■トンネル本体工事がいよいよ大詰め
国土交通省 飯田国道事務所は2024年9月2日、静岡・長野県境の山岳地帯をつらぬく「青崩峠トンネル」について、8月末時点の工事進捗を公表しました。
【画像】超便利!? これが「三遠南信道」ルートと工事状況です
このトンネルは、静岡県と長野県を短絡する高規格道路「三遠南信道」の一環で作られています。
三遠南信道は新東名の「浜松いなさ北IC」から北上し、長い谷間を抜けたあと、伊那山地を貫いて、飯田市で中央道に接続するものです。
完成すれば、南アルプス周辺の広大な「道路空白地帯」を抜けて、太平洋側と信越地方を最短距離でつなぐ、まったく新しい道路ネットワークが誕生することになります。
その三遠南信道のなかで、もっとも難所と言われているのが、この県境を抜ける「青崩峠」です。
古来より人が行き交う場所でしたが、現代になっても狭隘で急峻な林道があるのみで、国道は断絶状態でした。1994年に一部が開通したものの、難工事で計画が断念された歴史もあります。
さて、そこに今回通される「青崩峠トンネル」ですが、2019年から4年かけて、2023年5月、延長4998mがついに貫通を迎えました。
それからはトンネル内側のコンクリートを打設する「覆工」作業が進められてきました。
この覆工作業ですが、今回の発表で、ついに進捗率が「99%」に達しました。残りはあと「59m」を残すのみとなっています。
ここまで来れば、残りは仕上げ作業のみ。路面の基礎コンクリートである「インバート」を敷き、その上に舗装を施工。あとは電気設備や非常設備を追加するだけといった状況です。
日本の土木にとって大いなる挑戦として立ちはだかっていた青崩峠が、いよいよ自動車が安心して通行できるルートに変貌しようとしています。具体的な開通めどは、もう少し工事が進み次第、発表となる見込みです。
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