スーパーカーの象徴であり、自動車史、自動車デザイン史に名前を残したランボルギーニのカウンタック。もはや語り尽くされた感もある、超有名なクルマだが、結局なにが素晴らしかったのだろうか? 多くの関連スタッフに取材してきた識者に、改めてその凄さを考察してもらった。
文:越湖信一/写真:ランボルギーニ
【画像ギャラリー】どう考えてもカッコよすぎる!! カウンタックを隅々写真で見て、見て、見て!!!!!(6枚)
■尖ったデザインなのに16年も販売が続けられた
世界中のクルマ好きを虜にし、スーパーカーブームを各地で巻き起こす大きな要因となったカウンタック。デビュー後、幾度の仕様変更を繰り返し16年間販売が続けられた。
ランボルギーニカウンタックは1971年にデビューを飾った。しかし運悪く1972年に世界のスポーツカーマーケットを崩壊させたオイルショックに見舞われ、社の経営が大混乱。結局のところ生産が始まったのは1974年のことであった。
しかしカウンタックの最後期モデルたる25thアニバーサリーが生産終了したのは1990年。なんと16年もの間生産が続いたわけだ。「カウンタックの凄さその1」は、まずとんでもなく長かった生産期間である。「そんなに凄いこと?」と思う人もいらっしゃるかもしれない。
しかし、流行に左右されない実用的なものが長きに渡って作られるのは解るが、カウンタックのような尖ったスタイリングを持つ趣味性の高いスポーツカーがここまで長く生産されるのは極めて希なことなのだ。
実際、1990年の時点で生産終了したのも、当時の安全基準適合のタイムリミットのためであった。もし、それがなかったらもっと生産は続いたかもしれないと当時のランボルギーニ チーフエンジニア、ルイジ・マルミローリは語っている。
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■ミウラでの成功を引っ張らなかった英断
カウンタック以上に神格化されているミウラ。ランボルギーニの名前を世界に広げた、まさにブランドのシンボル的存在。生産期間は1966年~1973年。
さて、そんな長きに渡るライフタイムを持つことができたのもマルチェッロ・ガンディーニによる、類を見ないユニークなスタイリングあってのことだ。
自動車史を振り返ってみて、似たようなウェッジシェイプ(くさび形)のスタイリングのモデルは存在していたが、カウンタックのそれは余りにユニークである。
カウンタックの前身は、同じガンディーニが手がけたミウラである。しかし、スペック、スタイリング共に全くキャリーオーバーしたところはない。ミウラは横置きミッドマウントであるのに対して、カウンタックは前後を逆にレイアウトした縦置きミッドマウント。
スタイリングもミウラが曲線を活かしたクラシカルなイメージを持つのに対して、カウンタックは直線基調の極端なウェッジシェイプだ。
ミウラは1966年に発表され、世界中に大ブームを巻き起こした。たかだか創立して3年あまりしか経っていない新興メーカーが、同じカテゴリーの王者であるフェラーリをして、打倒ミウラとまで思わせる影響力をもった大ヒット作となった。
普通ならば、そんな成功作を作りあげたなら、そのイメージを何らかの形で踏襲した後継モデルを開発すると考えるはずだ。
しかし、ランボルギーニは大ヒット作である過去を潔く全て捨てて、新しい未来へ挑戦したというわけだ。これが「カウンタックの凄さその2」である。
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■実は非常に先見的だった生産体制
500S、QV(クアトロバルボーレ)、写真の25thアニバーサリーと進化し続けたカウンタック。最終生産モデルはランボルギーニミュージアムに展示されている。
前述したように、カウンタックはその生産開始までの間に、オイルショックという経営を大きく揺るがす大事件が起こり、長い準備期間を要した。
彼らはその間に何をやっていたかというと、不景気でもクルマを作り続けることのできる体制作りをしていたのだ。
当時、同じモデナ地区のスーパーカーメーカーは、ピニンファリーナなどのカロッツェリアにデザインからボディ製造などを外注していた。そしてこれは相当に費用がかかった。
ところがカウンタックに関しては、そのデザインこそベルトーネに在籍していたガンディーニに任せたものの、ボディ、インテリアの製造、ペイントなどの工程をランボルギーニ社内で仕上げる体制を完成させたのだ。
「カウンタックの凄さその3」はあの時代に、外注を減らし、不況時にも存続できる体制を確立していたことである。
そんな未来を見据え、独自のカラーをひたすら追求するランボルギーニとしてのポリシーがあったおかげで、幾たびもの経営危機を乗り越えて、今も輝かしいブランドであることができるのだ。
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投稿 伝説の名車カウンタックって、結局何が凄かったの? は 自動車情報誌「ベストカー」 に最初に表示されました。
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