この記事をまとめると
■6代目CR-Vは北米で販売されており、日本では後継モデルとしてZR-Vが販売されている
ホンダ黄金期の原動力「クリエイティブブムーバー」4台! いまこそその精神を思い出せ!!
■初代CR-Vは1995年にクリエイティブ・ムーバー第2弾として登場した
■当初、日本専売車として初代CR-Vは登場したが、完成度の高さから海外でも販売された
世界各国で大ヒットした初代CR-Vを振り返る
ホンダのSUV、CR-Vを覚えているだろうか。直近では、5代目CR-Vが2022年12月に日本における販売を終了し、6代目は北米での販売となっている。日本での事実上の後継車はZR-Vということになる……。ただしZR-Vは2024年2月の国産乗用車販売台数で19位に沈んでいるのだが。
しかし、そんなZR-Vの先代モデル!? となるCR-Vのデビューは華々しかった。
初代CR-Vは、1995年にオデッセイに続くクリエイティブムーバー第2弾、純ホンダ車初のSUVとして登場し、乗用車ベース(シビック)のクロスオーバーとして一世を風靡。何しろ全車にB20型2リッターエンジンを積み、デュアルポンプ式4WD、4速AT&5速MT、前後ダブルウイッシュボーンサスペンション、そして172万円からの価格設定という、まさに乗用車感覚で乗れ、ホンダらしい走りをリーズナブルに味わえる都会派SUVだったのである。
前年の1994年にトヨタから初代RAV4がデビューしているが、それより話題になり、当時人気だったのはCR-Vのほうだったと記憶している。その人気ぶりから、納期は最大3カ月という、当時としてめずらしい販売好調ぶりでもあったのだ。
ボディサイズは全長4385~4490×全幅1750×全高1675~1710mm、ホイールベース2620mmと、日本の路上でも扱いやすさ抜群。最低地上高は205mmが確保され、ライトクロカンというジャンルを確立しながら、雪道はもちろん、ある程度の悪路も走破できる走破性、実力を身につけ、背負うタイヤの存在も、クロカン入門者にとっては大歓迎されたのである。
その後、よりアーバンSUVのキャラクターを強めた、スペアタイヤをフロア下吊り下げ式としたフルマークグレードや、後期には4WDを必要としないユーザー向けにFFの駆動方式も用意されるに至っている。そうした手の入れようも、大ヒットした車種だからにほかならない。
世界各国で販売され大ヒットとなった
初代CR-Vは当初、クリエイティブムーバーとして日本専売を予定していたものの、その完成度やライトクロカンとしての走りのよさに目を付けた北米ホンダからの要望で、急遽、左ハンドルの輸出仕様を展開。気づけば世界各国での大ヒット車種となったのである。2001年までの6年間の生産台数は24万台近くに及んだほどだ。
初代CR-Vはアフターマーケットでも活況。車両本体だけでなく、社外品のボディパーツ、アクセサリーもバカ売れし、事業を拡大できたアフターパーツメーカーも多かった。
じつは当時、ハワイ、ラスベガスなどのガイドブックの取材を行っていた筆者のところに、国内の某アフターパーツメーカーから、ラスベガスで例年開催されているSEMAショー出展、ラスベガスでのコンプリートカーの撮影のため、「ラスベガスでの案内役を引き受けてくれないか……」という声がかかり、スタッフといっしょにラスベガスに飛んだことがある。
現地ではすでに北米仕様のCR-Vにそのアフターパーツメーカーのエアロパーツなどが組み込まれた車両がスタンバイしていて、現地の友人コーディネーター夫婦とともにアテンドした経験がある。
※画像はノーマルモデル
なんでそんな30年近くも前の話をしたかといえば、1990年代後半の北米、ラスベガスでのCR-Vの注目度の高さゆえだ。高級車がひしめくカジノホテルのエントランスに乗りつけても、周囲から「カッコいいぜ」という声がかかり、バレーパーキング担当のスタッフからも「オレも欲しいぜ、こんなクールなホンダ!!」などといわれたし、ロサンゼルスカジノを楽しみにやってきた老夫婦からも、「これ、アメリカで買えるの?」と聞かれたりしたのである(まぁ、超カッコよくドレスアップしたCR-Vだったということもあるけれど)。
つまり、1995年にデビューした初代CR-Vは、まだクロスオーバーSUVがめずらしい時代の乗用車ベースのライトクロカンのパイオニアとして一世を風靡。初代オデッセイ(1994年~)やステップワゴン(1996年~)とともに、当時のホンダを一気に蘇らせたクリエイティブムーバーの1台だったのである。
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