1980年代から1990年代にかけてのFRスポーツカー黄金期に、人気を集めていた日産「180SX(ワンエイティエスエックス)」。
S13型シルビアの姉妹車として1989年5月に誕生した180SXは、走り好きの若者に大いに支持され、大きなモデルチェンジをうけることなく、約10年という長い期間、販売されていた。
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いまでも中古車市場で人気の高い180SX、根強い人気を誇る180 SXの魅力をご紹介しよう。
文:吉川賢一
写真:NISSAN
【画像ギャラリー】90年代のFRスポーツカー黄金期の名車!! 「180SX」を写真で詳しく
モデルチェンジはなかったが、3つの世代で少しずつ違う
1998年5月にデビューした180SX。当時、廉価なNAエンジンもラインアップしていたS13シルビアに対して、180SXは排気量1.8L直4のCA18DET型ターボエンジン(最高出力175s/6400rpm、最大トルク23.0kgfm/4000rpm)のみという、スポーツ寄りのキャラクタで登場し、若者を中心に大ヒットする。
約10年間、という長い間販売された180SXだが、前期(1989年5月~)、中期(1991年~)、後期(1996年~)の3世代に分けられ、エンジンやデザインが世代ごとに少しずつ異なる。
S13シルビアの姉妹車として、1998年5月に登場した180SX(写真は前期型)
リアハッチバックやテールランプなど非常にシャープなデザインの前期型。後期の丸目テールランプよりよりも、前期型を好む方も多かった
中期型で人気が爆発
1991年1月に行われた、一度目のマイナーチェンジで、エンジンが排気量2.0LのSR20DET型2L直4ターボエンジン(205ps/6000rpm、28.0kgfm/4000rpm)へ置き換えに。これによって、最高出力が205psにパワーアップしたことで、180SXの人気はさらに加速する。
姉妹車であるシルビアは、1993年にS14型へとフルモデルチェンジ。180SXもすでに5年を経過していたことから、モデルチェンジか終了(統合)となると思われたが、そのまま継続された。大絶賛されたS13型シルビアに対し、後継であるS14シルビアの評判が思いのほか良くなかったこと、そして、180SX中期型の売れ行きが想定外に良かった、ということも背景であったようだ。
1991年以降の中期型。すっきりとした印象のフロントセクションとなった
中期型で採用された205psを発生するSR20DET。前期のCAエンジンは175psなので、30psもパワーアップした
後期ではエクステリアが一新
1996年8月のマイナーチェンジではエクステリアの大変更が行われている。フロントバンパーとリアバンパーの形状が更新され、リアコンビネーションランプが丸型4灯風になり、大きなリアウィングが搭載された。ホイールも更新し、スカイラインと共通のデザインとなった。また、廉価グレード用に、NAのSR20DE(最高出力は140psと控えめ)が追加されている。
1996年以降の後期型180SX。フロントバンパー形状やウィンカーとフォグの位置が更新されている
リア周りも大変更。丸目4灯風のテールランプと、巨大なリアウィングが特徴
前期型(1989年)のインテリア
後期型(1996年)のインテリア。前期型とは、エアバッグ搭載されたステアリングホイールや、エアコンの操作盤が異なる
前期型の前席シート
後期型の前席シート。ヘッドレスト一体型から通常のヘッドレスト分離タイプへと変更されている
憧れのスポーツカーを手軽に楽しめた
S13型シルビアと180SX、どちらもシャシーは共通で、デザイン違いという関係ではあったが、シルビアの方はオシャレに乗りこなすデートカーとしてもヒットしていたのに対し、180SXの方は、もっと「硬派な走り」に憧れた者に好まれるデザインであった。そのため、現存する180SXのほとんどが、必ずと言ってよいほど、手を加えられている。
180SXは、ターボエンジンと5速MT、そして5ナンバーサイズというスペックに加えて、リトラクタブルヘッドライトやリアハッチバックのデザインが、どことなくフェラーリにも似たスタイリッシュさがあり、それらが当時の若者から支持された大きな理由であろう。
当時の新車価格は約200万 ~ 250万円。決して安くはないが、頑張れば20代で買えない価格ではなかったし、数年落ちの中古車なら100万円代のタマがあった。
衝突安全性への規制が厳しくなかった時代だったからこそ、ここまで低いノーズにすることができていた
最終的には、1998年12月にS15型シルビアに統合される形で生産終了となった、180SX。180SXに限ったことではないが、この当時のFRスポーツカーには、乗り込んだ時の視界の低さや、手が届くところにタイヤがあるような感覚など、最近のクルマではほぼ味わうことができないものがあった。
筆者が日産に入社して間もない新人のころ、会社の運転訓練の一環として、ロールゲージが組まれた180SXとP11プリメーラでのジムカーナ走行訓練があったが、あのときの運転の楽しさは、いまだに残っている。プアなタイヤならではの操る難しさは、まさにスポーツカーの醍醐味だった。こう考えると、あの時代を知らない若者がクルマから離れていくのは、仕方のないことなのかもしれない。
筆者の知人にも、180SXをチューニングして乗っていた人が多くいて、タイヤホイールのインチアップと車高調の交換は大前提として、エアロパーツ装着やエンジンチューニングまで施された180SXが、日産の社宅の駐車場にゴロゴロしていた。
というのも、当時の日産車の純正足は、バウンドストロークを確保するために、タイヤ上端からフェンダーまでの隙間が広く、車高も上がっていて腰高感があり、ダサかったのだ。しかしこれらを自分好みに仕立てていくのも、180SXの楽しさでもあった。
◆ ◆ ◆
もうこのようなモデルが、市販されることはないと思うと、当時を知るものとしては、残念で寂しい思いだ。将来的にクルマをどう楽しむか、クルマを楽しむ文化をどう伝えていくかは考えなければいかないことではあるが、いまならばまだ乗ることができる。あのころのあのモデルが欲しい、と思っている方は、いまのうちだ。
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