2024年のル・マン24時間レースは、フェラーリ50号車が勝利し、2023年からの連覇を達成。LMDh規定の車両は表彰台に登ることができなかったが、LMDh側からはル・マン・ハイパーカー(LMH)に対抗することが厳しいという声がある。
今年のル・マンではLMDh規定の6号車ポルシェ(ケビン・エストレ/アンドレ・ロッテラー/ローレンス・ヴァンスール)がポールポジションを獲得した。しかしエストレの並外れたポールラップについてロッテラーは「パフォーマンスを100%反映したものではないかもしれない」と危惧を示していた。実際レースでは3位から1秒差の4位となった6号車としては、ある程度懸念は正当なものだったかもしれない。
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一方でLMDhマシンの2号車キャデラックVシリーズ.R(アール・バンバー/アレックス・リン/アレックス・パロウ)は、長い間優勝争いに加わっていて、21時間経過時点ではトップに立っていた。ただミックスコンディションでタイヤが厳しくなり、彼らは後退。最後は7位フィニッシュだった。
「ある段階ではとても良い感じだったんだけど、結局はフェラーリとトヨタがすべてのコンディションで少しペースが良かったと思う」
リンはmotorsport.comにそう語った。
「それが最終的な違いを生んだんだ。僕らはある時点では対抗できていたけど、何かそれ以上のことはできなかった。それに彼らは常に、とてもとても競争力があった。僕らは3位は争えると思っていたけど、最後の1時間程が悪かったね。それで終わりだった」
そしてバンバーはハイパーカーが強い理由は四輪駆動にあると語っている。
「ハイパーカーは四輪駆動でとても強い。それが彼らが表彰台を独占した理由だ」
「対抗するのは難しいよ」
トヨタ、フェラーリそしてプジョーら四輪駆動のマシンは、後輪駆動のLMDh勢に比較してトラクションに優れているため、ウエットコンディションで特に助けになっている。今年のル・マンは雨が多かったが、夜間の雨はセーフティカー先導で4時間が消化されたため、その影響は緩和されたと見られている。
そしてLMH車両はレースの全セクターにおいてより速かった。ミュルサンヌストレートと2つのシケインではトヨタとフェラーリが上位となり、LMDhでトップだった2号車キャデラックはトヨタ8号車から0.3秒近く離されていた。
様々な速度域が入り交じるセクター3はフェラーリの51号車が最速。ポルシェとキャデラックは約0.09秒差という形だった。
もちろん、最速タイムはドライコンディションで記録されていて、完全なウエットで走行されたセッションがないため、LMH車両が得ていたアドバンテージを完全に分析する事は難しい。
ポルシェで5号車を走らせたフレデリック・マコヴィッキィはレース後、LMH勢との差についてこう語った。
「トヨタとフェラーリと競うには少し足りていない。もの凄くではないけれど、その“少し”がちょっと多すぎる」
「その違いは、フェラーリがこっちを追い抜けるけど、こっちは彼らを追い抜けないということだ! これはこじれるよ。僕らはまったく対等ではないんだ」
各車の最高速度の平均を見てみると、LMH優位な状況も見える。トヨタの2台は342.6km/hと342.1km/h、フェラーリは340.9km/hと340.6km/hとなっているが、LMDhでトップのアルピーヌ36号車は339.1km/hだ。ポルシェも最速は338.9km/hで、ポルシェカスタマーのJOTA12号車や、キャデラック2号車は336km/hを超えられなかった。
しかしその一方で、キャデラック陣営に後悔は無い。2号車のリンは次のように語った。
「結果的に、僕はこのレースで最大限のモノを出せたと思っている」
「僕らがやったことを、本当に誇りに思っている。僕らはとても強いレースをしたと思う。フェラーリとトヨタが特に強かっただけだ」
「もちろん2台のポルシェにも負けたのは分かっている。でも彼らのほうが優れていたとは思っていないんだ。彼らに負けたけど、フェラーリとトヨタが優れていた」
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