座りやすさや乗り降りのしやすさ、ひじ掛けの有無もポイントに
ラグビーワールドカップを見るにつけ、世のなかにはすごい体格の人がいるもんだ、とあらためて思う。いったい、あんな巨漢、体形の人は、どんなクルマに乗っているのか? とも。ここでは、ラガーマンはもちろん、メタボの巨体な人でも、それほど窮屈な思いをせずに乗れる3列シート車を紹介したい。
この後席は狭すぎる! 一見ファミリー向けなのに家族で使うには厳しいクルマ6選
リヤドアがスライド式で、開口部の高さ、幅ともに余裕がある大型ミニバンであれば、基本的に2列目席に座る分には、大柄な人でも狭さを感じることはないはず。ただし、ハイグレードなキャプテンシートほど、両側の豪華なひじ掛けが(体形によって)窮屈に感じるかもしれない。そこで、大柄な人が2列目席に座ることを想定すると、1~2名乗車限定で左右方向にゆとりあるベンチシート仕様がベターだ。
2列目席ベンチシートの寸法でたっぷりしているのは、やはりLクラスミニバンでダントツ人気のトヨタ・アルファード&ヴェルファイアとなる。その寸法はシート長500mm、シート幅1400mm、背もたれ高600mm。
意外なのがホンダ・オデッセイで、シート幅1320mm、背もたれ高630mmと、国産Lクラスミニバンとしてアルファード&ヴェルファイアに次ぐ、大きめのシートサイズとなる。ちなみに日産エルグランドはシート幅1280mm、背もたれ高580mmである。
大柄な人が乗れる3列目はLクラスミニバン! SUVは厳しい
ここからが本題で、大柄な人でもなんとか乗れる!? 3列目席を持つクルマと言えば、やはりLクラスミニバンが絶対的に優勢だ。マツダCX-8やボルボXC90など、3列シートを持つSUVもあるが、パッケージ的に3列目席は子供席、緊急席的考え方なので、乗降のしやすさを含め、一般的な体形の人なら乗降性が意外なほどいいCX-8にしても、大柄な人、メタボな人が座るとしたら薦められない。一応、シートサイズを記しておくと、シート長450mm、シート幅1110mm、シート高620mm。さすがに座面の長さと幅はコンパクトになり、頭上、ひざ回りスペースもそれなりだ。
では、3列目席のゆとりがあるLクラスミニバンと言えば、まずアルファード&ヴェルファイアを想像するに違いない。しかし、これまた意外にもオデッセイがゆったりしている。シートサイズはシート長530mm、シート幅1210mm、背もたれ高570mmと、エルグランドの同480mm、1170mm、580mm、そしてアルファード&ヴェルファイアの同460mm、1130mm、600mmより大きめのシートサイズを持っているからびっくり。その上で、オデッセイの頭上スペースはアルファード&ヴェルファイア並みにあり、よほどでない限り窮屈さを感じにくいはずである。
ただし、空間だけでなく、3列目席の乗り心地まで含めると、やはり、トヨタが最上級であり、トヨタの高級サルーン並みの乗り心地を追求したアルファード&ヴェルファイアの快適度が光る。ここだけの話、ひじ掛け部分を含め、路面によってけっこう微振動が伝わるハイグレードな2列目キャプテンシートより(シートが重く、取り付け部剛性を取るのが難しく、重心が高いのが微振動発生の理由)、ベンチタイプの3列目席のほうが乗り心地がよく感じることさえあったりする。
オデッセイが全高1685mm(人気のアブソルート)にして、全高1950mmものアルファード&ヴェルファイア同等の頭上スペースを持っている理由は、ホンダ独創のセンタータンクレイアウトによる低床パッケージを採用しているからだ。フロアがグーンと低いため、それほど高い全高を持たなくても、室内高をかせげるという理屈になる。
ちなみに、デリカD:5の2/3列目席も、居住空間優先パッケージを採用しているだけにたっぷりとしたシートサイズを持っているものの、SUV並みの走破性を誇るのとバーターでフロアが高いため、足腰が強いラガーマンならともかく、フツーに大柄な人(メタボな人)の乗降は、ちょっとつらくなるかもしれない。
ただし、2-3列目席スルー性では、デリカD:5のスルー幅は180mmと、ほかのミニバンの140~160mmに対して広めなので、体格が良くても足が細い人なら、乗降の自由度が高まる(2列目席ウォークスルー&2-3列目席スルーの2way)ということになる。
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