2023年も早くも半月近くが過ぎ、昨2022年暦年(1月~12月)の新車販売台数に関連したニュースがいろいろと届けられている。そうした中から、注目しておきたい情報を紹介しておこう。
N-BOXとフリードが強さを発揮したホンダ
ホンダのスーパーハイト軽ワゴン、N-BOXは2022年暦年の販売台数が20万2197台(全国軽自動車協会連合会=全軽自協 調べ)となり、登録車を含む新車販売台数において第1位(日本自動車販売協会連合会=自販連 および全軽自協 調べ)を獲得した。暦年の新車販売台数においては2020年以来2年ぶり、軽四輪車の新車販売台数においては8年連続の首位獲得となる。
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ちなみに、軽自動車と登録車のトップ3は、以下のとおりだ。
●軽自動車
1位:ホンダ N-BOX(20万2197台)
2位:ダイハツ タント(10万7810台)
3位:スズキ スペーシア(10万0206台)
●登録車
1位:トヨタ ヤリス(16万8557台)
2位:トヨタ カローラ(13万1548台)
3位:日産 ノート(11万113台)
この数字を見ても、N-BOXがダントツで売れたことが分かる。軽自動車のトップ3はスーパーハイト軽ワゴンが占めているとはいえ、タントやスペーシアはN-BOXの半分ほどしか売れていない。クルマそのものにそれほどの差があるわけではないが、N-BOXは軽乗用車最大級の室内空間や先進運転支援システム「ホンダセンシング」の標準装備、そして優れた走行&燃費性能が支持されているようだ。
なお、ホンダではコンパクト ミニバンのフリードも好調だった。2022年暦年で6万1963台を販売し、ミニバン(3列シートの国産車)の新車販売台数で第1位となった。フリードプラスも含めると7万9525台となり、登録車全体では6位となる。ちなみに、フリードがミニバン新車販売台数で暦年首位を獲得するのは初めてのことだ。
親しみやすいデザインと5ナンバーサイズの扱いやすいコンパクトなボディながら、広い室内空間とシートアレンジが好評でミニバン販売台数1位を獲得したフリードだが、2023年はライバルであるトヨタ シエンタが巻き返してくるのは必至。シエンタのフルモデルチェンジは2022年8月だったので、2022年暦年の販売台数は6万8922台(2列シート含む)と8位にとどまった。2023年は、この両車が鎬を削り合うことは間違いないだろう。
輸入車SUVはT-クロスが首位。ルノーの健闘も光る
輸入車の2022年暦年の新車登録台数ランキングも見てみよう。トップ5は、以下のとおりだ。
●輸入車 車種別ランキング
1位:MINI(1万9208台)
2位:メルセデス・ベンツ Cクラス(1万4111台)
3位:フォルクスワーゲン ゴルフ(9241台)
4位:ボルボ 60シリーズ(7569台)
5位:フォルクスワーゲン T-クロス(6570台)
ここで注目したいのは、5位のT-クロスだ。フォルクスワーゲンでもっとも小さなコンパクトSUVが、2022年に最も売れたインポートSUVとなった。(各メーカーがSUVとしてカテゴライズしたものを日本自動車輸入組合=JAIA のモデル別新車登録台数に基づきフォルクスワーゲン ジャパンが調べたもの)
しかも、3年連続で1位を獲得している。コンパクトSUVとして日本の道路環境にマッチしたボディサイズによる取り回しの良さや、ラゲッジルームの広さなどの実用性の高さなどが高く評価されているようだ。同じフォルクスワーゲンでは、ポロは6位(6368台)。T-クロスはポロよりも売れているのだ。また、兄貴分のSUV、T-ロックも8位(5123台)と健闘している。
ちなみに、メーカー別の輸入乗用車ランキングは、以下のとおりとなっている。
●輸入乗用車 ブランド別ランキング
1位:メルセデス・ベンツ(5万2359台)
2位:フォルクスワーゲン(3万2226台)
3位:BMW(30887台)
4位:アウディ(2万750台)
5位:MINI(1万9208台)
6位:ボルボ(1万6166台)
7位:ジープ(9478台)
8位:ルノー(8615台)
9位:プジョー(8552台)
10位:ポルシェ(7193台)
ここで注目したいのは、ルノーがルノー・ジャポン設立以来、過去最高の販売台数を記録し、初めて日本におけるフランス ブランドのNo.1となったことだ。主力車種のひとつであるカングーがモデルチェンジの端境期でほとんど販売されていない(わずか7台!)にもかかわらず、コンパクトカーのトゥインゴをはじめ、ハイブリッドSUVのアルカナやキャプチャー、メガーヌ、そしてアルピーヌも好調で、最高販売台数更新に貢献した。2023年には新型カングーが発売されるから、この数字はさらに伸びそうだ。
さて、2023年はこれらのランキングに大きな変化は起きるだろうか。いずれにしても、半導体不足などの影響で、国産車/輸入車とも新車のデリバリーが大きく遅れている現象が、少しでも早く解消されることを祈るばかりだ。
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