワゴンの車内販売があり、今では見なくなった食堂車も登場する。

 そして、トイレに立てこもったブラピはあらゆる機能を満載したスマートトイレに翻弄されまくり! 新幹線を遊び倒していると言っていいかもしれない。

 さらに、バックに流れる曲も日本を意識したものが多く、日本人的には「こう来たか!」の連続。『サタデー・ナイト・フィーバー』(77)で知られるビージーズの『ステイン・アライヴ』も使われているのだが、歌っているのは女王蜂のボーカル、アヴちゃんで、一部日本語で美声を披露。

 その一方では、奥田民生が映画のオリジナルソングを熱唱し、カルメン・マキのアノ曲や、坂本九の懐かしいアノ歌、そして映画『フットルース』(84)の主題歌、ボニー・タイラーの大ヒット曲をカバーした麻倉未稀の『ヒーロー』がドラマチックに使われている。

 早い話がもうごった煮状態! でも、それが弾丸状態で疾走するブレット・トレインにはちゃんとマッチして、ハラハラ感&笑いが止まらない!

■大作映画に出ずっぱりのアウディ

前回ご紹介した『グレイマン』にも登場していたアウディ RS e-tron GT。最近のアウディは映像作品への登場に力を入れているのだろうか? 確かにヒット作への登場は宣伝効果が高い

 さてそこで、問題となる車はアウディ。それも前回ご紹介した『グレイマン』でも大活躍していたアウディの新しい顔、アウディ RS e-tron GTだ。『グレイマン』ではヨーロッパの古い街並みを疾走していたアウディが、今度は日本にお目見え。アクション映画×アウディのコラボレーションが続いたかたちだ。

 本作ではどのシチュエーションで、どういう風に登場するのかが気になるところだが、それは映画を観てのお楽しみ。ピッカピカの車を目にしたブラピが思わず「Nice Car!」と呟くくらいスタイリッシュかつ颯爽と現れるものの、その扱い方はいかにも本作らしいウィットに富んだものとだけ言っておこう。

 ちなみに、『グレイマン』でこの車に乗っていたのはライアン・ゴズリング。そして本作では……それでもぜひ、劇場で確かめて欲しい。

 また、本作の中盤ではカーアクションがあり、そこで登場するのはベンツ、BMW、そしてアウディというなぜかドイツ車ばかり。アクションが速すぎて車種まで判別できなかったが、ドイツの名車が大乱闘を繰り広げる。

 新幹線を思い切り遊び、アウディの美しさにため息をつき、その意表を突いた扱い方に爆笑する。いろんなお楽しみが詰まった、さすがハリウッド的なサービス満載の映画なのだ。

●解説●

 「列車からブリーフケースを奪ってほしい」。いつものマリアからそんな依頼を受けた殺し屋レディバグは東京発の高速鉄道に乗り込む。

 思いのほか簡単にケースを探し出したレディバグは品川で下車しようとするが、なぜかメキシコの殺し屋が乗車し、自分に襲い掛かって来た。どうも相手を間違えているようなのだが、実はこの列車には世界各国から多くの殺し屋が乗車していたのだ。

 原作では東北新幹線だったが、映画では東京から京都の東海道新幹線にチェンジ。また原作にも登場する殺し屋コンビ、蜜柑と檸檬はタンジェリンとレモン、キーキャラクターの王子は女子に代わり、名前はプリンス。

 また、原作にも登場する木村の父親を真田広之が演じ、見事なソードアクションを見せてくれる。これも日本人的には嬉しいプレゼントだ。

 監督は『デッドプール2』のデヴィッド・リーチ。スタントマン出身のリーチは、『ファイト・クラブ』(99)、『オーシャンズ11』(01)、『トロイ』(04)等で長年にわたりブラッド・ピットのスタントダブルをやってきた人。

 だからなのか『デッドプール2』(18)にピットがカメオ出演し、本作でやっと監督×主演というかたちでのコラボレーションが実現した。

 カメオ出演つながりで言うと、ピットがカメオ出演した『ザ・ロストシティ』のヒロイン、サンドラ・ブロックが本作では彼に指令を送る依頼人マリア役。また同作のもうひとりの主演チャニング・テイタムが絶妙なシチュエーションでカメオ出演して爆笑させてくれるのも嬉しい。そ

 して、もうひとつ大きなサプライズも用意されている。キャスティングでも遊びまくっている映画なのだった。

*   *   *

『ブレット・トレイン』(原題:BULLET TRAIN)
・日本公開:2022年9月1日(木)全国の映画館で公開
・原作:伊坂幸太郎「マリアビートル」(角川文庫刊)
・監督:デヴィッド・リーチ ・脚本:ザック・オルケウィッツ ・音楽:ドミニク・ルイス 撮影監督:ジョナサン・セラ
・製作:ケリー・マコーミック/デヴィッド・リーチ/アントワーン・フークワ
・エグゼクティヴ・プロデューサー:ブレント・オコナー/三枝亮介/寺田悠馬/カット・サミック
・キャスト:ブラッド・ピット、ジョーイ・キング、アーロン・テイラー=ジョンソン、ブライアン・タイリー・ヘンリー、アンドリュー・小路、真田広之、マイケル・シャノン、バッド・バニー(ベニート・A・マルティネス・オカシオ)、サンドラ・ブロック
・2022年/アメリカ映画/上映時間:2時間6分

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みんなのコメント

2件
  • 欧米映画は主演がアウディよく使ってるよね
    アイアンマンのトニー・スタークがR8乗ってるのがカッコ良かった
  • イートロンGTはシンプルにカッコイイね。
    人柱としてミッション搭載や800Vにポルシェとともにいち早く導入したりなかなかアグレッシブに攻めた一台。
    レース界の名門でEVスポーツでも突出した存在だから映画にも起用されるのだろう。
    テスラじゃ絵にならないもんね。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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