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「いまさら」トヨタGRスープラを愛してしまう理由 ついに生産終了が告げられた 英国記者の視点

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「いまさら」トヨタGRスープラを愛してしまう理由 ついに生産終了が告げられた 英国記者の視点

クルマの良さがわかるまでには時間がかかる

限定生産の特別仕様車「ファイナル・エディション」とともに、トヨタGRスープラは、2019年初頭のデトロイト・モーターショーでの発表から約6年を経て、舞台を去ろうとしている。

【画像】トヨタのFRスポーツカー、ついに生産終了へ【トヨタGRスープラを写真で見る】 全14枚

筆者には6年という歳月には思えない。トヨタは2012年から新型スープラの量産化について語っていたが、初めてプロトタイプを目にしたのが2018年で、カモフラージュが施された試作段階の「A90」を試乗したのが2019年9月だ。

筆者の年齢のせいかもしれないが、まだ登場して間もないように思える。しかし、435馬力の限定車で走り去っていくという。

いずれにしても、スープラを英国で購入するのはそれほど容易ではなかった。英国市場には年間わずかな台数の割り当てしかなく、その結果、トヨタの価格表に載ったり消えたりしていた。

ファイナル・エディションは世界限定300台で、英国に何台割り当てられるかはまだ明らかになっていない。

ただ、出力アップ、サーキット仕様のGT4から採用された調整可能なKWダンパー、新しいドリルドブレーキディスク、アクラポヴィッチ製エグゾースト、オイル不足を防ぐサンプ内のバッフル、ボディ補強、外装の空力パーツ、そして見た目にはかなり座り心地が悪そうなシートなど、数多くの変更が加えられている。サーキットで真価を発揮しそうな1台だ。

しかし、スープラは(筆者には)登場してからそれほど時間が経っていないように思えるが、このクルマに対する筆者自身の態度は明らかに変化した。これは、近い時期に生産終了となるアルピーヌA110に対する気持ちとは全く異なるものだ。

A110は発売当初から今でも変わらずに愛している。(ちなみに、A110はまだ販売されているが、EUの安全規制GSR2に準拠していないため、欧州全体で年間1500台しか販売できない。なぜ英国はこれを免除しないのか? なぜ我々は議会にデモ行進してA110の販売台数を増やすよう要求しないのか?)

一方、スープラは、2019年のAUTOCAR英国編集部のロードテストでも「もっと欲しいと思わせる」クルマという評価だったが、今の方がもっと好きだと思える。

スープラは、A110でもなければ、ポルシェ718ケイマンでもない、どちらかといえば「中途半端」なクルマだった。良いクルマだが、ポルシェに対抗し得る競合車の中では、おそらく最も満足度が低いだろう。

今日、筆者はスープラの在り方にこれまで以上に惹かれている。筆者は6気筒エンジン、オートマチック・トランスミッション、その他、普通のクルマ以上のものを望んではいない。

重量配分は51:49(BMW Z4とプラットフォームを共有していることを覚えておいてほしい)で、速いクーペであり、確かに機敏に走ることはできるが、運転していると比較的リラックスした雰囲気が漂う。

まさに、そこが気に入っている。未来のクラシックカーとして、このクルマには大きな魅力がたくさんあると筆者は考えている。

時が経つにつれて魅力を増すクルマもあると思うが、その理由を正確に説明できる人はまだいない。

しかし、発売当時はクラスをリードする存在ではなくても、今では落ち着いた印象を与えるスポーツカーは、その代表格であることは間違いない。友人の1人は初期型のメルセデス・ベンツSLKに乗っているが、これは世界最高のオープンカーというわけではない。しかし、彼はクルーザーとして愛用しており、筆者もその気持ちはよく分かる。

先日、筆者は米国のある地域をクルマで回った。そこでよく見かけたのは、「売り出し中」のサインを窓に掲げたさまざまなクルマが、交通量の多い道路沿いに駐車されている光景だ。

ほとんどが、ボロボロのマッスルカーや古いピックアップトラック、やつれた四輪駆動車ばかりだった。どれも運転するにはかなりひどい代物だが、そのどれかを毎日購入して乗り回せるだけでも、そこに引っ越す価値があるだろう。

それに、スープラの場合、他の多くの日本製スポーツカーと同様に、すぐに後継車が発売されないことで、余計に喪失感が強まると思う。

新しいホンダNSXが出るまで数十年の空白があったし、現在、トヨタMR2やセリカは存在しない。ホンダS2000も存在しないし、ロータリーエンジン搭載のマツダのクーペも購入できない。

日本人は、モデル間に空白期間があることに慣れているようだ。スープラが生産終了になる前に、その存在を我々はもっと評価すべきだったのかもしれない。

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みんなのコメント

3件
  • nan********
    筆者の意見に同意する方は多いだろうが購入を考える前にお金が無い現実が多くの方に有るはず劇的な好景気が来ない限り趣味で乗る車が減り続けて行くでしょうね?
  • 2.5
    残るエンジンターボクーペは、フェアレディℤのみとなってしまった。
    しかし、内装デザインに高級志向性は皆無だ。

    RZ34 フェアレディℤもいい車だ。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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