クルマに対する印象や感じ方は人によってさまざま。そこが「クルマ評価」の面白いところだ。では、複数の自動車評論家に一台のクルマを評価してもらったらどうなるだろう? というわけで、ここではスズキ スイフトを三名の自動車評論家のみなさんに試乗&評価していただいた!!
※本稿は2024年5月のものです
文/鈴木直也、小沢コージ、清水草一、ベストカー編集部 写真/スズキ、ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』2024年6月26日号
もはやスイスポいらずの完成度!! 新型[スイフト]は値上げも軽量を武器に! 元気な走りを見せる
■大幅刷新でより軽快に
2023年12月に発売された5代目スズキ スイフト
2023年10月にジャパンモビリティショーで公開され、12月に発売された5代目スズキスイフト。先代型から各部を大幅刷新しており、なかでもパワートレーンは目覚ましい進化を遂げている。
1.2L直3「Z12E型」エンジンは高速燃焼と高圧縮化技術によって低燃費を実現。そこにマイルドハイブリッドを組み合わせることでよりスムーズな加速を実現した。さらに、1tを切る軽量ボディのおかげで、快適かつキビキビした走りを楽しめる。
本誌では3月10日号にて、吉川賢一氏が試乗しており、まだエンジンなどに少々ネガな部分こそあれど、総じて走りはピカイチと評した。今回は鈴木直也氏、小沢コージ氏、清水草一氏に評価を依頼した。果たして、スズキの渾身作をどう斬るか!?
●スズキ スイフト(ハイブリッドMZ・2WD)諸元表
・全長×全幅×全高:3860×1695×1500mm
・ホイールベース:2450mm
・車両重量:950kg
・エンジン形式:1.2L直3 DOHC+モーター
・最高出力:82ps/5700rpm
・最大トルク:11kgm/4500rpm
・モーター:3.1ps/6.1kgm
・WLTCモード燃費:24.5km/L
・価格:216万7000円
■全方位で基本性能がアップ。値段以上の質感を感じられる!(鈴木直也)
エンジンはスペック的には若干のダウンだが、乗り味は悪くない
コスパに優れて走りの楽しいコンパクトFFの定番といえばスイフトなんだけど、自動車専門誌だとどうしてもスイスポばかりにスポットライトが当たりがち。
モデルチェンジした新型も今後スイスポが登場すれば同じ道を歩むと思うんだけど、今回“素”のMZに乗って「オッ!」と思ったのは基本性能が全方位でグレードアップしていることだ。
ご存知のとおり、新型はエンジンを新設計の3気筒に一新、CVTも小型軽量高効率なものに進化している。スペック的には馬力、トルクともにダウンだが(91ps→82ps、12kgm→11kgm)、マイルドハイブリッド効果が効いていて、走りは新型のほうが余裕もあって乗りやすい。
日本市場のコンパクトクラスはフルハイブリッドの激戦区だから、マイルドハイブリッドは燃費競争では劣勢。そこを少しでもカバーするのがこの新エンジンなんだけど、もう内燃機関の限界といえるくらい頑張っていると思う。
もうひとつ、乗り心地、静粛性、インテリアの出来映えなど、これまでのスイフトに希薄だった“イイもの感”が出てきたのも注目のポイント。値上がりした価格以上に、質感の向上を感じられるクルマに成長したと思います。
●鈴木氏採点チェック
・ハンドリング:7点
・加速性能:6点
・静粛性:7点
・内外装の質感:8点
・乗り心地:7点
・コストパフォーマンス:9点
■エンジン出力は下がっても軽量ボディが元気な走りを見せる!(小沢コージ)
パワーダウンを感じさせない軽量ボディで走りの楽しさは健在
スズキらしいコスパにあふれた割り切りの反逆児的コンパクト。いまどき全長3.8m台と短く、軽量ボディはスペース効率に優れ、オトナ5人とほどほどの荷物を搭載。
デザインは先代よりヘッドライトやリアコンビライトの左右間隔を広げ、サイズを拡大せずともリッパにみせている。
なによりストロングハイブリッドを排した新開発の1.2L直3マイルドハイブリッドが秀逸。エンジン単体ピークパワー&トルクは直4から直3にし、燃費を向上させた代わりに旧型比で9ps&1kgmダウンの82ps&11kgm。
よって走りはパワー薄めかと思いきや低回転トルクの太さとパワー3ps程度のマイルドハイブリッド、ほとんどのグレードで1トン切りの軽量ボディもあり予想外に元気。
モード燃費もMハイブリッド付きで最良リッター25km台、ナシで23km台は充分。価格172万円スタートでハイブリ付きでも192万円スタートと安く、平気で200万円や200万円後半を超える競合ストロングハイブリッドより断然お買い得。
かたや内装は若干プラスティッキー。さほどお金はかかってないが、デザインの工夫で補ってるし新世代先進安全のデュアルセンサーブレーキサポートIIはクラストップ性能。電動感にこだわらないコスパ派は見逃せない。
●小沢氏採点チェック
・ハンドリング:8点
・加速性能:6点
・静粛性:7点
・内外装の質感:6点
・乗り心地:7点
・コストパフォーマンス:9点
■もはやスイスポいらずの完成度!? ただし価格は……(清水草一)
低速トルクを重視したエンジンだが上まで滑らかに回る。足回りもイイ!
あまりにもシャシーがいいことに驚き、感動しました。これこそクルマ好きの心の芯を食う地味にいいクルマだぁっ!
古きよき欧州製コンパクトカーそのものって感じで、速度を上げるほど足はしなやかになり、思いどおりに曲がってくれる。国産の同クラスのライバルたちもみんないいクルマだけど、スイフトの足回りが一番!
たったの82ps+マイルドハイブリッドなので、絶対加速は全然大したことないんだけど、低速トルクのある3気筒1.2Lエンジンと、最新のCVTの組み合わせで、必要にして充分+αの加速をしてくれる。
バドルによる疑似変速の制御もすばらしく、地味ながら猛烈にスポーティ。低速トルク重視型のエンジンなのに、上まで回しても凄く滑らかだし、静粛性もビックリするほど高い。本気で「スイスポは要らないかも」と思うくらいイイ!
逆に、エクステリアとインテリアは可もなく不可もないレベル。お値段も決して安くない。円安によるコスト上昇や先進装備の充実を考えれば仕方ないけど、先代スイスポの登場時より、普通のスイフトの値段が高くなったのはショックだ。
燃費ではヤリスHVやアクアに歯が立たないことも考えると、コスパがいいとは言えないのが残念。
●清水氏採点チェック
・ハンドリング:10点
・加速性能:8点
・静粛性:10点
・内外装の質感:7点
・乗り心地:9点
・コストパフォーマンス:7点
【画像ギャラリー】期待を裏切らないモデルチェンジ!! 軽快さは当代でも健在のスズキ スイフト(24枚)
投稿 もはやスイスポいらずの完成度!! 新型[スイフト]は値上げも軽量を武器に! 元気な走りを見せる は 自動車情報誌「ベストカー」 に最初に表示されました。
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
「運転中にブレーキを何回も踏む車を見ます。あれは正しいのですか?」投稿に回答殺到!?「教習所で習っただろ」「ヘタクソ運転」の声も 実は「本当に大切なこと」があった!?
6速MTあり! 全長4.5m級“ちょうどいいサイズ”の「新型スポーツカー」発表! 480馬力“直6ツインターボ”×FR駆動でめちゃ楽しそう! 新型「BMW M2」改良型登場
全長2.7m! 49万円のスズキ「めちゃ小さいクルマ」に大注目! 軽量ボディに「5速MT」も搭載! 一番スズキらしい「挑戦的モデル」が最高に楽しい!
スズキ車がどう考えても安い! 他社と比べて何かを「ケチって」いるわけじゃないのに安い秘密
約141万円! トヨタ新型「“最小級”SUV」発表! 全長4m以下ボディでMTもアリ! 精悍スポイラー装備の「アーバンクルーザー タイザー“光の祭典”仕様」インドで発売
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!
みんなのコメント
評論家と言われる人のモデルチェンジだと思う