昨今、福祉車両に対する認知が急速に広まり、車両を展示するディーラーの数も増えている。実際に助手席回転シートに座るなど、乗り降りを試したり、車いす仕様車ではスロープの長さや角度、電動ウインチの操作などを確認することができる。しかし、福祉車両で「試乗車」を用意するディーラーは少ないのが現状だ。
ところが、そんな常識を変えるスポットが東京のお台場に存在する。「見て乗って感じるクルマのテーマパーク」をキャッチフレーズに、多くの来場者を集めているトヨタの「MEGA WEB(メガウェブ)」だ。ショールームという枠組みを超え、クルマを体感できるスポットとして、なんと「福祉車両(ウェルキャブ)」の試乗もできるのである。今回はそんな注目のスポットを訪れ、実際にチャレンジしてみた。
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パビリオンをつなぐように伸びる1.3kmの試乗コースには、シケインや段差、ヨーロッパの道路を再現した路面や信号機などが設置され、クルマの挙動を効果的に確認できるようになっている。
ウェルキャブに乗ってコースを試乗する 屋外コースをトヨタの市販車で試乗できる「ライドワン」は、気になるモデルがあれば、ぜひ利用したい人気のサービスだ。トヨタが販売するほぼすべての乗用車を試乗することが可能で、展示車両のなかで気に入ったクルマがあれば乗ることもできる。そして注目は福祉車両「ウェルキャブ 」の試乗が可能なことで、乗車時の姿勢やフィーリングを確認できるので、購入を検討しているひとには大いに参考となるはずだ。試乗時間は11:00~20:00となっているので、日中だけでなく暗くなっての試乗も、実際の使用を想定できて参考となるだろう。料金は通常1台300円(2周)だが、ウェルキャブはすべて「無料」となる。
ちなみに訪れたこの日、試乗できたウェルキャブは2台。1台は介護車(介護者が運転)で、スペイドのサイドアクセス車。手動式の脱着シート+専用車いす仕様となる。もう1台はフレンドマチック車(自身で運転)のプリウス タイプIVとなる。フレンドマチック車を試乗するには、アクセル・ブレーキは手動にかぎるという、「運転補助装置付」の限定免許証が必要となる。限定免許証を持たない方はスタッフの運転に同乗できるほか、専用スペースで操作説明を受け、操作確認を行うことになる。試乗に際しては、普段使用する車いすはもちろん、安全で快適な車いす乗車のためにトヨタが開発した「ウェルチェア」など、さまざまなタイプの車いすも用意されている。
「福祉機能の操作感はもちろん、ドライビング感覚や乗り心地なども、試乗でしっかりと確かめていただきたいですね」と語るのは、ウェルキャブ 担当スペシャルコンサルタントの斎藤さん。
試乗は完全予約制となっていて、予約は受付(ライドワン試乗ステーション)にある端末もしくはメガウェブのインターネットサイト、または電話予約(受付11:00~18:00)を利用することになる。予約は2週間前から(乗車の30分前まで)受け付けているので、スケジュールの都合と試乗したいモデルがわかっている場合は、早めに予約しておいたほうがいいだろう。予約状況はサイトで確認することができるが、電話予約は休日中は対応していないので注意したい。
ウェルキャブ試乗
福祉車両専用の展示場で実車に触れる 2017年12月、メガウェブ内にオープンした「トヨタハートフルプラザ東京」は、さまざまなタイプのウェルキャブを展示する、実際に操作などを確かめ、体感できるウェルキャブ専門の展示場だ。専任のスタッフが来場者の要望を聞き、多彩なバリエーションを誇るウェルキャブの中からもっとも適したクルマ選びをサポートしてくれる。
ユーザーのニーズがますます多様化する今日、トヨタではユニバーサルデザインの考え方を重視し、モデル開発は初期段階からウェルキャブも視野に入れて行われている。車いすを収納して自分で運転する「運転補助装置付車(フレンドマチック取付用専用車)」のプリウス(左上写真)をはじめ、クルマの乗り降りに不便を感じている方に適した「助手席回転チルトシート車」のスペイド(右上写真)、「サイドアクセス車」脱着シート(手動式)+専用車いす仕様のスペイド(左下写真)、そしてスロープから車いすのまま乗車する「車いす仕様」のエスクァイア(右下写真)など、豊富なバリエーションのウェルキャブが常時12台ほど展示されている。
トヨタハートフルプラザ東京では、ライフスタイルに適したウェルキャブの紹介に加え、便利なアイテム、架装など細かなカスタマイズについてもサポートしている。また、もっとも便利なウェルキャブの取扱店も紹介している。
「お台場にショッピングや観光でいらして、メガウェブに寄ってくださる方は多くいらっしゃいますが、何気なくいらして、ウェルキャブが展示されているのを知って、興味深く見ていかれる方も少なくありません」と語り、ロケーションによる効果を指摘するコンサルティングスタッフの進士敬(しんじたかし)さん。
自然光が優しく差し込む明るいショールーム。ゆったりとした気持ちで、親切丁寧なスタッフとともに、お客様の生活にジャストフィットする1台を探し、必要に応じて仕上げていく。
1999年春にオープンしたメガウェブは、主に市販モデルのほぼすべてが展示される「トヨタ シティショウケース」と世界中のあらゆるブランドから集められたビンテージモデルを展示する「ヒストリーガレージ」、試乗を体験できる「ライド スタジオ」の3つから構成されている見どころ満載のスポットだ。メガウェブは多目的トイレも整備され、また補助犬や介助犬にも対応している。展示車両の間隔も広く、快適に移動しながらクルマを楽しむことができる。
2017年には、来場者数が1億人を突破するなど、東京を代表する人気スポットになっている。若者のクルマ離れなどといわれる昨今であるが、広々とした快適空間でクルマに自由に触れられるショールームを訪れる来場者には笑顔が絶えない。
MEGA WEB(メガウェブ)
住所:東京都江東区青海1-3-12
電話:03-3599-0808(代表)
URL:http://www.megaweb.gr.jp
アクセス
福祉車両が試乗できる、お台場の「MEGA WEB(メガウェブ)」に行ってきた!はBelieve - ビリーヴ ジャパンで公開された投稿です。
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