スズキ ワゴンRスマイル【3分で読める国産車解説／2022年現行モデル】

スズキ ワゴンRスマイル（SUZUKI WAGON R SMILE）
現行モデル発売日：2021年8月27日
車両価格：129万6900円～171万6000円

スライドドアで利便性を高めた幸せを運ぶワゴン
全高はワゴンRと同じだが、後部ドアはスライド式とした新モデル。エクステリアには印象的な可愛げのある丸目のヘッドランプを採用。一方、ボディのフォルムとインテリのデザインは水平基調とした愛着とぬくもりを感じられるものとした。インパネのデコレーションパネルの色やステッチなど車内のデザインも凝っている。

そもそもこのワゴンRスマイルは「ワゴンRの背の高さぐらいのスライドドア車が欲しい」という声に応える形で企画開発が進められた。ほかにもヘッドアップディスプレイ、ACCなどワゴンRの「世界観」を大きく広げる装備が充実している。

一方、走りに関してはシンプルで潔い。試乗したハイブリッドXは、657cc直3自然吸気のR06D型（最高出力49ps／最大トルク58Nm）に加えて、最高出力2.6ps／最大トルク40Nmを発生するISG（モーター機能付き発電機）を組み合わせたマイルドハイブリッド（FF）。充実装備のおかげで、車両重量は同等グレードのワゴンRに対して100kgほど重い。全高が45mm高いことも走りに影響しそうだ。パワーユニットはこのほかに直3 NAが用意されており、どちらもトランスミッションはCVTとなる。なお、ターボエンジンの設定はない。

だが実際に走ってみると、乗り味はかえってしっとり感が増し上質になったように思えた。自然な操舵感に1クラス上の落ち着きが感じられる。やや路面の荒れた一般道でも、想像以上に滑らかな乗り心地だ。構造用接着剤の採用によるボディの工作精度の向上が音振性能を高めている。

ただし加速性能に関しては、マイルドハイブリッドといえどもやはりノンターボなので「軽快」とは言えない。加速時にはモーターがアシストしてくれるのだが、どうしてもアクセルペダルを多めに踏み込んでしまいそうになる。もともと低速域からリニアなR06D型ユニットの魅力が、やや薄まっているように感じられた。もちろん実用的には十分なパフォーマンスで、なによりスムーズな加速感は扱いやすさが光る。

一方、最近の軽自動車でも妥協できないのが安全装備だ。この「ハイブリッドX」にはデュアルカメラを生かして採用されたACCが搭載されおり、これも実際に東名高速道路で約100km／hでの走行を試してみた。前走車との車間距離のキープは非常に自然な制御で安心して走行することができた。上りが続く区間では速度を維持するためにエンジン回転が上がり気味になり、エンジン音がやや煩わしく感じられる。が、渋滞時などにはかなりストレスを緩和してくれそうだ。

スライドドアなど、さまざまな「ワゴンRにあったらいいな」を詰め込んだワゴンRスマイルは、走りの面でもこれ1台でより幅広いユーザーの願いを満たしてくれることだろう。

スズキ ワゴンRスマイル　主要諸元
●全長：3395mm
●全幅：1475mm
●全高：1695mm
●ホイールベース：2460mm
●重量：840～920kg
●エンジン：0.66L直3／0.66L直3＋モーター
●駆動方式：FF／4WD
●トランスミッション：CVT
●WLTCモード燃費：22.5～25.1km／L
●乗車定員：4名

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Comments

車重を考えるとやはり軽自動車はターボエンジン車が欲しいっす。

だから…
失敗したのは「顔」だって