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家族から受け継いだアスコットと、憧れのイノーバを同時所有する若きオーナー

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家族から受け継いだアスコットと、憧れのイノーバを同時所有する若きオーナー

運営元:旧車王
著者 :TUNA

祖父が遺したマツダ ポーターバンは「家族の一員」古谷啓通さんオーナーインタビュー

■スタイリングと居住性を高めた4ドアハードトップ平成初期の映像をたまたまテレビで見かける機会があった。

幹線道路には多くの白いセダンが行き交い、当時の自動車の流行を感じさせる映像だった。

2022年現在、各メーカーは自動車のラインナップを整理して統合する流れが顕著だ。

しかし90年代初頭といえば、ユーザーの趣向へ幅広い対応をしながらセダン系車種のバリエーションがどんどん増えていった時期でもある。

それを象徴するように、当時乗用車を自社開発を行っている日本のすべてのメーカーが3BOX型の車両をラインナップに持っている。

軽トラックもミニバンもOEMで共通化している現代では考えにくい状況であるとはいえないだろうか。

▲この個体は最上級グレードの2.3Si-Z。メーカーオプションのサンルーフを装着し、まるで当時のカタログに掲載されていたかのような佇まいだ

1992年3月に登場したホンダ・アスコットイノーバは4ドアハードトップ。

6ライトウインドウに、最近でいうところの4ドアクーペスタイルのレイアウトは、現代の目線から眺めてもスポーティでグラマラスささえ感じるものだ。

当時、ホンダの3BOXラインナップは、末っ子からシビックフェリオ、インテグラ、コンチェルト、ミドルクラスセダンのアコードと姉妹車のアスコット、アコードインスパイアと姉妹車のビガー、そしてフラッグシップのレジェンドなど多種多様であり、それぞれの車種に強いキャラクターを与えている。

開発時期にバブル時代を経ているとはいえ、3BOXへの熱量は相当なものであったといえよう。

▲サイドからの眺めは、クーペや5ドアハッチバックのよう。流麗に構成されたボディは最近の4ドアクーペを先取りしたかのようだ

■英国に姉妹を持つスポーティなキャラクターエンジンは2.3リッターDOHCのH23A型、輸出仕様のプレリュードと同型のエンジンだ。

H23A自体はアコードワゴンSiR等にも搭載されるエンジンだが、VTECなしの仕様としては日本国内でアスコットイノーバにのみ搭載されるものだ。

1993年からは欧州向けの5代目ホンダアコードとして、イギリスのスウィンドン工場で生産が開始されている。

当時、業務提携の関係にあった英国・ローバーの600シリーズと開発をともにした姉妹車であり、ダッシュボードの形状もは近似のものを採用している。

車体自体のデザインに日本車離れした印象を持つのは、こういったバックボーンだったことからも頷ける。

続いてインテリアを見てみよう。

とにかく低く、グラッシーに作ろうとしていた80年代のホンダ車の思想を受け継ぎながらも、随所に工夫を忍ばせながら進化している。

例えば、ダッシュボードからドアトリムに連なる雰囲気やシートの造形はラウンディッシュに構成され、豊かな雰囲気を醸し出している。

既に高級感を訴求する経験値の高さを感じ、シートやドアライニングなど、人が触れるところの多くにソフトな質感を持たせているところも上級セダンの風格を強めている。

▲内装には複数のマテリアルを合わせたインパネ周りや大型の水平指針メーターが目を惹く

アスコットイノーバが登場した1992年から生産を終了する1996年頃までのトレンドは、セダンやスポーティな性格のクルマからRV車へと趣向が移り変わり行く時代でもあった。

そのような過渡期ともいる時代においても、特徴的なフロントフェイス、デザインおよび車両のキャラクターは、当時を振り返ってもひとつの個性としてしっかりと輝いていたように思える。

オーナーのさいとうさんは1997年生まれの25歳。

つまり、生まれたときには既にアスコットイノーバは生産終了している世代でもある。

では、なぜこのクルマに惹かれるのだろうか?

■「自分が生まれたとき、そこにアスコットがあったから」25歳で4台のアスコットを手に入れたオーナー像 「自分が物心ついたとき、既に実家にはホンダのアスコット(CB1)がありました。自分がクルマ好きになったのも、そのアスコットがきっかけで今に至ります。免許を取得し、実家のアスコットを受け継いだのですが、そのドナーのために白いアスコットを購入。さらに、以前から欲しいと思い続けてきたこのイノーバを購入しました。最近ではもう一台ドナーとしてアスコットを購入しています」

柔らかな口ぶりで語るさいとうさんだが、愛車遍歴のすべてがアスコットシリーズという一途さと行動力に本気度合いが窺い知れる。

「1歳の頃にはミニカーで遊んでいたそうですが、自分が覚えている限りでは3歳くらいで“うちのアスコットはなんてカッコいいんだろう...”と思うようになっていました。そんな気持ちが20年以上どんどん大きくなって現在に至っています」

▲当時はまだ採用例が少なかったキーレスエントリーはドアノブにリモコンの受光部がある

オーナー自身の愛車遍歴としては3台目となり、すべてがホンダのアスコットシリーズだ。

取材時は所有してからは約半年。

購入経路は、同じくCB型のアスコットに乗っているオーナーさんが手離すという話を耳にし、個人売買という形で所有することになった。

複数オーナーが所有してきた個体だが、現在の距離は約65000kmだという。

生産から30年が経過したクルマとしては少ない部類といえよう。

複数台を所有するさいとうさんだが、イベントの他にも日常での出番も多く、使いやすい一台になっているという。

▲純正オプションの空気清浄機。エクステリアへと魅せるデザインがカッコいい。今探すと見つけるのが大変な逸品といえよう

「街中に出ると、イノーバは普通のアスコットに比べて不思議と視線を集めるクルマです。最近ではあまり見かけない車体の色だったり、ヘッドライトと一体型のフォグランプの光り方、字光式のナンバープレートなど合わせ技で目を惹いているのかもしれませんね」

▲フォグとハイ/ロー、ウインカーが一体のヘッドランプ。同社のスペシャリティクーペ、プレリュードと似たグリルのデザインもイノーバがスポーティな性格であることを印象付ける

古くて珍しい、という理由だけではなく、車両自体の個性やスタイリングによって注目を浴びる。

登場から30年が経過しても強いキャラクターが息づいている事を話を伺って改めて感じた。

最後に今後、イノーバとどう付き合っていきたいかを伺ってみた。

「稀に天然個体のアスコットを目撃した例を知人を通じてごく稀に聞くのですが、自分はそういった個体を街中で見かけたことは一度もないんです。既に現存する個体もかなり少なくなっているはずなので、エンジンが動く限りは純正の姿を保ちつつ後世に残していくことができればいいな、と思っています」

好きなクルマを追い求め、それを所有できる。

なんて素晴らしいことだろう。

それがどうしても欲しかった一台となればまた格別のことだ。

周りに同一の車種がいなくても、分かり合える仲間がいる。

こうして将来へとクルマたちが一台でも多く残っていく姿を窺い知れるのは、ひとりの旧車ファンとしてもとても嬉しい気持ちになるインタビューとなった。

これからもアスコット、そして多くのクルマに触れ、さいとうさんの世界を深く追求していってほしい。

[ライター・撮影/TUNA]

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みんなのコメント

1件
  • 当時ハードトップイノベーションというCMが流れていたのを覚えています。
    インテグラからイノーバに乗り換えましたが車格も一回り大きくカッコよかったですね。
    ハードトップ全盛期の時代,あれはあれで良い時代でした。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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