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S&S T124エンジンを合法車検対応に。ボルトオンキット搭載ハーレーバガーカスタム

掲載 更新 23
S&S T124エンジンを合法車検対応に。ボルトオンキット搭載ハーレーバガーカスタム

プロトとフォレストウイングの努力が結実

エンジン載せ替えやボアアップが人気のカスタムメニューになっている流れの中で、合法的に車検をクリアでき、堂々と乗れるようにしたいと考えたことからスタートした「PROJECT ENGINE SWAP T124Street Legal」。その経緯については以前の記事でお伝えした通りだが、ついにプロジェクトの成果となる1台が完成。試乗を交えつつその勇姿を披露しよう。

ハーレー合法カスタム実現への道【S&S製2000cc超エンジン公認取得→車検対応】

●取材協力:フォレストウイング、プロト

圧倒的パワーでグイグイ前へ。もう誰にもツベコベ言わせない!!

(※前記事から読み始める)

街乗りでのスローペースでも滑らかなフィーリングで、ギクシャクなどしない。中高回転域もスムーズに回って、胸のすくような加速が味わえる。全域でトルクが上乗せされて扱いやすく、ドカーンとパワーが出てアクセルを開けにくいなんてこともない。将来、排気量がますます上がったツーリングファミリーは、きっとこんなライドフィールになるのではないだろうかとさえ思えてくる。そう、良くできた新車に乗っているような感覚なのだ。

エンジンはカスタムシーンで絶大な人気を誇る「S&S T124」。ボア104.77×ストローク117.47mm、排気量2032ccの超弩級エンジンというのに、手こずるような荒々しさはなく、右手のスロットル操作にとても従順。そして、ノーマルマフラーながら排気音もひとまわり太くなった印象で、トルク向上とともにサウンドも迫力を増していることも報告しておこう。

これは、フォレストウイングのインジェクションチューニングに依るところが大きい。その技術力とノウハウには定評があり、S&S社の認定ショップとなっていることも頷ける。主宰の奥藤悟氏は、常用回転域で力強い味付けにしたいと基本的には考える。もちろんオーナーの好み次第だが、唐突にトルクが立ち上がったり、高回転重視で低中回転域がやせていたり谷があるようでは乗りにくく、結局はつまらない。潤沢なトルクで、鼓動感もはっきりと明確。心地の良い出力特性に仕上がっていて、その調律力(チューニング技術)には舌を巻く。

【フォレストウイング 奥藤悟氏】10代からオートバイ業界に足を踏み入れ、軽作業からインジェクションチューン、エンジンモディファイすべてを完璧にこなす名メカニック。現在はこのT124エンジン搭載車で、ドラッグレースにて優勝を狙う。



PROJECT ENGINE SWAP T124 Street Legalの始まり

さて、今回あらためて伝えたいことは、このモンスターエンジンがフォレストウイングとプロトによって公認取得となり、車検対応となったことだ。

事の発端は、S&S製品の正規輸入販売元となるプロトの担当者、島田真学氏。エンジン載せ替えやボアアップが人気のカスタムメニューとなっているが、合法的に車検をクリアでき、堂々と乗れるようにしたいと考えたことに始まる。そして、カスタムに精通する奥藤氏の手を借り、「PROJECT ENGINE SWAP T124Street Legal」がスタートした。

【プロト 島田真学氏】お寺の子として生まれ、カナダで育つ。仏の道から外れ、ハーレー道に足を踏み込む異色の経歴を持つ漢。エンジンを年50機売り、新たなエンジン載せ替えブームを巻き起こすのが使命。



しかし、合法的に公認を取得するには、単純にエンジンを載せ替えて陸運局で申請すれば合格=公認となるわけでなく、その道のりは長く険しいものであった。

自動車排出ガス試験(WMTCモード)・加速走行騒音試験で環境規制に適合させるのに、膨大な時間と労力を要する。排ガス試験はCO、THC、NOX、CO2等を測定し、すべての排出量に対し基準値以下でないと不合格となるが、CO、THCを減らせばNOXが増え、NOXを減らせばCO・THCが増えるという難解さ。陸運局での複雑な書類審査もあり、ようやく改造自動車審査結果通知書(合格通知)を手に入れた。

誰も成し得なかったことに挑戦し、新たな道を開拓したことを称えたい。

プロトでは、S&S T124エンジンに載せ替えをしても違法改造ではなく、安心して継続車検を受けてもらえるように、改造申請に必要となる書類を用意してキット発売を開始。ツインカム103を搭載するFLTRXSロードグライドスペシャルおよびFLHXSストリートグライドスペシャルに適合する。

両モデルのオーナーは見逃せない朗報と言えよう。新しい合法カスタムの歴史が、ここから始まる……。

―― グリップやエアクリーナー、シフトペダルまわりを除けば、エンジンスワップのみかと思うのは早合点。さり気なくノーズシャークフェアリングのマウント位置が下げられ、フューエルタンクのラインに合わせられているところが心憎い。斬新で大胆、目を惹くカスタムペイントは、愛知県豊田市のARTSTUDIO CENTER ROOTSによるもの。

◆S&S CYCLE T124コンプリートエンジンキット

S&S CYCLE 社製 T124コンプリートエンジンキットは、シリンダー、ピストン、パワーとトルクを大幅に向上する550カムなどの他、改造申請に必要となる書類もセットされ、継続車検も安心して受けられるようになった。車検証の表記「型式:EBL-FLHM 、原動機の型式:M」に対応。オープン価格となっている。改造申請後の原動機の型式は「P」、排気量は「2.03L(2,030cc)」となり、車両型式は「EBL-FLHM改」に。車名・車体番号の変更はない。

T124エンジンは純正ルックながら内壁を肉厚にし、強度を増したアルミニウム(356-T6)製クランクケースをはじめ、大排気量エンジンの隅々までエンジンオイルを送るための強化ポンプおよびカムサポートプレート、硬度の高いクロムモリブデン鋼AISI-4140を使用することで純正より14%剛性アップしたフライホイール、安定的なパワーフィールを味わえるギアカムシャフトを採用。カラーは試乗車が積むブラックエディション(艶ありブラック)のほか、リンクルブラック(純正色)、さらにCVOのミッションケースカラーにマッチするストーングレーから選べる。

―― どのくらいシリンダーのボア径が大きいか、目安にスマートフォンを置いた。

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みんなのコメント

23件
  • カスタム使用が結構ですが ハーレーと言うバイクは静かに走れないモノなのか。ハーレー見るたび排気音は五月蠅い ハンドルは「バンザイ」している。どう見てもアホが乗るバイクとしか見えないよ。
  • 排気量を上げても、ハンドル上げても何でもいいから、マフラーは違法改造しないでください。
    うるさいだけです。このような人が近所にいればどうしますか?
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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