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ホンダの「V8スポーツカー」!? 500馬力超えの「FRマシン」! “NSX後継機”目された「HSV-010」とは

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ホンダの「V8スポーツカー」!? 500馬力超えの「FRマシン」! “NSX後継機”目された「HSV-010」とは

■NSXの後継車でありながら、市販されなかった「HSV-010」

 ホンダ「NSX」には初代と2代目が存在しますが、その間に「後継車」と目されたスポーツカーがいくつか開発されていました。
 
 そのひとつ「HSV-010」とは、どのようなクルマだったのでしょう。

【画像】超カッコイイ! ホンダ 「HSV-010」を画像で見る(13枚)

 数あるホンダのスポーツカーの中でも、NSXは性能的・存在的にもイメージリーダーと呼んでも過言では無いでしょう。

 初代は、日本初の本格的なスーパースポーツカーとして1989年に誕生。1990年から2005年に販売されました。

 その7年後となる2012年には、デトロイトショーでホンダ「NSXコンセプト」が公開され、2015年には市販型を2代目NSXとして発表。北米では2016年から、日本では2017年から発売がスタートするも、2022年で販売が終了しています。

 なお、初代・2代目ともに、北米では「アキュラ」ブランドから販売されていました。

 このように初代と2代目の間には少なく無いブランクがありますが、実は「初代NSXの後継になる可能性があったクルマ」は、いくつか出現しています。

 まずは、2003年の東京モーターショーに展示されたコンセプトカー「HSC」です。NSX と同様にエンジンをミッド搭載したスポーツカーで、デザインや排気量、サイズの近似性により「NSXの後継車」と噂されるにふさわしい内容を持っていました。

 2005年には、HSC以外のNSX後継モデルを開発中であることをアナウンスしたホンダは、2007年のデトロイトショーで「アキュラ アドバンスド スポーツカー コンセプト(Acura Advanced Sports Car Concept)」を発表しました。

 アキュラ アドバンスド スポーツカー コンセプトは、ホンダが正式に「NSX後継モデル」とうたったスポーツカーで、2010年の市販を目指していました。

 エンジンは巨大な5リッターV10で、しかもフロントに搭載するためにボディはロングノーズのスタイルに。駆動方式には後輪駆動をベースとしたSH-AWD(Super Handling All-Wheel Drive:四輪駆動力自在制御システム)を採用するなど、V6エンジンのミッドシップカーだったNSXやHSCとは設計が大きく異なっていました。

 その一方でアキュラ アドバンスド スポーツカー コンセプトの登場は、HSCが次期NSXとならないことも意味していました。

 しかし2008年12月にホンダ本社で行われた記者会見で、同社は世界的な金融危機による売上高の下方修正を理由として、アキュラ アドバンスド スポーツカー コンセプトの開発中止を発表。NSX後継車の登場が危ぶまれる事態となりました。

 ところが、アキュラ アドバンスド スポーツカー コンセプトはまさかの方法で命脈を保つことに。それはなんと、国内最高峰の自動車レース「SUPER GT」の参戦マシンという道でした。そのマシンのベースは「HSV-010」と呼ばれるようになりました。

 ホンダでは、SUPER GTの上位カテゴリーである「GT500クラス」に、初代NSXベースのレーシングカー「NSX-GT」を2009年まで使用していました。この代替に選ばれたのが、「HSV-010 GT」だったのです。SUPER GTにおいて、市販されていないクルマがベースとなったのはたいへん珍しい例となりました。

 HSV-010 GTの外観は、アキュラ アドバンスド スポーツカー コンセプトのロングノーズスタイルや特徴的なテールライトの面影を残していましたが、フロント周辺やウィンドウグラフィックは大きく変更。落とされた車高や張り出したオーバーフェンダー、前後スポイラーによって、レーシングカーらしい姿に変身していました。

 NSX-GTよりも乗りやすいと評されたHSV-010は、初投入された2010年に参戦初年にして18号車のウイダーホンダレーシングがドライバー部門とチーム部門の双方でタイトルを獲得するなど、目覚ましい活躍を見せました。

 エンジンは3.4リッターV8の「HR10EG」で、最高出力は500ps以上を発生。独特の甲高いエンジンサウンドは、サーキットに来場した多くのファンを魅了しました。2014年からは、「NSX CONCEPT-GT」がベースの「NSX-GT」にスイッチしたため、2013年を最後に、参戦を終えています。

※ ※ ※

 NSXの後継車でありながらフロントエンジンで生まれ、しかも市販化されずにレースマシンになったという稀有な存在のHSV-010。路上を走る市販型の姿を見たい、と願った人も多いのでは無いでしょうか。

 3代目のNSXを含め、ホンダにはぜひ再び、胸躍るようなスポーツカーを生み出してほしいと感じました。

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みんなのコメント

25件
  • mk5********
    会社で一番売れているのが軽で不況も重なればスポーツカーは出せないという判断
    は正しい どうせならシビックタイプRにSH-AWDモデル作って欲しい
    でも一度だけでもホンダのV8乗ってみたかったな 残念でならない。
  • あず
    要するに繋ぎだった。GT500も特別に許可された。他のメーカーはそんな事一度もない。
    次はシビックタイプRを投入、フラッグシップがシビックとは情けない。
    レースを存続したいのは理解するが、参戦する車両がないなら参戦をさせないのも正義。
    昔からこのカテゴリーは新車投入したら、その車両がチャンピオンになっている。そんなに新車が有利なのもおかしい。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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