世界に1台しかない“特別な”センチュリーがサプライズで出没!? 1月11日から開催されている「東京オートサロン 2019」の会場に、黒塗りのセンチュリーが突如登場。実はこれ、当初予定されていなかったもので、箱根駅伝でも話題となったセンチュリー GRMNだった。
箱根駅伝に登場したのは“白い”センチュリー GRMNだったが、会場に展示されたのは色違いの“黒い”センチュリー GRMN。まだ市販されていないセンチュリー GRMNは世界に何台あるのか? そのベールに包まれた真相を、ついにトヨタの友山茂樹副社長もコメント。さらに独自取材によって、この黒いセンチュリー GRMNの知られざる全容も見えてきた!
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センチュリーGRMNは世界で何台あるか論争に決着
今年の箱根駅伝で話題となった白いセンチュリー GRMN。先頭を走るランナーの脇を支える姿が幾度となく中継の映像にも捉えられ、「おや?」と思った方も多いだろう。
センチュリー GRMNが公の場に姿を現わしたのは2018年9月のことだった。自動車工業会の定例会見で豊田章男社長を乗せ、颯爽と登場。その前後にも目撃談が多数報告されていたが、ほとんどは“白い”センチュリー GRMNに関するものだった。
一方で「もう一台、黒いセンチュリーGRMNも存在する」という目撃談もあったものの、トヨタ自身がこの特別なセンチュリーに関して公式なコメントを出していないため、世界に何台ある車なのかはハッキリとしていなかった。
そんななか、東京オートサロン 2019で当初出展車リストになかったセンチュリー GRMNが登場。
「本日はサプライズで、もう一台の“黒い”センチュリー GRMNを展示させていただきました」とプレスカンファレンスの冒頭で語った友山副社長の口から、センチュリー GRMNは世界に白と黒の2台しかないことが明かされた。
ちなみに、世界に1台しかない“黒い”センチュリー GRMNは「豊田ナンバー」。対して、箱根で走った“白い”センチュリー GRMNは「品川ナンバー」の車両だ。
見た目だけじゃなかった! センチュリーGRMNの“特別な中身”
センチュリーは昨年、21年振りにフルモデルチェンジを行ったトヨタの最高峰セダン。そして、センチュリー GRMNは、それをベースに作られているものの、市販されていない“一点モノ”。それだけに詳細はベールに包まれていたが、会場で取材を進めるとディティールが見えてきた。
写真でわかる部分では、フロントグリル内に「GRMN」のバッジが見え、ボディ下部にエアロパーツが装着されている程度と、比較的控えめな印象に見える。しかし、実はこのセンチュリー GRMN、車の中身に関わる部分も専用スペックになっているという。
現地の車両解説員に聞けば、なんと足回りは専用チューニングで「後席の快適性に最適化した標準車とは違い、ドライバーファーストのスポーティなセッティング」になっているとのこと。足回りは締め上げられ、「ステアリングを切ると明確に分かるくらいハンドリングはシャープになっている」という。
さらにタイヤを見ると、サイズは標準の225/55 R18に対して、センチュリー GRMNは245/45 R19と1インチ大きいものを装着。BBS製アルミホイールの隙間からは大型のブレーキキャリパーも見える。
これについて尋ねると「前輪は19インチ(のタイヤ)に合わせて大型ブレーキキャリパーを装着しています」とのこと。聞けば、このキャリパーは先代レクサス LSの「Fスポーツ」に装備されていたものと同じ、ブレンボ社製の大型キャリパーだという。
ちなみに、パワーユニットは標準センチュリーと同じ5L・V型8気筒エンジン+モーターのハイブリッドでスペックも特に変更されていないとのことだった。
社長専用? センチュリーGRMNは普段どう使われている?
さて、世界に白と黒1台ずつしかなく、中身も特別なセンチュリー GRMNだが、普段どのように使用されているのか? さらに取材を続けると2台の使用実態が見えてきた。
先に触れたとおり、“黒い”センチュリー GRMNは「豊田ナンバー」。厳密に言うと社長専用ではなく、豊田章男社長を含め「副社長級の6~7人が(豊田の本社で)普通に使っています」とのこと。
よ~く、車の足元を見ると履いているタイヤはスタッドレスで、これも「実は3日前まで普通に社用車として使っており、2日前にこちら(幕張)に搬入したから」なのだとか。
“白い”センチュリー GRMNも同じように役員車として使用されていて、こちらはナンバーの「品川」が示すとおり、主に東京本社用。「黒は愛知」、「白は東京」とそれぞれの拠点で上層部のアシとして日々活躍しているという。
気になる市販化については「現時点では計画していない」とのことだが、世界に白・黒1台ずつしかないセンチュリーという珍しさもまた、ファン心をくすぐる要素かもしれない。
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