現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 史上初「SL」に4気筒ターボを搭載。AMG A45とは違う、電動アシスト過給でラグを解消し、「時代」が求めたラグジュアリースポーツに

ここから本文です

史上初「SL」に4気筒ターボを搭載。AMG A45とは違う、電動アシスト過給でラグを解消し、「時代」が求めたラグジュアリースポーツに

掲載 更新 29
史上初「SL」に4気筒ターボを搭載。AMG A45とは違う、電動アシスト過給でラグを解消し、「時代」が求めたラグジュアリースポーツに

スタイリッシュなオープン2シータースポーツ「メルセデスAMG SL」に2L直列4気筒ターボエンジンを搭載するエントリーグレード「メルセデスAMG SL43」が追加された。伝統あるラグジュアリースポーツにふさわしく、F1マシンからフィードバックされたターボテクノロジーをひっさげて、新たな「時代」を切り拓こうとしている。

「時代」はラグジュアリースポーツにも「優しさ」を求めている
7代目の「SL」は2021年10月にフルモデルチェンジを果たしたばかり。メルセデス・ベンツではなく、メルセデスAMGブランドとして、新生デビューを果たした。 とはいえ、伝統のフラッグシップスポーツとしての威厳や華麗さは、まったく色あせてはいない。

【海外試乗】新型メルセデスAMG SL は史上まれにみる劇的進化版。プラス2とソフトトップでライバルに対抗

そんな新型SLに初めて「43」のナンバリングが冠された。搭載されるのは、70年近いSLの歴史の中でやはり史上初となる、直列4気筒ターボユニットである。本当に威厳は失われていないのか? と、ちょっと心配になる向きがあるかもしれない。

日本未発表の最新型はSL63、SL55ともに4LのV8ツインターボユニットを搭載している。最強のSL63 4マティック+は585ps/800Nmを発生。0→100km/h加速は3.6秒、最高速は315km/hに達する、まさにモンスターだ。

対して新設されたSL43のスペックは、最高出力381ps/最大トルク480Nm。0→100km/hは4.9秒。最高速は270km/hと、それなりに「控えめ」ではある。しかしその本領は、エミッション性能を見なければわかりはしない。

直4ユニットのWLTPモード燃費はリッターあたり10.6~11.2km。V8は出力控えめの「SL55 4マティック+」でさえ7.7~8.2km。つまり、およそ26%ほど改善されている計算になる。CO2排出量も直4が201~214g/km、V8では277~294g/kmとずいぶん差がある印象だ。

小排気量の直列4気筒でも、ドライバビリティはピカイチ
エントリーSLとしては過去、6代目(R231型)に3L V6ツインターボ(276M30)と9速AT(9G-TRONIC)を組み合わせたSL400が設定されていた。最高出力は367ps、最大トルクは520Nm。0→100km/h加速:4.9秒というパフォーマンスは、新しい直4ユニットも変わらない。

優れた環境性能とパフォーマンスを両立している技術的ハイライトは、F1譲りの電動化テクノロジーが盛りこまれた、ターボチャージャーシステムにある。いわゆる「ターボラグ」を抑制することで、ドライビングフィールをよりダイナミックでリニアリティに富んだものに進化させているのだ。

機構的な特徴と言えるのが、排気側のタービンホイールとフレッシュエアを導入するコンプレッサーホイールの間のチャージャーシャフトにビルトインされた、およそ4cm幅のスリムな電気モーターだ。排出ガスによる十分な圧を高める前の領域から、48V電気システムで駆動するモーターがコンプレッサーホイールの駆動をアシストすることで、素早く空気を導入、エンジンの応答性を高めてくれる。

17万rpmまで対応するハイレベルのエアフロ―から生み出されるドライバビリティは、スペック以上にダイナミックで機敏なものになる。停車時からの俊敏性、加速性能が最適化されるだけではない。アクセルオフやブレーキング時にも電動ターボチャージャーが過給圧を維持してくれるので、どんな領域から素早くレスポンスさせることが可能になったのだ。

メルセデスの「底力」を革新する、ふたつの2L 直4ユニット
ひとつ気になるのが、AクラスやCLAなどコンパクトなメルセデスAMGモデルに「45」のナンバリングとともに設定されている、2L 直4ターボユニットとの差別化だろう。

そのスペックは最高出力421ps/最大トルク500Nmと、文句なくクラストップ。たとえばコンパクトな5ドアハッチバック「メルセデスAMG A45 S 4マティック+」には、0→100km/h加速:3.9秒、最高速270km/hという文字どおり異次元のパフォーマンスを与えている。

実はエンジン型式はどちらも「M139」と同じ。異なるのは過給システムで、「45」系に搭載されているものは、通常の排出ガスを使ったターボチャージャーを電動コンプレッサーによってフォローしている。こちらもターボラグを解消することを狙ったテクノロジーだが、搭載されるクラスに合わせた差別化、ということになるのだろうか。

そしてもうひとつ気になる新たな「エントリークラス」としてのそのお値段だが、こちらは2022年4月6日現在で本国でも未発表となっている。新型SL自体、日本への導入は始まっていないものの2022年3月に発表された本国のデータを見ると、ベース車両価格はV8搭載の「メルセデスAMG SL55 4マティック」で15万8240ユーロと、およそ2000万円超になっている。

ちなみに6代目でベースグレードを担っていたSL400が2016年のマイナーチェンジに合わせて登場した当時の価格は1342万円から。同時期に設定されていた5.5L V8搭載のSL63と比較してみると、その価格差は900万円を超えていた。

果たして4気筒モデルの価格設定がどこまで戦略的なものになるのか、そのダイナミックパフォーマンスとともに、いろいろな意味で興味の尽きないニューバージョンと言えそうだ。

[ アルバム : AMG SL43 はオリジナルサイトでご覧ください ]

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

新車99万円! ダイハツ「“最安”ワゴン」どんな人が買う? イチバン安い「国産乗用車」は装備が十分! 超お手頃な「ミライース」支持するユーザー層とは
新車99万円! ダイハツ「“最安”ワゴン」どんな人が買う? イチバン安い「国産乗用車」は装備が十分! 超お手頃な「ミライース」支持するユーザー層とは
くるまのニュース
2025年は赤・黄・黒の3色 スズキ「V-STROM 250SX」2025年モデル発売
2025年は赤・黄・黒の3色 スズキ「V-STROM 250SX」2025年モデル発売
バイクのニュース
「高いのはしゃーない」光岡の55周年記念車『M55』、800万円超の価格もファン納得の理由
「高いのはしゃーない」光岡の55周年記念車『M55』、800万円超の価格もファン納得の理由
レスポンス
KTM1390スーパーデュークGT発表!カテゴリーで最も過激なスポーツツアラーを標榜するGTが1390系エンジンでバージョンアップ
KTM1390スーパーデュークGT発表!カテゴリーで最も過激なスポーツツアラーを標榜するGTが1390系エンジンでバージョンアップ
モーサイ
新しい2.2Lディーゼルエンジンと8速ATを搭載したいすゞ「D-MAX」および「MU-X」がタイでデビュー
新しい2.2Lディーゼルエンジンと8速ATを搭載したいすゞ「D-MAX」および「MU-X」がタイでデビュー
カー・アンド・ドライバー
新型「メルセデスCLA」のプロトタイプに試乗!次世代のメルセデス製電気自動車の実力やいかに?
新型「メルセデスCLA」のプロトタイプに試乗!次世代のメルセデス製電気自動車の実力やいかに?
AutoBild Japan
紀伊半島の「最南端」に大変化!? 無料の高速「串本太地道路」工事進行中! 関西エリアの交通を一変する「巨大ネットワーク計画」とは
紀伊半島の「最南端」に大変化!? 無料の高速「串本太地道路」工事進行中! 関西エリアの交通を一変する「巨大ネットワーク計画」とは
くるまのニュース
ホンダ、栃木県とスポーツ振興協定を締結…ラグビーとソフトボールで地域活性化へ
ホンダ、栃木県とスポーツ振興協定を締結…ラグビーとソフトボールで地域活性化へ
レスポンス
軍用車マニアはたまらない!? 大戦中の1942年に製造された“フォード製ジープ”をオークションで発見 フォード「GPW」ってどんなクルマ?
軍用車マニアはたまらない!? 大戦中の1942年に製造された“フォード製ジープ”をオークションで発見 フォード「GPW」ってどんなクルマ?
VAGUE
ズボラ派にもバス&タクシーにもうってつけ! 洗車後の拭き取りをサボれる純水洗車にメリットしかなかった
ズボラ派にもバス&タクシーにもうってつけ! 洗車後の拭き取りをサボれる純水洗車にメリットしかなかった
WEB CARTOP
スズキが新型「ソリオ」1月発表!? “迫力顔&先進機能”採用!? 既に予約した人も!? 何が変わった? 販売店に寄せられた声とは
スズキが新型「ソリオ」1月発表!? “迫力顔&先進機能”採用!? 既に予約した人も!? 何が変わった? 販売店に寄せられた声とは
くるまのニュース
カワサキ「Z2」エンジン お気楽過ぎる「丸塗り」では後々後悔 可能な限り緻密なマスキングを目指す!! ~日本の至宝「空冷4発」を未来へ継承~Vol.23
カワサキ「Z2」エンジン お気楽過ぎる「丸塗り」では後々後悔 可能な限り緻密なマスキングを目指す!! ~日本の至宝「空冷4発」を未来へ継承~Vol.23
バイクのニュース
[DSP大全]「位相」を合わせられれば、“一体感のあるサウンド”を獲得可能!
[DSP大全]「位相」を合わせられれば、“一体感のあるサウンド”を獲得可能!
レスポンス
ノリス、ラスベガス初日は上位タイムも低グリップに手を焼く「市販車の方が速い気がする……」燃料多載での走行にはまだ課題も?
ノリス、ラスベガス初日は上位タイムも低グリップに手を焼く「市販車の方が速い気がする……」燃料多載での走行にはまだ課題も?
motorsport.com 日本版
アドベンチャーツアラー「V-STROM 250SX」が色変更!新設定「ソノマレッドメタリック」の鮮やかな赤が眩しい!   
アドベンチャーツアラー「V-STROM 250SX」が色変更!新設定「ソノマレッドメタリック」の鮮やかな赤が眩しい!   
モーサイ
初代日産リーフは「普通に乗れる」電気自動車だった【10年ひと昔の新車】
初代日産リーフは「普通に乗れる」電気自動車だった【10年ひと昔の新車】
Webモーターマガジン
【最新モデル試乗】すべてがグレードUP! 理想の選択肢、三菱アウトランダーPHEVの驚く完成度
【最新モデル試乗】すべてがグレードUP! 理想の選択肢、三菱アウトランダーPHEVの驚く完成度
カー・アンド・ドライバー
全長3m切り! ホンダの「本格オフロード車」がめちゃ楽しそう! 1リッターエンジン搭載で悪路性能スゴい! 米国で人気の「パイオニア」どんなモデル?
全長3m切り! ホンダの「本格オフロード車」がめちゃ楽しそう! 1リッターエンジン搭載で悪路性能スゴい! 米国で人気の「パイオニア」どんなモデル?
くるまのニュース

みんなのコメント

29件
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村