現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > なぜ北朝鮮にハイエースが存在!? 中国ではルノー日産がハイエースを販売 トヨタも仰天な事情

ここから本文です

なぜ北朝鮮にハイエースが存在!? 中国ではルノー日産がハイエースを販売 トヨタも仰天な事情

掲載 更新 6
なぜ北朝鮮にハイエースが存在!? 中国ではルノー日産がハイエースを販売 トヨタも仰天な事情

■なぜ北朝鮮で「ハイエース」が販売中!? グレーゾーンな事情とは

 世界中で人気を博すトヨタの人気商用バン「ハイエース」ですが、それは北朝鮮でも例外ではありません。
 
 また、中国ではルノー日産グループがトヨタの正規版「ハイエース」を販売しているといいます。

【画像】「ハイエース」のパクリor正規モデルをささっと比較する!(25枚)

 中国には、ハイエースの正規ライセンス生産車を販売する金杯(きんぱい)というブランドが存在します。

 金杯(きんぱい)とは、2017年に日産とアライアンスグループ関係にあるルノーと華晨汽車(かしんきしゃ)という会社が合弁で設立した華晨雷諾金杯汽車(かしんるのーきしゃ)という会社が展開しています。

 しかし、金杯(きんぱい)ブランド自体はそれ以前から存在しており、1990年頃からトヨタが生産技術を供与して生産されているのが、中国版ハイエースの「海獅(かいし)」です。

 また、日本ではトヨタ「グランエース」として販売されるモデルは、東南アジアなどでトヨタ「グランビア」として展開していますが、金杯(きんぱい)ブランドでは「閣瑞斯(かくずいし)」という名前で生産・販売をおこなっています。

 そんななか、金杯(きんぱい)は2020年9月に新型モデルを発表。そのモデルは、グランビアこと閣瑞斯(かくずいし)のボディを使用する「海獅王(かいしおう) 」です。

 ルノーらしさがあるグリルが目を引きますが、フロント以外の部分はグランビアそのままのデザインを採用。ホイールベースやボディの外寸などもほぼ一緒です。

 グレードは簡素な内装を持つベースグレードから、シックな黒の内装を持つ高級グレードなどが用意され、乗車定員も6座/7座/9座/10座とさまざまなニーズに対応する形で用意されています。

 パワートレインは、グランビアが搭載していた5VZ-FE型や1KZ-TE型などではなく、中国で独自に開発された1TZS型の2リッター自然吸気エンジン(最高出力130馬力)を搭載。

 金杯(きんぱい)は、閣瑞斯(かくずいし)の発表時に「ルノー・日産・三菱アライアンスによって確立された厳格な管理体制のもとで生産する」と説明しています。

 つまりは、「日産の管理体制で生産された、ルノーの技術とデザインを持つ中国製の『トヨタ・グランビア』が誕生」という複雑な要素が重なりあっているモデルなのです。

 一方で、北朝鮮でもハイエースは人気モデルとなっています。

 北朝鮮で数少ない自動車メーカーのひとつである「平和自動車(ピョンファじどうしゃ)」が存在し、朝鮮半島の南北の距離である「三千里」を由来とする朝鮮そのものの愛称「サムチョンリ」という名前でハイエースタイプのモデルを北朝鮮内にて製造・販売しています。

 北朝鮮内の情勢を伝えるニュース映像などにもたびたび登場し、北朝鮮人民の足としての用途のみならず、海外の報道陣たちの移動にも使用される機会が多く、さまざまなシーンにおいて活躍しています。

 もっともよく見るタイプは、100系ハイエースの外観を持つモデルですが、これは中国で唯一、トヨタ自動車から正規にライセンスを取得して生産している華晨汽車(かしんきしゃ)という会社の金杯(きんばい)ブランドが展開するハイエースの正規ライセンスモデル「海獅(かいし)」のボディを流用する車両です。

 前のロゴや後ろのハングルのエンブレム以外はほぼ一緒と見られ、乗用モデル以外にも救急車用モデルも生産しているようです。

 最近では200系ハイエースの外観を持つモデルも確認されていますが、これは金龍汽車(きんりゅうきしゃ)という会社が製造するハイエースの違法コピーモデルのボディをそのまま使用しています。

 ちなみに華晨汽車(かしんきしゃ)という会社も200系ハイエースの正規ライセンス生産をおこなっていますが、平和自動車(ピョンファじどうしゃ)がハイエース型の車種の供給元を華晨汽車(かしんきしゃ)から金龍汽車(きんりゅうきしゃ)に変えた理由は不明です。

 また、金龍汽車(きんりゅうきしゃ)が展開するバス中心のブランド、「海格客車(ハイガーきゃくしゃ)」が生産するロングボディのハイエースのコピー車に海格(ハイガ)「H5C」も存在しています。

 なお、北朝鮮の平和自動車(ピョンファじどうしゃ)のモデルは、「ポックギ(カッコウ)」「フィパラム(口笛)」「チュンマ(駿馬)」「ネナラ(我が祖国)」など、それぞれ象徴的な名前を冠するモデルファミリーのもと、車体ごとに固有のモデル番号が付与されています。

■明日使える? ハイエース違法コピーの見分け方

 中国内では華晨汽車(かしんきしゃ)のみがトヨタから正規ライセンスを取得して生産・販売をおこなっており、それ以外の「ハイエースっぽい」車種はすべて違法コピー車となります。

 コピー車のメーカーは九龍汽車(きゅうりゅうきしゃ)や金龍汽車(きんりゅうきしゃ)、九龍汽車(きゅうりゅうきしゃ)などがあり、それぞれが生産するコピー車は一見ハイエースに見えるものの、独自のフロントバンパーやグリルなどによって差別化されています。

 なかには乗用モデルや救急車モデルにとどまらず、本家ハイエースには存在しないEV仕様や18人乗り仕様のモデルなども生産しているメーカーもあり、やりたい放題な状況です。

 ただ、いくらフロントデザインで見分けることができるといっても、実は華晨汽車(かしんきしゃ)も本家とは異なるデザインで正規品をリリースしたことがあり、デザインだけで判別するのは難しい場合があります。

 このような場合、一番簡単に見分ける方法はボディのプレスラインを確認することです。

 ボディ側とフェンダーやドア、リアゲートなどとの接合部分がそっくりそのまま本家ハイエースと位置や形状が一致するモデルは正規品、つまりは華晨汽車(かしんきしゃ)が生産する正規品となります。

 それ以外のコピー車はプレスラインがどこか違っていたりするので、本家と見比べて判別することが可能です。

 ちなみに華晨汽車(かしんきしゃ)が生産する正規ハイエースこと海獅(かいし)は本家のボディ形状をそのまま使用しているため、リアガラス部の右下から錆び始めるという100系ハイエース特有の「持病」までも結果的に再現しています。

こんな記事も読まれています

ホンダ、初の軽商用EV『N-VAN e:』で『N-BOX』の“成功体験”ふたたび[新聞ウォッチ]
ホンダ、初の軽商用EV『N-VAN e:』で『N-BOX』の“成功体験”ふたたび[新聞ウォッチ]
レスポンス
ホンダが新型「軽バン」初公開! 斬新“ブラック顔&1人乗り仕様”登場!? 車中泊も快適な「N-VAN」 アンダー200万円で発売へ
ホンダが新型「軽バン」初公開! 斬新“ブラック顔&1人乗り仕様”登場!? 車中泊も快適な「N-VAN」 アンダー200万円で発売へ
くるまのニュース
最大1000kmの走行が可能に!? 太陽誘電が開発した電動アシストシステム「FEREMO」とは?
最大1000kmの走行が可能に!? 太陽誘電が開発した電動アシストシステム「FEREMO」とは?
バイクのニュース
日産[ノートオーラ]がマイチェンでフロントマスク一新!! 新たに[AUTECH]も追加設定で登場!
日産[ノートオーラ]がマイチェンでフロントマスク一新!! 新たに[AUTECH]も追加設定で登場!
ベストカーWeb
【聖戦士ダンバイン】主人公ショウ・ザマのバイク「アスペンケード」とは? その車種選択には意味があった!
【聖戦士ダンバイン】主人公ショウ・ザマのバイク「アスペンケード」とは? その車種選択には意味があった!
モーサイ
【フレンチクラシック】魅力的なフランス製クラシックカー×10台 全てリーズナブルな価格なのでお金があったら全部買いたい!マジで(笑)
【フレンチクラシック】魅力的なフランス製クラシックカー×10台 全てリーズナブルな価格なのでお金があったら全部買いたい!マジで(笑)
AutoBild Japan
道路計画に墓地がジャマ…それでも「アクロバティック道路開通」させた場所が都内にある!? 移転無しに「爆速完成」実現した「ウルトラC」な方法とは!?
道路計画に墓地がジャマ…それでも「アクロバティック道路開通」させた場所が都内にある!? 移転無しに「爆速完成」実現した「ウルトラC」な方法とは!?
くるまのニュース
いすゞのSUV『MU-X』に改良新型、表情一新…タイからグローバル展開へ
いすゞのSUV『MU-X』に改良新型、表情一新…タイからグローバル展開へ
レスポンス
新型電動モビリティ「RICHBIT」シリーズ累計1万台突破
新型電動モビリティ「RICHBIT」シリーズ累計1万台突破
レスポンス
確かに休みは増えたけど……「働き方改革」に苦しむ新車ディーラーの現状
確かに休みは増えたけど……「働き方改革」に苦しむ新車ディーラーの現状
WEB CARTOP
フェラーリやランボルギーニの元デザイナー、中国の小鵬汽車がデザイン責任者に起用
フェラーリやランボルギーニの元デザイナー、中国の小鵬汽車がデザイン責任者に起用
レスポンス
トヨタ 新型「4人乗りアルファード」登場! 斬新「後ろ向きシート」×設定無い「2トーン内装」採用! トヨタの「スゴい技術」搭載した謎の個体とは
トヨタ 新型「4人乗りアルファード」登場! 斬新「後ろ向きシート」×設定無い「2トーン内装」採用! トヨタの「スゴい技術」搭載した謎の個体とは
くるまのニュース
背中やお尻が涼しい! 運転を超快適にしてくれる「ファン付き車シート」が最高だ
背中やお尻が涼しい! 運転を超快適にしてくれる「ファン付き車シート」が最高だ
月刊自家用車WEB
ホンダ「メトロポリタン」 原付一種スクーターの最新モデルを北米で発表
ホンダ「メトロポリタン」 原付一種スクーターの最新モデルを北米で発表
バイクのニュース
メルセデス・ベンツ CL63 AMGの新しい5.5L V8エンジンは想像よりはるかに洗練されていた【10年ひと昔の新車】
メルセデス・ベンツ CL63 AMGの新しい5.5L V8エンジンは想像よりはるかに洗練されていた【10年ひと昔の新車】
Webモーターマガジン
【買っておきたい21世紀名車】速さを研ぎ澄まし、安心の一体感を追求したシビック・タイプR(FL5型)の肖像
【買っておきたい21世紀名車】速さを研ぎ澄まし、安心の一体感を追求したシビック・タイプR(FL5型)の肖像
カー・アンド・ドライバー
スズキ「快適軽ワゴン」がスゴい! 6年ぶり全面刷新で“クラス超え”「豪華リアシート」採用! “日本イチ売れてる”「スペーシア」の特徴は?
スズキ「快適軽ワゴン」がスゴい! 6年ぶり全面刷新で“クラス超え”「豪華リアシート」採用! “日本イチ売れてる”「スペーシア」の特徴は?
くるまのニュース
赤と白の「ロータリーエンジン搭載スポーツカー」再び実車展示! 市販化の可能性が急上昇!? マツダ「アイコニックSP」の魅力とは
赤と白の「ロータリーエンジン搭載スポーツカー」再び実車展示! 市販化の可能性が急上昇!? マツダ「アイコニックSP」の魅力とは
VAGUE

みんなのコメント

6件
  • コピーもされないエルグランドが可哀そうに思えて来た。
  • 刈り上げ君の霊柩車にピッタリじゃん。

    早く南と共に海に沈め。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

294.7405.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

46.01750.0万円

中古車を検索
ハイエースワゴンの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

294.7405.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

46.01750.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村